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驚くほど多くの知識を持っているのに、彼は「分からない」という言葉を多用する人間だった。「この2つの銘柄はどっちが割安なの?」「分からない」「この企業はまだまだ成長するかな?」「分からない」「下方修正したけど、明日はやっぱり暴落する?」「分からい」彼は、どんなに知識があっても役に立つような事は何も分からない、という事を識っていた。売上高、利益率、設備投資額、自己資本比率、ROE、etc。それらの数字の長期間の推移について、驚くほど詳細まで調べていた。しかし、それでも、彼が分かるのは過去から現在までの事のみで、未来の事については驚くほど無知だった。皆が興味を持っているのは未来の事であった為、彼はその素晴らしい知識にも関わらず、誰からも相手にされなかった。未来とは、過去と現在の延長線上にある。その為、本来であれば、過去と現在の位置を把握する事で、未来を予測できる筈である。彼は誰よりも過去と現在を把握していた。恐らく、誰よりも未来を知る事のできた筈である。しかし、彼はいつも未来の事になると、「分からない」というばかりだった。彼は未来に興味がないようだった。彼が興味を示すのは過去から現在までであり、そこから先は彼にとって興味のない、全く必要のない世界であるようだった。多くの人は未来を見て生きている。後ろ向きで生きるのは健全ではない、とさえ思っている。しかし、どんなに遠い未来でも、いずれ現在になる。そして、現在は瞬時に過去となる。当時、彼は過去を知る事で、やがて過去となる未来を見ていた。今はそう思う。ある朝、彼は保有銘柄の暴騰から思いがけぬ大金を手に入れてしまった。彼は自分の保有している銘柄が暴騰するなんて夢にも思わなかった筈である。彼が知りえたのは、現在及び過去の業績、そして株価の推移だけだった。未来の株価がどうなるかなんて予測はしなかったに違いない。しかし、彼は大くの利益を手に入れた。名声を得ても決して奢らない姿勢が周囲の尊敬を集め、彼は他の多くの優れた投資家と交流を持つようになった。それから急に、彼は「分からない」と言わなくなった。その後の彼については、きっと貴方の方がよく知っている事だろう。ただ、勘違いをしないで貰いたい。私は今でも彼を尊敬している。
2007.03.28
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今、僕達は激動の市場の中にいる。日本が培った技術力を元にして得られた信用力で、ただ同然で貸し出したお金が資本主義の名の下、世界中で暴れまわっている。行き先を求めた資本が昼夜を問わず全世界を飛び交い、資本の自己増殖機能が脚光を浴びている。国力の地盤となる資源を持たない日本は、技術力の維持と資本の自己増力機能に頼らざるを得ない。過去、勤勉な国民性が技術力の向上を支え、保守的な国民性がリスクの少ない間接金融を通じて高度経済成長を支えた。少子化の波が技術力を徐々に蝕み、間接金融資本の増加自体が経済成長を鈍化させる今、日本は大きな転換期を迎えている。効率化を求めて彷徨う資本。直接金融の地盤である株式市場は既に飽和状態となり、よりレバレッジをかけた金融商品へと資本が流れ込む。0から1を生み出す欺瞞社会。経済を成長させるのはあくまで健全な欲望であるべきである。邪な欲望をもった市場は極めて危険である。理解したつもりになって深入りしてはいけない。資源も、そしてなにより技術力も有限である。破滅へ向かって加速し、最終的に破綻する市場経済でも、サイドブレーキとエンジンブレーキを巧く使いこなし、より延命できるように努力するべきである。また、核となる哲学では物事をシンプルに考えるべきで、複雑な理論で相手をねじ伏せてはいけない。無駄を省き、削ぎ落とし、削り取る。捨て去った無駄は、いつでも拾う事ができる。無駄な部分は怖がらずに捨てるべきである。しかし、基礎である哲学は軸がぶれてはいけない。軸がぶれると、この情報化社会の中で路頭に迷ってしまう事だろう。
2007.03.24
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一昨年をピークに、徐々に徐々に質が落ちてきている感じのフィナンシャルジャパンでしたが、内容だけでなく、先月からサイズが若干小さなものへと変更になり、また一部紙質が落ちたりと残念な感じでした。しかし、最新号の5月号は最近ではなかなか質の高い、満足のいく仕上がりになっています。中でも「今すぐ投資してみたい54社」は、一部それは違うだろうという箇所があるものの、バリュー投資を含む多面的な方向から注目株について検証しており、参考になります。僕が個人的に好きな、ファンドクリエーションインベストメントアナリストの木下晃伸氏のコメントもありました。GCAの佐山展生氏のコメントもあります。そして、「小泉構造改革の舞台裏」のコーナーでは、竹中平蔵氏と木村剛氏の会談となっています。フィナンシャルジャパンは、木村剛氏のコネが強いのか、ゲスト陣が豪華ですね。過去にも竹中平蔵氏の会談形式のものが何度か特集されていましたが、そのどれも分かり易く、共感できるものでした。今回も大変分かり易く、面白いです。必ずしもみんなに評価されている訳ではない竹中平蔵氏ですが(特に木村剛氏と竹中平蔵氏は外資の手先という評判ですが)、この2人は僕は好きです。デフレ真っ只中で、将来のインフレ対策を論じていたのは僕が知る限り木村剛氏だけでした。まぁ他にも居たのでしょうけどね。また、目玉特集の「亡国論」では、佐藤優氏と堀江氏の貧乏くじ引かされ組の会談もあります。こちらはあまり面白いものではありませんでしたが、一読の価値ありです。青山繁晴氏の「超経済外交のススメ特別編」も合わせて、興味深いものとなっておりますので、是非ご一読下さい。また、恒例の社長会談はサイバードです。どんな企業でも、社長の会談はまともですね。このコーナーは、僕の好きなコンテンツの一つです。今回は小さなコーナーも含め、全体的に質の高い出来だったと思います。過去BEST5に入るでしょうね。今日は一日休みだったので、久々に1日かけてフィナンシャルジャパンを読破しました。来月号は環境関連の特集以外はあまり面白そうではないですが、頑張ってもらいたいものです。
2007.03.19
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もともと優良企業というのは少ないお金で多くのお金を儲ける企業で、資産株とよばれるものは多くのお金を使って小さな利益を儲けている企業なので、駄目な企業といえます。という内容の文章がネット上でチラホラ見られるようになりました。まぁ、1年以内の値上がりを期待して資産株を買うというのは間違っているかもしれません。PERが同じなら、市場が適正な場合低PBR銘柄=低ROE=資産株高PBR銘柄=高ROE=成長株となりますな。ROEが高い方が良い企業であるという事は、資本主義市場での大前提。余剰資本は株主に還元し、少ない資本で成長を持続できる企業があれば、それが一番理想であるといえます。多くの場合は、高成長に多くの資本が必要なので、株主への還元は積極的に行われませんが、余剰利益は株主へ還元しないと、ROEは低下するのが一般的です。好景気では優良企業である成長株が買われるのは自然な流れで、資産株が買われるのは景気の先行きに不安が残るからだといえるかと思います。もし、今後の景気に強気の考えなら、何も資産株ばかり選んで投資をすることはないんでしょうね。ただ、低PBR銘柄と高PBR銘柄を比較した場合、統計的に低PBR銘柄の方が値上がり率が高いという事が立証されているようです。そんな事は当たり前の事で、低PBR銘柄は値下がりリスクが少ない分、ごくたまにしか上昇しなくても高PBR銘柄よりもパフォーマンスが良いだけの話です。まぁ、この事実からは、資産株への投資が成長株の投資と比べて優れているという結論にはいかないんじゃないかと思います。超分散投資の場合は統計データに近くなるので資産株の方が良いといえるでしょうが、高PBR銘柄をひとくくりにするのは乱暴すぎですね。割安成長株と割高成長株に分けて分析をしてもらいたいところではあります。まぁ、低PBRで高ROEが良い事はいうまでもありません。
2007.03.17
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長期投資家にとって必要な視点とは何だろうか?中期投資家に必要でなく、長期投資家のみに必要な視点について、答えられる自称長期バリュー投資家はどれくらいいるのだろうか。僕は、長期投資家ではなく、中期投資家なので、中期投資家からの意見になってしまうが、長期投資家のみに必要な視点として、「仮定の事象を想定する事」が上げられると思ふ。例えば、「もし中国経済がハードランディングしたら」「もしWindousにとって代わるOSが普及したら」「もし車の給油を自宅までしに来てくれるサービスがあったら」などなど。見えないリスクを考慮する。この視点は若干経営者の視点に近いようです。
2007.03.15
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自由とは、責任のあるところに初めて存在が許される。責任を伴わない自由は詭弁である。投資とはリスクマネージメントである。リスクとは不確定要素である。不確定要素をどれだけ許容するかが株式投資の本質である。何故なら、株価は常に適正価格であるからだ。ポートフォリオを作成する事が株式投資である。リスク許容度の決定が投資の本質である。自己責任とは、完全に自分で自由にポートフォリオの作成ができる事を表す。繰り返して言うが、自己責任が投資の本質である。
2007.03.10
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僕らの国、日本国の借金について。僕は借金肯定派ですので、色々前提条件はあるものの、重要視するのはROEです。ROE至上主義派です。より資金を必要とし、より資金を有効活用してくれるところであれば、増資及び借金をするのは問題なし、という考えです。借金については、資金を有効利用している間は返す必要なし。資金を有効活用できていないのであれば、つまり支払利息による負担の方が大きくなれば、そこで初めて借金返済をすれば宜しい。幸いにも、日本政府には有効活用されていない資産が大変多い。つまり、改善余地が大きい。グダグダ書きましたが、有効活用するための借金の返済は、支払利息に見合った経済成長をしている間は返す必要なし、という事です。借金を返す為に資産圧縮するというのはそもそも本末転倒で、有効活用していない資産については借金返済に充てた方が効率的、という話です。上にも書きましたが、日本は無駄が多いですから、資産圧縮して借金返済する事により、筋肉質な国家へと生まれ変わる事ができます。小回りの利く国家にして、市場経済をサポートすればいい。あとは市場が効率的に資金配分してくれます。国としてどのような方向に進む事が望ましいかを考慮しながら、資金需要が低い分野から高い分野へ資金が回るような仕組みを作る。つまり、一番簡単なのは伸びる分野への減税です。兎に角、アメリカとイカサマレースをする事を選択した以上、潤沢にある日本の資金を金融市場でグルグルまわすしか方法はない。もはや間接金融の時代ではないのですよ。
2007.03.06
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何度も何度も「むぎゅ。」で説明してきましたが、やはり自分で考えて理解しないと身に付かないと思います。僕は「むぎゅ。」読者に刺激を与えて、考えるきっかけを作っているに過ぎません。資本主義社会は前提条件を幾つか必要とします。過去にも説明していますが、経済は長期的に成長し続ける資本は自己を増幅させようとする意思を持って動くというものです。この前提条件が成り立つ為には、資本主義の根底のシステム、株式市場が常に適正価格である必要があるのです。これは実際に株式市場が常に適正価格かどうかは問題ではありません。過去にも書きましたが、株式市場は常に適正価格である、というのが資本主義社会の欺瞞です。資本主義社会は矛盾の上に成り立っています。まず、それを許容する事が資本主義社会に参加するルールです。「我々は、資本主義社会の矛盾に目を瞑り、チキンレースに参加する事をここに宣言します」資本主義社会は健全な欲望をエネルギーに、0から1を作り出します。株価が常に適正価格でないのなら、資本主義社会など成り立ちません。何を持って適正価格とするのか?それは神の見えざる手です。需要と供給、それも短期中期長期全ての欲望の和です。リスクとリターンの比がつり合う点が適正価格ではありません。そもそもリスクとリターンが比例しないのが資本主義社会の約束事です。もし、リスクとリターンが同じであれば、資本主義社会に未来はありません。
2007.03.03
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