無駄のないテンポ、こういうのは理屈抜きで
小気味がいいですね！！
此処に至るまでは大変な苦労だと思いますが、プロの世界を思わせます。
色々な性格が一つ鍋に入る、良い感じですね、それぞれの個性が切磋琢磨して程良いハーモニーを作りあげていく、社会もそう有りたいですね。
(2007/02/04 09:47:23 PM)
小気味がいいですね！！
此処に至るまでは大変な苦労だと思いますが、プロの世界を思わせます。
色々な性格が一つ鍋に入る、良い感じですね、それぞれの個性が切磋琢磨して程良いハーモニーを作りあげていく、社会もそう有りたいですね。
(2007/02/04 09:47:23 PM)
2007/02/03
カテゴリ： カテゴリ未分類
車内で店の鍵が開くのを待つ。
やがて太陽の陽を浴びながら一台の車がやって来た。
リクライニングシートを戻した裕子は、今朝の鍵開け当番が小林太郎だとわかった。
小林は車からゆっくり降りると、裕子の軽自動車をちらり見てから意味もなく空を見渡し
アクビをしている。
手にはいつもの缶コーヒーのBOSSを持って、羨ましいほどおっとりとした歩調で裏口へ
向かった。
裕子が着替えを済ませ休憩室に出ると、小林はタバコの火を消して「どうも」と言った。
「おはようございます。 私は３０分前にキッチンへ入らないといけないので」
裕子は眉毛もまつ毛も濃い立体的な小林の顔を見た。 そして軽く頭を下げて厨房へ
向かった。
その日タイムカードの前で立ち往生している裕子に、優しく声をかけてきたのは矢沢だった。
２３歳。 小林と洋介の丁度間の年齢らしい。
はじめてダンスサークルの面々とこの店に客としてやってきた時、ほど良い接客対応と
久々に見る爽やかな青年に関心したものだ。 それが今、彼の声をすぐ後ろで聞いている。
（ドキ！）
「ごめんなさい。 なかなか覚えられなくて」
矢沢の指は長くて綺麗だった。 ギターを弾いていると誰かの話の中で知った。
「自分も最初は同じでした。 何度かやれば覚えますよ」
「ありがとうございます」
矢沢は広いフロア―に向かっていった。
厨房へ入り、丁寧に手を洗う。
温度チェック、元栓チェック、換気扇、暖房、チーフに教えられたことを指先確認しながら
ひとつひとつ行う。
順番は１１時オープンには必ず準備されていなければいけないことから始める。
つまり、そういうことなのだ。
不慣れな手つきで米をとぎ、同時にスープの準備をして、シンクに水をはる。
レタス、水菜、サニーレタス、ロメインレタス、レッドキャベツ、を切る。
大根とたまねぎは千切りとスライス。 ブロッコリーも忘れずに・・・・・・。
１０時になると、小林がゆっくりと自分のポジションのラインに立った。
（さすが、ベテランは慌てない。 貫禄だわ、あのアクビも余裕の呼吸としておこう。
ゆとり教育か、弛み教育か、受験戦争かｇｏｉｎｇ ｍｙ ｗａｙ（わが道を行く）か
彼は世代の流れなど、まるでどうでもいいかのように、歩き、話し、黙々と働く）
「ウォッシャーいつ立ち上げるの！」
聞きなれない太い声がした。
死角になっているオーブンの向こうから、裕子より１０歳位年配の男性が現れた。
コックコートが馴染んでいた。 ネームプレートの「倉田」の文字に目が行くと
「はじめまして」 と思わず頭を下げた。
「聞いてないとか、チーフから？ ランチのピークにどれだけの皿やグラスを洗うか、
早くスイッチ入れて！ 」
立ち上げる・・・・・・そういうことかと裕子は気づく。
その投げやりな口調と、てんてこ舞いの裕子のやりとりを、淡々と準備をしながら
小林は聞いている。 見ない振りをして意識が見ている。 先日の洋介と同じように
そうやって何人かの新米が、辞めるか伸びていくかを見てきたのだろう。
小林は、点火の遅いガスのスイッチをカチカチと何度も押し始めた。
「大丈夫ですか？ 元栓は開けたのですが」
「人のことはいいんだよ！ ほら、ブロッコリーがしなっちまう！ 」
倉田が大きな声を出した。
「あ、はい」
「食材をホテルパンに準備してくれないと、ラインがオーダーに迅速に応えられないんだぞ」
「ホテルパン？ 」
（ホテル用のパンに、ブロッコリーを突っ込む？ そんな物があるわけない）
裕子が緊迫していると、後ろを通りかかった小林が、銀色の容器を裕子の横に置いていった。
言葉もなく、極自然に、彼は裕子に「ホテルパン」を教えてくれた。
（ありがとう。 これがホテルパン、ここに食材を入れておく。 ラインに並んでいるアレ）
小林や矢沢のような若者の恩着せがましくない優しさ、ダンスサークルのオバサンパワー、
倉田のような直線的な厳しい視線。 これらがひとつの鍋に入れば、きっと美味しいスープが
できるだろう。 たぶん世の中も・・・・・・
次回の世代 「少しは成長したじゃん！ 」
撮影 kitakitune05さん
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Re:「世代」 １６ 人のことはいい！(02/03)
うりゃ1960
さん
まなざしや 息遣いや 声のトーン
仕草の 向こうの 心の動きなどなど…
裕子さんに 向かってくる
見えない 線や点を
彼女は どう 紡いでいくのか… 楽しみですね
(2007/02/03 09:42:02 PM)
仕草の 向こうの 心の動きなどなど…
裕子さんに 向かってくる
見えない 線や点を
彼女は どう 紡いでいくのか… 楽しみですね
(2007/02/03 09:42:02 PM)
言葉が浮いていませんよ・・・。
yuu yuu
さん
恵さん・・・丁寧な描写、祐子さんの心の動き・・・お見事ですね・・・。言葉が貼り付いていて・・・祐子さんの顔が見えます・・・。と言うことは生活が読者に分かると言うことでしょうか・・・。
フロリダで竜巻・・・もう地球は末期症状を呈しています・・・。
一度時間がありましたら安部公房の「第四間氷期」を・・・この作品は日本人で最初にノーベル賞候補になった作品です・・・。一読の価値があります・・・。
地球が温暖化すると北極南極の氷が溶けて氷河期になると言う説もあります・・・。冷たい海流が変化をもたらすという説が・・・。
・・・めぐみさん、書き続けてください、楽しみにしておりますので・・・。祐子さんがこれからどのように人間として成長してゆくか・・・。
御元気で・・・ご自愛を・・・。 (2007/02/03 10:50:08 PM)
フロリダで竜巻・・・もう地球は末期症状を呈しています・・・。
一度時間がありましたら安部公房の「第四間氷期」を・・・この作品は日本人で最初にノーベル賞候補になった作品です・・・。一読の価値があります・・・。
地球が温暖化すると北極南極の氷が溶けて氷河期になると言う説もあります・・・。冷たい海流が変化をもたらすという説が・・・。
・・・めぐみさん、書き続けてください、楽しみにしておりますので・・・。祐子さんがこれからどのように人間として成長してゆくか・・・。
御元気で・・・ご自愛を・・・。 (2007/02/03 10:50:08 PM)
見えますね!
ひろ主任
さん
本当に動きが見えます!まるで、実際にそこにいるような錯覚に陥りますね。リアルな描写に、僕も本当に感心してしまいます。
どうやら矢沢君が、鍵を握るのでしょうか^^ (2007/02/04 12:06:20 AM)
どうやら矢沢君が、鍵を握るのでしょうか^^ (2007/02/04 12:06:20 AM)
Re:「世代」 １６ 人のことはいい！(02/03)
男前のお姉さん さん
何気ない朝の数十分の人間模様が、ほんとに目に見える・・映画の様な感覚で読んでる。心模様も伝わってくるから、そんな錯覚に陥るんやろうね。
流石ですね。
裕子さんはいつも前向き。途中でエンスト起こさねばいいんですが・・・ (2007/02/04 03:55:01 PM)
流石ですね。
裕子さんはいつも前向き。途中でエンスト起こさねばいいんですが・・・ (2007/02/04 03:55:01 PM)
無駄のないテンポ
kitakitune05
さん
Re[1]:「世代」 １６ 人のことはいい！(02/03)
恵 香乙
さん
うりゃ1960さん
＞まなざしや 息遣いや 声のトーン
＞仕草の 向こうの 心の動きなどなど…
＞
＞裕子さんに 向かってくる
＞見えない 線や点を
＞彼女は どう 紡いでいくのか… 楽しみですね
＞
＞
-----
紡いていけるか、絡んでしまうか・・・なにがどう動いていくのか？ とりあえず必死というスタートでしょうね。 (2007/02/05 10:08:15 AM)
＞まなざしや 息遣いや 声のトーン
＞仕草の 向こうの 心の動きなどなど…
＞
＞裕子さんに 向かってくる
＞見えない 線や点を
＞彼女は どう 紡いでいくのか… 楽しみですね
＞
＞
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紡いていけるか、絡んでしまうか・・・なにがどう動いていくのか？ とりあえず必死というスタートでしょうね。 (2007/02/05 10:08:15 AM)
Re:言葉が浮いていませんよ・・・。(02/03)
恵 香乙
さん
yuu yuuさん
＞恵さん・・・丁寧な描写、祐子さんの心の動き・・・お見事ですね・・・。言葉が貼り付いていて・・・祐子さんの顔が見えます・・・。と言うことは生活が読者に分かると言うことでしょうか・・・。
＞フロリダで竜巻・・・もう地球は末期症状を呈しています・・・。
＞一度時間がありましたら安部公房の「第四間氷期」を・・・この作品は日本人で最初にノーベル賞候補になった作品です・・・。一読の価値があります・・・。
＞地球が温暖化すると北極南極の氷が溶けて氷河期になると言う説もあります・・・。冷たい海流が変化をもたらすという説が・・・。
＞・・・めぐみさん、書き続けてください、楽しみにしておりますので・・・。祐子さんがこれからどのように人間として成長してゆくか・・・。
＞御元気で・・・ご自愛を・・・。
-----
本のタイトルと「ノーベル賞候補にあがった作品」というのは仄かに覚えがあります。 わかりました。 ありがとうございます。 (2007/02/05 10:10:20 AM)
＞恵さん・・・丁寧な描写、祐子さんの心の動き・・・お見事ですね・・・。言葉が貼り付いていて・・・祐子さんの顔が見えます・・・。と言うことは生活が読者に分かると言うことでしょうか・・・。
＞フロリダで竜巻・・・もう地球は末期症状を呈しています・・・。
＞一度時間がありましたら安部公房の「第四間氷期」を・・・この作品は日本人で最初にノーベル賞候補になった作品です・・・。一読の価値があります・・・。
＞地球が温暖化すると北極南極の氷が溶けて氷河期になると言う説もあります・・・。冷たい海流が変化をもたらすという説が・・・。
＞・・・めぐみさん、書き続けてください、楽しみにしておりますので・・・。祐子さんがこれからどのように人間として成長してゆくか・・・。
＞御元気で・・・ご自愛を・・・。
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本のタイトルと「ノーベル賞候補にあがった作品」というのは仄かに覚えがあります。 わかりました。 ありがとうございます。 (2007/02/05 10:10:20 AM)
Re:見えますね!(02/03)
恵 香乙
さん
ひろ主任さん
＞本当に動きが見えます!まるで、実際にそこにいるような錯覚に陥りますね。リアルな描写に、僕も本当に感心してしまいます。
＞
＞どうやら矢沢君が、鍵を握るのでしょうか^^
-----
本をたくさん読んでいらっしゃるから、鋭いですね～
大沢竜也君のようで、実は・・・という部分があります。 期待ハズレにならないように進めていきます。 (2007/02/05 10:12:10 AM)
＞本当に動きが見えます!まるで、実際にそこにいるような錯覚に陥りますね。リアルな描写に、僕も本当に感心してしまいます。
＞
＞どうやら矢沢君が、鍵を握るのでしょうか^^
-----
本をたくさん読んでいらっしゃるから、鋭いですね～
大沢竜也君のようで、実は・・・という部分があります。 期待ハズレにならないように進めていきます。 (2007/02/05 10:12:10 AM)
Re[1]:「世代」 １６ 人のことはいい！(02/03)
恵 香乙
さん
男前のお姉さんさん
＞何気ない朝の数十分の人間模様が、ほんとに目に見える・・映画の様な感覚で読んでる。心模様も伝わってくるから、そんな錯覚に陥るんやろうね。
＞流石ですね。
＞裕子さんはいつも前向き。途中でエンスト起こさねばいいんですが・・・
-----
だははっ！
エンスト、、見抜いたな（＾＾） さすが姉貴やな。
裕子さんの方がましかもしれんよ。 (2007/02/05 10:13:31 AM)
＞何気ない朝の数十分の人間模様が、ほんとに目に見える・・映画の様な感覚で読んでる。心模様も伝わってくるから、そんな錯覚に陥るんやろうね。
＞流石ですね。
＞裕子さんはいつも前向き。途中でエンスト起こさねばいいんですが・・・
-----
だははっ！
エンスト、、見抜いたな（＾＾） さすが姉貴やな。
裕子さんの方がましかもしれんよ。 (2007/02/05 10:13:31 AM)
Re:無駄のないテンポ(02/03)
恵 香乙
さん
kitakitune05さん
＞無駄のないテンポ、こういうのは理屈抜きで
＞小気味がいいですね！！
＞此処に至るまでは大変な苦労だと思いますが、プロの世界を思わせます。
＞
＞色々な性格が一つ鍋に入る、良い感じですね、それぞれの個性が切磋琢磨して程良いハーモニーを作りあげていく、社会もそう有りたいですね。
-----
「天使の梯子」～「世代」にかえて書く中でいろいろ自分で見えてきたりしています。 時って凄いなあと思います。 皆さんのお陰です。 声援や励ましがないと人は伸びません。 (2007/02/05 10:15:53 AM)
＞無駄のないテンポ、こういうのは理屈抜きで
＞小気味がいいですね！！
＞此処に至るまでは大変な苦労だと思いますが、プロの世界を思わせます。
＞
＞色々な性格が一つ鍋に入る、良い感じですね、それぞれの個性が切磋琢磨して程良いハーモニーを作りあげていく、社会もそう有りたいですね。
-----
「天使の梯子」～「世代」にかえて書く中でいろいろ自分で見えてきたりしています。 時って凄いなあと思います。 皆さんのお陰です。 声援や励ましがないと人は伸びません。 (2007/02/05 10:15:53 AM)
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