マックス爺のエッセイ風日記

マックス爺のエッセイ風日記

2012.06.28
XML
カテゴリ: 芸術論


 画家の名前は聞いたことがある。大阪の水彩画家である松風さんが好きな画家だとも知っていた。だが、どんな絵を描く人だったか、思い浮かばない。きっとベン・シャーンと混同していたのだと思う。この展覧会の楽しみはもう一つあった。ルーブル美術館からの出品があることだ。何故ルーブルなのかは分からないが、それで訪ねる気持ちが深まったのは間違いない。

 初めに「ルーヴル美術館からのメッセージ:出会い展」を観る。昨年発生した東日本大震災に関し、日本の人々と連帯したいとの趣旨での協賛事業。展示内容は古代エジプトの彫刻、古代ギリシャの彫刻、古代オリエントの彫刻、中世ヨーロッパの宗教画、古代ギリシャの三美神に因む絵画が中心で、いずれも小品の22点。

 私は博物館勤務の時にオーストラリアの美術館と博物館を20ほど訪ねたことがあるが、今回の展示はメルボルンのビクトリア国立美術館と雰囲気が良く似ていた。古代エジプト、古代ギリシャ関係の美術品は全て市民から寄付された本物で、さすがは大英帝国の末裔と感じたものだ。かつてのオーストラリアはイギリスの犯罪者を送りこんだ地だが、もちろん移住者は犯罪者だけではない。クール

フランスはナポレオン時代にエジプトを侵略し、多くの美術品や工芸品を本国に持ち帰っている。ルーヴルの収蔵品の中でそれらが占める比率は結構高いはず。ビクトリア国立美術館へ寄付された古美術品も、きっと市民達の祖先がエジプトやオリエントから収奪したものが多かったのではないか。だがたとえどんな経緯であれ、こうして本物を鑑賞できるのは有難い。

 アンドリュー・ワイエス(1917~2009)はアメリカの画家。「オルソン・ハウスの物語」のサブタイトルが示すように、東海岸メイン州にある淋しい作業小屋とそこに住む人々を好んで描いた。展示された120点のほとんどは水彩画で、一部鉛筆画が混じる。描かれた形は明確だが、色彩はモノトーンのような色調で、かつ濁っているものが多い。

 一見して陰鬱な印象だが、ワイエスにとっては単調な田舎暮らし、朴訥な人間性、落ち着いた色合いの全てが好きだったのだと思う。私が受けた印象は、「色がついた水墨画」だった。常設展も観ず、大好きな彫刻家である佐藤忠良コーナーへも行かず、建物外にある数点の彫刻とアマチュア美術家の展覧会だけ観て帰った。近く市の博物館である「インカ帝国展」が楽しみだ。<続く>





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.06.28 09:50:51
コメント(6) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ

利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:形・色・言葉・奏(1)(06/28)  
こんにちは~~。

こちらは、朝から雨になっています・・最高気温も21度と寒いくらいです・・・。
炬燵もまだ使っています・・

北海道は31度と夏日の様です、不思議ですね?・・・・・。

ルーブルの展覧会は一度見ています^-^。
「アンドリュー・ワイエス展」楽しみでしょうね^-^。
(2012.06.28 16:52:54)

Re[1]:形・色・言葉・奏(1)(06/28)  
マックス爺  さん
よっちゃん67さん今晩は~!!
ご来訪とコメント、ありがとうございます♪

>こんにちは~~。
>こちらは、朝から雨になっています・・最高気温も21度と寒いくらいです・・・。
☆今日のこちらは素晴らしい天気で、気温も上がりました。
今も半袖ですよ~♪(笑)

>炬燵もまだ使っています・・
☆ええ~っ?そんなに寒く感じますか~?
風邪を引かないように、注意してくださいね~!!

>北海道は31度と夏日の様です、不思議ですね?・・・・・。
☆ハハハ。今日は北海道の方が暑かったみたいですね。(笑)


>ルーブルの展覧会は一度見ています^-^。
☆それは良かったですね。今回仙台であったのは、ごく
ささやかな内容でした。

>「アンドリュー・ワイエス展」楽しみでしょうね^-^。
☆これはルーブル展と一緒に既に観たんですよ~。
(2012.06.28 18:53:24)

Re:形・色・言葉・奏(1)(06/28)  
LimeGreen  さん
オルソンハウスには去年行きました。
plaza.rakuten.co.jp/billychavez/diary/201107060000/
行ってみて初めて肌で感じられるって絵も、世の中にはあるような気がしました。で、写真でご覧いただければ分かるんですけど、「さびしい作業小屋」と呼ぶにはあまりにも大きい家ですよ。昔は都会から何人も夏に必ず長期宿泊するお客もあったようですね。

私がこちら↓
plaza.rakuten.co.jp/billychavez/diary/201109090000/
で紹介した美術館では、オルソンハウスでの作品を集めたエキジビジョンをやっていたところで、日本からの出品も多数ありましたよ。ただ、オルソンハウスったら「クリスティーナの世界」なのであって、これはMOMAへ行かないと見られないのですが…。

メイン州ではポートランド美術館でもワイエスの作品は何点も常設されてますね。
(2012.06.28 19:40:41)

Re[1]:形・色・言葉・奏(1)(06/28)  
マックス爺  さん
LimeGreenさん今晩は~!!
わざわざのコメント、ありがとうございます♪

>オルソンハウスには去年行きました。
plaza.rakuten.co.jp/billychavez/diary/201107060000/
☆そうでしたか。同じメイン州ですものね。(笑)

>行ってみて初めて肌で感じられるって絵も、世の中にはあるような気がしました。
☆それはそうでしょうね。実物を見たんですから。(笑)

>で、写真でご覧いただければ分かるんですけど、「さびしい作業小屋」と呼ぶにはあまりにも大きい家ですよ。
☆それは私も知ってます。絵でも分かるし、家の模型も
ありましたので。でも私の印象はそんな感じでした。

>昔は都会から何人も夏に必ず長期宿泊するお客もあったようですね。
☆そうですか。結構部屋の数があるみたいですね。

>私がこちら↓
plaza.rakuten.co.jp/billychavez/diary/201109090000/
>で紹介した美術館では、オルソンハウスでの作品を集めたエキジビジョンをやっていたところで、日本からの出品も多数ありましたよ。ただ、オルソンハウスったら「クリスティーナの世界」なのであって、これはMOMAへ行かないと見られないのですが…。
☆関係施設が幾つかあることは今回の展覧会で分かりました。
付属の美術館もあるらしいですね。

>メイン州ではポートランド美術館でもワイエスの作品は何点も常設されてますね。
☆なるほどね。それほどメイン州にとってワイエスは関係の
深い画家だということでしょうね♪
(2012.06.28 20:02:59)

ルーブルの友情  
伯堂 さん
マックス爺さん! あれからもう1年と3か月。
放射能の影響を心配したプーシキン美術館展、ホノルル美術館所蔵北斎展、モーリス・ドニ展などの相次ぐ中止。
ルーブルはその中で復興支援として熱き友情を示してくださった。よかったですね。見ることができて。

寂しげな詩情を込めたアメリカン・リアリズム。人気のホッパーかワイエス。
マックス爺さんとワイエス、寒い国同士の波長が合ったのかもしれませんね。

(2012.07.01 17:28:04)

Re:ルーブルの友情(06/28)  
マックス爺  さん
伯堂さん今晩は~。ご無沙汰してますが、お元気でしたか~?
わざわざのご来訪とコメント、ありがとうございます♪

>マックス爺さん! あれからもう1年と3か月。
>放射能の影響を心配したプーシキン美術館展、ホノルル美術館所蔵北斎展、モーリス・ドニ展などの相次ぐ中止。
☆あらら。そんなこともあったんですね。ちょっと考え過ぎ
のような気もしますが。(笑)

>ルーブルはその中で復興支援として熱き友情を示してくださった。よかったですね。見ることができて。
☆小さな作品が22点の、ささやかな展示でしたけどね♪

>寂しげな詩情を込めたアメリカン・リアリズム。人気のホッパーかワイエス。
☆ポップアートとはかなり違った雰囲気ですね。(笑)

>マックス爺さんとワイエス、寒い国同士の波長が合ったのかもしれませんね。
☆それはどうでしょう。少し暗い雰囲気で、私としてはさほど
好きな作品ではないのですけどね。 (2012.07.01 19:24:41)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: