星の髪飾り

星の髪飾り

2007/02/23
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「おはよう! 」

ふたりはそう言って、まるで何事もなかったようにオープンスタンバイをはじめた。 



 去っても環境のせいにしている間は何処で働いても同じだということ、

求人年齢ぎりぎりの裕子は「街路樹」にしがみ付いていた方が良いということ、

そして何より、引き止めてくれる仲間の存在が、凍りついた心を限りなく解してくれた。

もしかして以前のような仕事をし続けていたら、きっと出会えなかった幸運に分離する

ことなく溶けていく自分が、一人の他人の為にそれを失うことはまるで馬鹿げているのだ。

矢沢は知っていた。 裕子が再びこの厨房に立つということを・・・・・・



 小林太郎の風邪が全快すると、厨房は活気を取り戻し、いつものように回転し始めた。

平日は学校帰りの竜也は制服を乱暴に脱いで、慌ててコックコートに着替える。 

店の脇に止めてある竜也の自転車を横目で見ながら、奏が次のアルバイト先に向かう。

奏は幼い頃、大きくて柔らかい手に引かれて行った多摩川や、西武遊園地を時々思い出す。

秋の空は高く、去った父との思い出を風が運んでくる季節が好きだった。

温もりを忘れられない奏。 19歳になっても未だ離婚の訳に触れることはできない。

ただ、日増しに小さくなる祖母の介護をする母を見るにつけ、その母を支えることが

今自分ができることだと思うのだ。 

指紋のひだに染み付いた父への思いを感じながら、ペダルをこぐ。


 街で偶然奏を見かけたのは、裕子が休みの水曜日の午後だった。

裕子は「奏ちゃーん! 」と大きく手を振った。

「気をつけて行くんだよー! 」

「うん! 裕子さんも、ダンス頑張って! 」

 爽やかな声、軽快なぺタル、わずかに違う知性、大きく違う若さ。



 真夏の休憩室ではいろいろな事があった。

語り、笑い、怒り、泣き・・・・・・時々頭をくっつけて、色気のないテーブルに置かれた

ピザを取り合いながら、グラスの氷が溶けるように夏は過ぎた。


撮影 kitakitune05さん
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハート星次回の世代 「偏見」・・・・・・・・


 友達とこんなことをしていました。

200702221403000fr.jpg

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 ちぎり絵 初歩だなこれ

今日は雨、車が濡れた路面を走り去る音、窓の外の静けさ、

嫌いじゃない。 





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最終更新日  2007/02/23 04:30:44 PM コメント(8) | コメントを書く


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