星の髪飾り

星の髪飾り

2007/06/07
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予期せぬ幸運を浴びた。

その再会は俺にとってはあまりに画期的で、事件に近い出来事だった。 


 再会の相手はもちろん田口 優だ。

初対面が別れになった彼女の部屋は空き部屋になったにもかかわらず、じわじわと

存在を露にしてきた。 影もなく音もない隣に、時々俺は確実な気配を膨らませ

虚しい程に楽しんだ。


 東京府中に納車を済ませ、事務的なことは後輩に任せて直帰のハンドルを握る。

いい加減を絵に描いたような荒んだ暮らしは4年前の離婚、いやもっと前に俺はそんな

レールの上にいたのかもしれない。 



 彼女は白いティーシャツにジーンズ、和風柄のエプロンに同じ柄の鼻緒が付いた

下駄。そういうアンバランスを粋に着こなしていた。 

そしてあの時のように髪を雑に束ね、無心に花を覗いている。 黄色いハイビスカス。 

彼女がその花に見惚れたように、かつて知らないその仕草に俺もやられる。  

「私を見つけて!」

 俺にはその声が聞こえていた。 

                  photo by  kitakitune07さん





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最終更新日  2007/06/09 10:21:38 PM コメント(16) | コメントを書く


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