マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2009.06.20
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コースは銀河高原ビール工場の敷地内に入る。この「銀河高原」と言うのも、多分宮沢賢治のネーミングだったはず。立っていたスタッフの人に、「どこでビールを売ってますか?」と尋ねたら、「あの建物だよ」と教えてくれた。迷わずY田さんとその建物に入る。支配人の方(?)に「ビールをください」と言ったら驚かれてしまった。「ジョッキですか?」。「いや缶ビールです」。

冷蔵庫の中から冷えた「銀河高原ビール」を取り出す。実はエードが改善されてないことを想定し、自販機で飲み物を買おうとポシェットに小銭を入れていた。それが思いがけずに役に立ったのだ。一方のY田さんは昨年の「磐梯高原ウルトラ」でバテた時、缶ビールを飲んで復活したことがあった。だからこの「いわて銀河」でも一度試してみたかったようだ。大笑い

建物の外に出てベンチに座り、ビールを開ける。このビールは前夜祭の会場でも飲んでいた。フルーティーな味が特徴の地ビールだった。今再びレースの真っ最中に飲む。冷たいビールが腹に染みる。思わず「美味い」と2人で顔を見合す。ふう~っ。これは生き返った感じ。東京のK川さんは驚くようなビール好き。今日も途中で会った時、30kmと60km付近でビールが買えると教えてくれたが、まさか工場内でビールが飲むことまでは彼も思いつかなかっただろう。

「先に行ってて良いですよ」。Y田さんはそう言い残して開いたビールの缶を返しに言った。まさか1人で行くわけにはゆかないだろう。彼が戻るのをまって再びレースに戻る。ビール工場の外が73.3km地点のだい16ASで第3関門。喉を潤したばかりなので、ここで摂るべきものはない。Y田さんは先に行ったが、私はペットボトルにスポーツドリンクと塩を補給するためにASへ寄った。その間わずか2、3分だろう。だが彼の姿は遥か彼方へと消えていた。

苦労した登りを分岐点まで下る。ここがコース唯一の折り返し。誰か知ってるランナーがいないか道路の向かい側を見るが、生憎誰も走友はいなかった。しばらくしてスタッフの誘導で雫石町方面に左折。再び登り坂が続く。緩いけど直射日光に晒される坂道は結構辛いものがある。遥か前方にオレンジ色のシャツ。あれはY田さんだろうか。何とか追い着きたい気持ちはあるのだが、ビールを飲んだせいかそんなことはどうでも良いような気分になっていた。

次の第17ASまで5km弱。昨年第3関門を10分残して通過したものの、必死で辿り着いたここのASには、全く飲み水がなかった。あの時の驚きは大変なものだった。まさかASにランナーの生命とも言うべき水がないとは。しかもその深刻さを、スタッフの小母ちゃん達は少しも理解してなかったのには2度ビックリだった。予想以上に気温が上がり、あまりの暑さに先行するランナー達が水を被ったのだろう。だが、水を補給する体制が昨年の大会本部には出来てなかったのだ。

大笑い幸い今回は飲み水も被り水もたっぷりと用意されていた。「岩谷堂」の水とか言う冷たい水が喉に美味しい。だが、登り坂がその後も続く。厳しい坂をノロノロ走る。依然としてY田さんの姿は見えず苦しくなる。監察車が止まり2名のスタッフが道端に立っていた。そこで「出来れば来年は第16ASと第17ASの間に水を置いてください」とお願いした。日陰の無い登り坂が続くあの辺は体力が落ちていることもあって、ランナーにはかなり厳しいと感じられる地点なのだ。

ようやく下り坂になって80km地点に到達。だが、慎重に坂を下りる必要がある。ここはとても長く、かつ急角度で降りる下り坂なのだ。まだ元気があった頃は猛スピードで駆け下りることが出来た。そんなことをすれば足への衝撃が強過ぎて、今はとても無理な話。深い谷間は涼しくて有難い。昨年はこの坂道を大崎市のT田さんがトボトボ歩いていたっけ。確か直前の「野辺山100km」で足を傷めたと話していた。だが今年の彼は速かった。きっとそれだけ強くなったのだと思う。

遠い道。遥かな道。86.3km地点の第18ASがまだ見えない。そこは昨年私が制限で捕まった第4関門でもあった。1時間制限が延びた今年は完走する自信があるため、全く関門を意識してはいなかった。道端に咲くヤマアジサイを愛でながら歌を歌う。静かなる山間。それにしても全く追い着かないY田さん。まさに恐るべきビールパワーだった。





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Last updated  2009.06.20 04:45:59 コメント(4) | コメントを書く


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