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某月某日の朝5時30分からその異変は始る。
新聞を手にした人々は文字のない白紙の紙面に
誰もが驚きながら憤慨した。
載ってるのはわずかに漫画時評だけで全ての文字
が消失していた。
で、テレビのスィッチを押したが全てのチャンネルが
砂嵐状態で何も映らない。
電話をかけて抗議しようとしたがつながらない。
思いついて自分の本を取り出してみたがこれも文字が
消えていて何も記されていない。
全ての情報が失われた日、そしてその始まりの日。
日本だけの事象なのだろうか、民衆の混乱はその生活
の基盤まで揺るがした。
ただ紙幣は文字が消えているが肖像が残ってるのでさほ
どの影響は生まれなかった。
理由のわからない出来事を突きつけられた民衆の頭に
浮かぶ物など何もなく流言蜚語の類も陳腐な物ばかり。
しかし、この現象が日本全国のものでありその範囲が
全地球に及ぶと知って不気味な沈黙が生まれた。
3ヶ月過ぎて中国では内乱が起きて収拾がつかないことが
伝聞された。
イスラエルがイランの核施設に攻撃したことやパキスタンと
インドが核戦争を起こした事も8ヶ月後に知る所となった。
米軍がアフガンからも完全撤退した事実もやがて伝わった。
中東は中東での戦をしているらしいと言う事がぼんやりと
日本人の耳に伝わる頃、北朝鮮が破滅的な妄想を現実と
して日本への核攻撃を開始した。
米軍の核抑止力の無能さを嘲笑うような悲惨な状況が生まれた。
東京、大坂、名古屋、仙台、福岡などの大都市や日本にある原発
施設、米軍基地、自衛隊基地に標準を当てていた北朝鮮のミサイ
ルは的確に目的を果たして行った。
特に大都市への核攻撃は壊滅的な打撃を日本に与えた。
情報網が途絶した防衛省の文官たちは右往左往するだけで
首相の指示系統も断たれていたので対応が後手後手に回った。
米軍の原潜から放たれたメガトン級の核が北朝鮮を破壊した
のは日本が完全に焦土となってからであった。
何故、テレビが映らなくなり活字が消滅したのかはその後幾年も
世界中の学者の頭脳を悩ませることになった。