【粗筋】
「おい、時鳥が鳴いているぜ」
「本当だ、テッペンカケタカって聞こえる……こりゃ妙だ」
「こう鳴くのは雄だけだって、知ってるか」
「へえ、雌はカッコウと鳴くのか」「そりゃあ閑古鳥だ」
「雌は何と鳴くんだい」
「雌は、てっぺんかけやしたか……と鳴くだろう」
【成立】
安永2(1773)年『御伽草』の「ほととぎす」。時鳥の鳴き声は、私には「特許許可局」の方が耳なじむ。「ホトトギス」を表す漢字は何種類もある。夜明け前にけたたましい声で鳴くこの鳥は大きく口を開けて口の中の赤いのが目立つ。だから血を吐くように鳴くとされ、結核で血を吐くことと重ね合わされた。徳富蘆花の「不如帰(ほととぎす)」は、主人公浪子が、横恋慕する男や姑の嫌がらせに耐えながらも幸せな結婚生活を送る。しかし、夫の武夫が日清戦争に従軍すると、結核を理由に離縁され、夫を思いつつ死ぬ。どうでもいいが、これをまとめた時にウキペディアの「ホトトギス」の文学に、一番重要なこの作品が紹介されていなかった……ウキペディアは間違いが多く、結局は自分で調べなければならないから、その手掛かりを得るのにしか役立たない。今は改定されているかも知れない。
「雑排」で八っあんが詠む俳句「ホトトギス浪さん待っててちょうだいな」はこの作品をもとにしたもの。
また、正岡子規は血を吐いたので、ホトトギスの漢字の一つを取って「子規」と号した。それで俳句の雑誌が『ホトトギス』。
鳥の多くは雄だけがさえずる。テリトリーを守るためと、雌を呼ぶため……書物では後の方しか書いていないのが多い。それも浮気相手を求めてと説明しているのは何だろう。作者がそういう人なのだろう。

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