マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2010.07.16
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 K彦さんと遭ったのはトンネル付近だったと思う。折り返して来た彼とは15kmほどと、前回遭った時よりさらに差が開いていた。時計を見て「もっと粘って走れ」と励ます彼。スピードランナーの彼と違ってこちらは鈍足。これからさらにスピードは落ちるだろう。だが、いつも通り最後まで全力を尽くすのみ。相変わらず西風が強く、高い波が打ち寄せる湖岸。

 レース前に9月の「秋田内陸」でウルトラ50戦目を迎えるため、その1週間前に140kmのレース「雁坂峠」を入れたと話していたK彦さん。私の場合今回も含め、秋田ではまだ44戦目にしかならない。そのうち3回は80km付近でリタイヤしている。こうして見ると新潟のI橋さんのウルトラ100回完走の凄さが分かる。私の回数には50kmや5時間走が幾つか入っているが、彼の記録は全て100km以上のレースだ。

 後から青シャツが追い上げて来たのは80(84)km辺りだったろうか。話をすると、彼はフルマラソンを6回完走した由。相棒の赤シャツは、65(69)km地点のホテルでリタイヤしたそうだ。やはりフル1回の経験だけでは無理だったのかも。だが彼より年長の青シャツは、やけに落ち着いて見える。「先に行っても良いでしょうか」と尋ねる彼に、「自分の体に相談して決めな。たまに歩きを入れても良いんだよ」と助言。みるみる遠ざかる青シャツの背中。

 足元がふらついている1人のランナーに驚いて振り返ると、彼の表情がおかしい。「熱中症みたいだから、無理しないでリタイヤした方が良いよ」と勧める。ゴール後に再会した際に聞いたら、80km地点でレースを止めた由。大会本部の車で運ばれ、つい先ほどまで点滴を受けていたようだ。車を運転して帰りたいので、もう少し様子を見ると話す彼。水分、塩分の補給を間違えれば熱中症に罹る確率が高いのが夏のレースの危険なところ。生死に関わる場合もあるのだ。


 折り返し点の舟津公園がようやく前方に見えて来た。ここが82.5(86.5)km地点。制限時間までまだ十分に余裕があり、捕まる心配はない。ゼッケンナンバーのチェックは簡単で、折り返した「目印」はくれないようだ。私がASで休んでいるうちに、早くも青シャツはゴールを目指して帰って行った。慌てない慌てない。ここはしっかりとエネルギー補給。食べ物で腹を満たし、飲み物で喉を潤す。

 ゴールまで残り17.5km。泣いても笑っても最後の頑張り所だ。自分のペースを守り、歩いているランナーを片っ端から抜いて行く。気温表示は相変わらず24度のまま。そして湖岸を渡る強風に耐えるのもこれまで同様。ペットボトルを手に持っている私は給水所を1か所パス。千葉の強そうなランナーも、その相棒の若い女性も抜き去った。



 89(93)km地点の志田浜ASで食べたのがチーズとパン。そしていよいよ「秘密兵器」の出番。引換券で濃厚ソフトクリームを註文し、歩きながら食べる。栄養価の高いソフトクリームは、きっとエネルギー補給にも役立つはず。食べ終わって満足し、再びレースに復帰。

 国道49号線の地下道手前で黒いシャツの女性ランナーを抜く。彼女は気になっていたランナーの1人。「とうとう抜かれた。折り返しからずいぶんスピードを上げたね」。彼女の声を背中で聞きながらもペースは緩めない。田圃の向こうに山麓のホテル。いよいよゴールまで5kmを切った。気合を入れて水を被る。<続く>





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Last updated  2010.07.17 17:07:18 コメント(2) | コメントを書く


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