とんかのクローゼット

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2006.01.16
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カテゴリ: いろいろ
インフルエンザになった。

わたしはよく高熱を出す方だけれど、いつもと様子が違うと思い、よろよろ病院に行ったら、やはりそうだった。

風邪の39度とインフルエンザの39度は違う。
脱水症状も出ていて、レントゲンも撮ることになった。
改めて自分のレントゲン写真を見ると骨が細い細い。
若かりし日に、「腰、ほそいね~。骨格が細いんだ。筋肉つけないと年取って腰いためるよ」と言われたのを思い出した。
こんなか細い身体でよくぞ今までいばって生きてきたもんだ。
これじゃ子供がガミガミ騒いでるようにしか見えなかっただろう。
「先生」なんて呼んで尊重してきてくれた方々、何て謙遜でえらいんだろう~とヘンな感心をしてしまった。


そういうわけで、移ると困るので家族と離れて別室で数日隔離生活をすることになった。
金、土、日と高熱で何も覚えていない。
パパに言い含められてわたしが寝ている部屋に入れないつるがティッシュペーパーにおみまいの手紙を書いて戸の隙間からすべりこませてくれた(適当な紙がなかったらしい)
ときおり障子にかめの影がうつっていた。

薬をもらって3日目、山田美葉さんの夢を見た。
(注:山田さんはシドニーオリンピックで捕手をつとめた選手。現役引退されている)


わたしたちは無造作につまれたおそろしくたくさんのバットを磨いているのだ。
美葉さんはあぐらをかいて黙々とバットを拭き、
わたしは時折彼女から汚れたぞうきんを受け取ってゆすいでは返しているのだ。

「どうせすぐ使うからって放っておいてはだめなんだよ。
毎日まいにちちゃんとふかないとね、ほら、金属製のものは汚れたままのところは劣化してるでしょう。

監督の言いそうなことはわかるなんて思わないで、ちゃんと話を聞くんだよ」
たたみかけるように言いながら、美葉さんはバットを拭いている。
わたしは新入部員なのか、何なのかわからないが、自分がやるべき仕事をしてもらっているような卑屈な気持ちだ。
どうして宇津木監督でも高山樹里さんでもなく山田美葉さんなんだろう、などと夢の中で思いながら。

「これ、全部拭き終えたらどんなかわかる?」


美葉さんの好物って何だろう。どんなものを準備したらいいんだろう。
いつも誰かの胃を満たさなければならないと思い込んでいる主婦らしい発想だ。

「きちんと全部手入れしたらね、早く使いたくなるんだよ!」

バットをかざして彼女は笑った。
まぶしい笑顔だった。

目がさめた。
身体が軽くなっていた。


この頃、ゆっくり神さまと話す時間を持っていなかった。
三食きちんと食事をしていなかったし、睡眠時間も不足気味。
かめに食べさせている間に自分も食べたような気になってご飯一膳もろくに食べていなかった。

そんなことを反省しながら、こんな時にソフトボール選手の夢か!と苦笑してしまった。
昨年、山田美葉さんが教えている高校が好成績を残しているのが嬉しかったから、あんな夢を見たのかもしれない。
突っ走っているわたしに赤信号を知らせるために、神さまはインフルエンザを送ったりソフトボール選手の口を使ってわたしを諭されたのかもしれない。

自分の手入れ。
今年わたしは30代最後の年だ。
年々これから変化するであろう自分の心と身体をどう使い尽くすのか。
手入れするのはそれそのものが仕事なのではなく、気持ちよく闘うためだ。
これからは「いかに動いて働くか」ではなく「いかに力を神に注いでもらうか」がいよいよ問われるだろう。


わが主なる神はこう言われた。
「お前たちは、立ち帰って
静かにしているならば救われる。
安らかに信頼していることにこそ力がある」と。
しかし、お前たちはそれを望まなかった。
「そうしてはいられない、馬に乗って逃げよう」と。
それゆえ、お前たちは逃げなければならない。
また「速い馬に乗ろう」と言ったゆえに
あなたたちを追う者は速いであろう。    (イザヤ初30:15,16)

加速する現代社会の渦の中で、重要なことと緊急のことを見分けることができますように。

弱った頭で「二度寝したら、今度は高山さんも出てくるかな~」と淡い期待を持ってみたけど、それは無理だった。
やれやれ。
起きよう。
子供たちが待っている。







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Last updated  2006.01.21 23:39:30


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