mikusukeの赤石お散歩日記

mikusukeの赤石お散歩日記

2006年11月14日
XML
「許さない!絶対に許さないんだから」
「メタビ!あなたは私に力をくれると約束したんでしょ、勝手に死ぬなんて許さない」

半分激怒し、半分泣き声のアルテミスの声が洞窟内に響き渡る。
激情したアルテミスの言葉にメタルビートルは気おされていた。

「もう、私のために誰かを失うことはさせない。さぁ槍に戻りなさい」

メタルビートルに対し、利き腕を突き出し手のひらを広げる。
しばし、二人の間に沈黙が流れるが、やがてメタルビートルの表情に笑みが浮かび。
体中に赤い光を浴びながらメタルビートルの体が槍の姿へと変化し、アルテミスの手に収まった。

_アルテ、セシルスの高速移動掴めるか?


「さぁ、勉強はこれからが本番よ。覚悟はいいねアルテミス」

セシルスが言い放つと、高速移動を繰り返し、島中を縦横無尽に移動する。
その後をすぐさま追うアルテミス。

_速く、もっと速く、私にスピードを頂戴。レッドストーンよ!

意識を集中し、セシルスを追うアルテミスの足がオレンジの光を放つ。
走るアルテミスの鎧が月明かりに反射し、光の線となり暗闇に後を残す。
次第にアルテミスの体が廻りの景色と同化していく、ついには光の線のみとなり
島中を2本の線が駆け巡る。

ザン!

光と光が交差した後、そこにはセシルスの体が置き去りにされていた。
鎧と鎧の継ぎ目から血を流し、立ち止まるセシルス。



再度、光に姿を変えたセシルスがアルテミスを追う。
光がまた島中を駆け巡る。

カン!
キン!

光と光が交差する度に火花と金属音が洞窟に弾ける。

何度目かの光の交差の後、アルテミスは背後に金属の感触を感じた。

ガン!

激しく壁に打ち付けられ。視界が真っ赤に染まる。

「まだまだだね。所詮は付け焼刃、スピードに自らがついて行っていない」
「制御できない単調な攻撃では、私は捕らえられない」

_アルテ聞こえるか、ワールの高速移動は長距離と短距離を交互に混ぜるのだ
_え?
_セシルスの高速移動を見ろ。足に一気に気を送り移動するスキルは次の気の回復が間に合わない。
_この世界から充電するエナジーがお前達の座標に追いつかないのだよ。
_だから、一旦短いスパンの移動で気を充電しないとガス欠状態で身動きが出来ない
_だから簡単に後ろを取られるのだよ


_うん?なんか確かに高速移動すると、足がつったみたいになるの。
_なんとかやってみる。

壁に手をかけ、立ち上がり、高速移動で一旦距離をとる。

_それからアルテ、セシルスには手加減をするな。
_え?
_あいつは私と同じ亡霊なんだよ。お前の手で楽にしてやってくれ。
_うん、今なら私やれると思う。あの時はわからなくて、レッドストーンに意識を奪われたけど
_今は凄く実感してる。
_メタビって本当に凄いよ。今なら色んな技の出し方が体に刻まれてるのがわかるの。

「さぁ、これからが本番よ。セシルス私の渾身の槍を受けてみなさい!」
「口数の多い女は男に嫌われるよ、覚えておきな」

再び、高速移動を繰り返す二人のランサーが地表に光の線を映し出す。

月明かりと二人の光が湖面に映り、幻想的な情景であった。
3人の孤独な女達の戦いであった。


赤石物語
(Blackworld and Redstonestory)

~古都の南風 傭兵の詩~



大地に漆黒の染みが浮き出てくる。その染みは次第に広がり、大地を埋め尽くしていく。
そこに、僅かな光が差し込んでいく。拡がる漆黒の大地を切り裂くように・・・
光が切り裂いた場所が、赤色に染まる。
それはとても鮮やかと呼べない濁った赤色であった。

光は時には大きな輝きを放ち、時には漆黒に埋まりそうになりながらも、漆黒の中心点へと進んでいく。

「ぐうぁー、くぅっ、絶対に生き残っている!絶対に・・・」

大小さまざまな魔獣に囲まれ、体中の肉が削がれ、斧も既に切り裂く能力が欠落した状態で
それでも、ガラテアの進む足は衰えない。
背後のセシルスですら恐ろしいと感じる眼光が、獣達の中心へと注がれる。
いや、中心しか見えていないといった方がいい状態であった。
背後や横から来る獣達の爪や牙などは目もくれず、ひたすら前へと突き進む。
背後のセシルスは巧みなステップと残像を残し、魔獣達から何とか逃れガラテアの援護をする。

「いくら回避の優れたランサーだって、これじゃ長くは持たないぞガラ。ガラ!聞いてるのか!」
「すまんセシルス、無理ならなんとか一人で逃げろ。俺は必ずあの子達を救う」
「それだけは譲れない。これ以上我々のために幼い命の灯火を消すわけには行かんのだ」

そして、光は漆黒の大地に飲み込まれた・・・
2つの強き光はあがらいながらも、巨大な漆黒の渦へと飲み込まれた・・・
漆黒の渦はまるでそれ自体が巨大な生き物のように、2つの光を飲み干したまま鼓動していた。




新たな二人の戦士が、魔獣の群れの前に降り立った。

「間に合わなかったか・・・」
「いやまだだ、僅かに気を感じる。ガラテアは生きている!」
「悪いが、後方を頼む。俺はガラテアの作った道を駆け抜ける」

前方の男が自らの周りに盾を浮かべ、魔獣達の群れへと走り出す。
後方の男は巨大な盾から竜巻を作り出し、前方の男に襲い掛かる魔獣の動きを封じ込める。
竜巻に巻き込まれた魔獣は、体の自由を奪われ彫像のように動きを止めた。
ただ悲痛な叫びを残して。


「ガラテア、大丈夫か?」
片膝を付き、両手で脇腹に刺さった剣を掴むガラテアにセシルスが寄り添う。
ガラテアは大剣を腹に飲み込みながらも、自らを刺した相手に向かい睨み付ける。
そこには、真っ黒な鎧に身を包んだ剣士と、ランサー、そしてJブランクの姿があった。

「フフ、砂漠の猛虎もこれだけの魔獣相手ではさすがに体が持たんか」
「き、貴様、何者だ」

鼻で笑い、ガラテアを見下す男の変わりにJブランクが前に出る。

「貴様も少しは聞いた事があるだろう?黒の剣聖の名を、ふはははぁ」
「まさか、何故お前が・・・ロウ・・バイオ・・レット・・」

流れた血の量からか、ガラテアの視界が薄らいでいく。

「まだ、寝るなよ、俺はまだ楽しみ足りない」

ガラテアに刺さった剣をひねるように回しながらロウ・バイオレットが引き抜く。

「ぐっはぁっ」

大剣が引き抜かれたその腹から、肉塊と共に大量の血液がほとばしる。

「ガラテア!きゃっぁ!」

ガラテアを気遣うセシルスの頭が後方に引っ張られる。
ロウの隣にいたランサーによって髪を掴まれ、後方に押し倒されたからだ。

「お前は私が相手をしてやろう。と言っても魔力も切れ、体力も残っていないお前じゃぁ遊び相手にもならん」
「私はジェイクリーナス、せめて殺された相手の名前を冥土に持って行きな」

倒され、仰向けになったセシルスの鎧にジェイクリーナスが手をかける。
抵抗するセシルスの利き腕の手首と地面が二股に分かれた槍によって結ばれる。

「まずは邪魔な物を剥ぎ取らないとね。恥辱の果てに死んでもらおう」

そのまま、ジェイクの手が思いっきりセシルスの体から鎧を剥ぎ取る。

「きゃーっ」

絶望的状況の中、セシルスの中で眠っていた女の部分が顔を出し、とっさに胸部を片腕で隠し、身をよじらせる。
鎧の下から、腕に隠れて白い肌が露出する。その交差した腕の下からは揺れるように
真っ白な楕円の下の部分が顔を覗かせる。
身をよじらせ半身になった体にジェイクが跨り、今度は下半身の鎧に手をかける。
必至に足をよじらせ、足首と膝をそれぞれ重ねるように抵抗するが、無常にも白く長く伸びた足の付け根があらわになる。

「ちっくしょう」
「はははっ、そうだ、その心からの叫び。ぞくぞくするよセシルスちゃん」

横になり、抵抗する力の無いセシルスの頬に悔し涙が零れ落ちる。

「さぁ、後はどちらがお好みかい」

ジェイクリーナスの手が妖しくセシルスの背中を上から這いまわり、最後は下腹部の中心にたどり着く。

「ああ~、うっ」

ジェイクの手の動きに合わせ、おぞましき感覚が背中からゆっくり首筋に這い回る。
その感覚がやがて首から細いアバラをつたい臀部から前方に移った時、体中に電気が走る感覚がセシルスを襲う。
体中の毛穴が広がる感覚をこらえ、悔しさと共に唇を力一杯にかみ締めた時、視界に写る光る物体を感じた。

シュッ!
キン!

「ちぃっ、邪魔すんじゃないよ!今いいところなんだから」

ジェイクは後方から飛んできた剣を槍で打ち落とし、振り替える。

「ついに来たな、剣聖!」

ロウバイオレットが叫ぶ。

「何を勘違いしてるのかな?私は剣聖なんかじゃありませんよ」
「ケーキ大好き、甘党仮面です。皆さんよろしく」
「見よ、ショルーダーパットではなく完全に身を包んだフルプレ。背中に担いだ巨大斧」
「頭から被った大型兜。何処から見てもsakezukiではありません。完璧な変装です」
「ちょーっ。自分で変装っていっちゃってるじゃないですか」

ガン!

「いっ痛たーぁ、やめて下さい。そんな大きな斧で叩くとホントに死んじゃいますよ」
「ウマタケマン君、私は甘党仮面だ。sakezukiなんて紳士は知りませんよ」
「なんで私まで変な名前になってるんですかぁ、しかも物凄い手抜きな名前ですよ」

ガン!

「あたっ!」
「つべこべ言わないで、さぁセシルスさんを助けるのですウマタケマン」

セシルスはこの好転した状況に、ガラテアの顔を伺う。
ガラテアはロウの言葉で既に失いかけていた、意識と視力を振り絞り振り返る。

「おお~、甘党仮面さんと言ったか。どこの誰だか知らぬが助太刀恐れ入る」
「ってガラ、どう見てもsakezukiじゃないのか?」
「ん?セシどうして甘党さんが剣聖なんだ?格好が全然ちがうぞ」
「しまったぁ~、ガラはいい意味でも悪い意味でも純粋だった。う~ん、説明するのが面倒だ」

ロウ・バイオレットがガラテアを置き去りにして、甘党仮面に進み寄る。

「ようやく、ようやく俺の念願が叶う。闇に生きてきた俺に本当にどちらが強いか教えてくれよ」
「さぁ闇の剣聖の剣を受けてもらおう」

ロウ・バイオレットの踏み込みと同時に、砂が舞い上がり、全員の視界を遮る。
その中から、金属音と激しい光がもれていた。

最強の剣と最狂の剣の再戦が今始まった。



<あとがき>
ちょっとサボっていた感はあるものの、ちゃんと構想はねっていましたb
アルテ編はようやくアルテの戦いに入ってきました。
長いねぇ~この戦いもw
飽きずに見ている方、本当にありがとう^^


え~戦争編、一言まず始めに。

「セシさんゴメンなさい」

ちょっと剥いじゃいましたw
たまには、色が入らないと小説に艶夜じゃなく艶がでないですから><;
まぁソフトな感じですからあんまりエロじゃないと思うけどねw
後、sakeさんとロウさん、いや甘党仮面とロウさんの対決がついに始まっちゃいました。
どっちか勝たないといけないので、どっちか負けます(当たり前かw)
まぁ次回に期待してください。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年11月14日 19時26分32秒
コメント(10) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: