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2007年05月24日
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戦場、赤子の泣き声

 伏せ! と誰かが叫んだ。母が私を路上に激しく押し倒した。次の瞬間、すさまじい炸裂音と轟音が怒濤のように襲いかかってきた。数十人の避難民たちとともに安全地帯へ移動している途中であった。

 硝煙と土埃が視界を遮り、紅蓮の炎が吹き荒れる。炸裂音の間隙を縫って、赤子の泣き声とその母親らしき女の狂った笑い声が聞こえた。

突然、辺りが白く輝き、何も聞こえなくなった。しばらくして全身に衝撃が走り痺れた。すぐ真横に砲弾が炸裂したのだ、母と姉と私の三人だけが奇跡的に生きていた。

 辺りは地獄の修羅場であった。至る所に原形を留めない無惨な死体が散乱し。木の枝や幹、岩肌には肉片や腸などがへばりついている。赤子を抱いた首のない女性を、四歳だった私はぼう然と見つめ続けた。

 それから五十年、私はその地を訪れた。今では緋寒桜の名所となっている。ふと私は立ち止まった。あの時の同じ岩場にパパイヤの木が大きな実を二つ付けて生えている。死の恐怖に狂いながらも、懸命にわが子に乳房を含ませようとしたあの母親、それが眼前に立っているように思えてならない。





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最終更新日  2007年05月24日 20時47分15秒 コメント(3) | コメントを書く


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