名作落語大全集

名作落語大全集

2021.12.15
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カテゴリ: 落語

【粗筋】
 京都では、来客があっても座敷では食事を出さない。帰ろうと表へ出る段になってから、「まあええやおまへか、お茶漬けを一膳食べておいンなはれ」と言う。まさか上がり直して食べる者はいない。これを「京の茶漬」と悪口に言った。
 大阪の商人が京での仕事を終え、大阪へ帰ることにしたが、金を全部荷に入れて送ってしまい、昼食ができない。困った男が思い出したのが「京の茶漬け」……知人の所へ暇乞いに行って、相手がうっかり「茶漬けでも」と言ったら食うてやろうと、さっそく知人を訪ね歩く。
 数軒目で無事茶漬けにありついたのはいいが、困ったのはそこのおかみさん。食べるとは思ってもいなかったのだから、お鉢の底から全部集めても茶碗に半分の飯しかない。茶漬けなので量はごまかせたが、お代わりをされたら大変、どうしようかと思い悩んでいる。そうとは知らぬ商人、お代わりをという声が掛からないので、何とか言わせようと、
「一膳ぐらいどこへ入ったやら分からんなァ……いや、ほんまにこのお香々がよう漬かってまんなァ、これさえあれば飯の3杯や4杯はさァッと飛び込んでいきまッさ……またこの茶碗がええ茶碗や。この茶碗、これなんぼで買いなはったんや」
おかみさん、傍らにあるお鉢をひょッとさし上げて(中を見せるように)、
「へ、このお櫃と一緒に買うたんどす」

【成立】
 安永4(1775)年『一のもり』の「会津」。文化5(1808)年、十返舎一九の『江戸前噺鰻』にある「茶漬」は大阪者ではなく田舎者。書物によれば、大阪には「それではお茶を下さい」という落ちがあるというが、完全に蛇足である。

【一言】
 原本が江戸のものなのに、江戸(こちら)の落語家が舞台に掛けなかったのは、シミッタレた噺で江戸ッ子には受けないためと考えています……。ところで『京の茶漬』も大阪では天保時代(1830~44)のネタ帳に出ていますが、大阪(あちら)でも演り手は少なかったので。明治・大正ごろの新聞雑誌にもあまり出ていませんし、もちろん東京でも同じで……(飯島友治)

☆ 要するに「京の茶漬け」というのがしみったれている感じで、江戸では嫌われたものということか。江戸落語なら江戸ッ子を主人公にすればいいのにと思うが、ご馳走になろうと知り合いを回るのが江戸ッ子に似合わない。だから東京落語でも大阪者で演じるということらしい。

【蘊蓄】
 「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」というように、近くでありながらその気質は大きく異なっている。関東では東京と横浜ぐらいの違いという。
 茶漬けは安永年間に浅草に海道茶漬という店が出来たという。もともとは海道(街道)沿いの宿場で出す「手軽な料理」ということらしい。
 「茶漬屋で、通り山吹、宇治の里、笹岡」(皇都午睡)
 「山富貴源太郎、新橋北紺屋町、山吹御茶漬」(江戸買物独)
 「山吹」というのは宇治茶の種類であるが下級のもの。 ​​






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Last updated  2021.12.15 05:04:44
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落語愛好者@ Re:落語「は」の88:浜野矩随(はまのまさのり)(02/08) 読みが違っておりますよ。 浜野矩随は「は…
ヌ−ベルハンバ―グ@ Re:落語「ね」の14:猫忠(ねこただ)(09/24) 初めてコメントさせ頂きます。 六代目・三…
名無し@ Re:落語「と」の86:とろろん(05/12) 「デロレン左衛門」は「デロデン祭文」では…
モルモタマ@ Re:65:油屋猫(あぶらやねこ)(10/21) これは小咄で、桂米朝が小咄ばかりを演じ…
背番号のないエース0829 @ 日比谷公園 「日比谷焼き討ち事件」に、上記の内容に…

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