mikusukeの赤石お散歩日記

mikusukeの赤石お散歩日記

2006年11月18日
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夜の月明かりの中、二本の閃光がぶつかり合う度に火花を散らす。
洞窟独特の風は生暖かく、二本の光に吸い寄せられるように集まっていく。

高速移動の中、アルテミスの瞳には外からみた景色とは全く逆に、ゆっくりと
まるで、風景写真を1枚づつめくるかのように写る。

「ねぇ、この感覚。何か不思議ね」
_ふふ、この速度に乗った時の感覚は体験した者にしかわからん。
_体のスピードが上がるにつれ、脳の感覚神経の速度が一気に跳ね上がるのさ。
_脳内の情報処理速度が上がるから、視覚・聴覚・触覚全ての感覚が逆に遅く感じる。

「だから、マスターは体を鍛えろと、足腰を重点的に鍛えてくれてたのね」


_「神の領域」に触れる事の出来る奴は、戦士の内でも極僅かマスタークラスだけだな。

「マスターか、でもこの感覚って凄い好き」
「空気の中で不思議な光の一粒一粒が、肌をなでるように優しく触れるの」

_普通の戦士達から見たら、お前達は光そのものだよ。
_光ったと思った瞬間には、体を貫かれている。
_セシも同じ領域にいる。油断するな。来るぞ!

光の速度でセシルスが迫ってくる。しかし、アルテミスの目にはスローモーションのように映る。
同じく自らの体をスローモーションのように動かし、アルテミスが迎え撃つ。
突き出した槍と槍。お互いの喉元に向かい交差して行く。

カン!

アルテミスの眼前にセシルスの槍が迫った時、アルテミスの槍がブロックする。



メタルビートルがアルテの中で叫んだ時には既に遅く、アルテミスの瞳に写っていた景色が速くなる。
高速移動がブロックにより、一気に止まったからであった。
その直後には、セシルスによる無数の残像攻撃がアルテミスを襲った。

「きゃーっ!」

セシルスの攻撃が鎧の上からアルテミスを襲う。攻撃を食らったアルテミスは一瞬硬直する。


_離脱だ、アルテ!

メタビの声に反応し、再度高速移動で距離をとる。

_さすがセシルスだ、相手のブロックを誘って一旦動きを止め、その隙に畳み掛ける。

「交わした方がいいの?」

_出来るならな。

岩と岩の間をジグザグに高速移動するアルテの背後には既にセシルスの影が迫っていた。
岩の柱を中心に方向転換し、再度正面から二人がぶつかっていく。

「鬼ごっこは終わりかい、どんなに力を秘めていても戦い方が素人なんだよ」

「私は逃げないって言っている!私は負けない!」
「どんなに辛い過去があるか知らないけど、人は過去には生きられない」
「過去に生きる人間に、未来を歩こうとする人は倒せない!」

二人の距離がどんどん短くなる。

_まだよ、もっと、もっと速く。もっと速く!
_アルテ、あまり速度を上げると交わせないぞ!
_だめ、あの人と同じ速度じゃ勝てないの。悔しいけど向こう方がうまい。
_もっと、自分の限界を・・・壁を・・超えて!

二人の槍が再度交差する。絡み合う槍は激しい火花を散らし擦れ合う。

ブウォン!

巨大な音が発したその瞬間、セシルスの瞳に写るアルテミスの姿が消えた。
白く幕をはったような空気の壁が、セシルスの前に現れたかと思うと
丁度、先程まで交差していた槍の先から破れたように中心から弾け飛ぶ。
その直後、一気に衝撃波がセシルスを襲う。

「なっ何なんだこれは。うはっ!」

ガガガ!ガン!

衝撃波と共に激しく地面に打ち付けられるセシルス。その口からは大量の血反吐がこぼれていた。

_まさかな、ソニックブームを起こすとは恐れ入ったよ。

「ソニック?セガの?」

_なんだそれ?今、お前は確かに音速を超えたんだ。
_物体が音速を、空気の壁を超える時に強烈な衝撃波が生まれる事があるんだよ。

「あ!私、槍を交わそうとスピードを欲したら何故か目の前が真っ白になって、セシルスが・・・」

ひんやりとした空気が一気に凍る程に冷えていた。
月明かりに照らされた、水蒸気が反射して雪のように幻想的な景色であった。


赤石物語
(Blackworld and Redstonestory)

~古都の南風 傭兵の詩~



砂塵が舞い上がる中、僅かに浮かび上がる影と影。
二つの影が重なり合う時、激しい火花が舞いガラテア達の頬に当る。

ロウ・バイオレットと甘党仮面、二人の持つ気の大きさか二人の下に空気が集まり
他の者達は喉が渇いてくる感覚さえ覚える。

「おらぁおらぁ、おらっぁ!どうした、お前の力はそんなものか?」

鋭い剣の連打が甘党仮面を容赦なく襲う。

「くっ、はっ!」

カン、カン!

甘党仮面の重い攻撃はことごとくロウ・バイオレットの盾に弾き返される。
そして、次の動作に入る時にはロウ・バイオレットの斬撃が甘党仮面を襲う。

ッザ、ザン!

「うはぁ!」

「お前の胸に刻んだ十字の傷、我が血の紋章ブラッディークロス。それを刻まれて生きていた奴はいない」

甘党仮面は自らの鎧に刻まれた太刀筋とそこから流れ出る赤い液体を指でなぞる。
その指を口元に寄せ、匂いを嗅ぎ舌で味を確かめる。

「う~ん、いい甘さだ。血糖値が充分に回ってるね、しかし毒とは案外せこい剣聖だね、闇さん」
「ふん、黙れ、俺の生きてきた世界はお前のような演武の世界ではない!」
「常に生き残った者が勝者だ。そして、敗北はすなわち死。手段どうこう言う輩は所詮甘い世界の人間だ」

「う~ん、そして生き残った結果、何が残ったのかい?」
「黙れ!」

ロウの剣が素早く空気を切り裂く、同時に甘党仮面の体が分裂し垂直方向、水平方向そして真っ直ぐに
巨大な斧を解き放つ。

ガン!

ロウの体が仰け反り、そのまま砂の中に埋まる。

「ロウ、ただ生きるだけなら何故民草に紛れない?土を耕し草木を植え生きていけばいい」
「お前は俺に勝てないよ、守るべき者がない奴、己の為だけの剣では心は斬れない」

憤慨し、鬼の形相をしたロウが立ち上がる。

「力が全て、力無き物は淘汰される。俺はその為に全てを闇の中に捨ててきた」
「貴様に何がわかる!友や肉親をも敵に回さなければ生きて行けない闇の世界の住人を」
「明るい世界で剣聖ともてはやされてきたお前に、わかるはずがない」

「ロウ、もはや言葉は要らないですね、次でその答えを出しましょう」
「あ!ちなみに私は甘党仮面です。はい」

睨み合う二人の体からオーラが膨張し、大気の震えが止まらない。
二人を囲む屈強の戦士達ですら、二人の闘気から身を守るのがやっとであった。

輝く頭上の太陽を、ゆっくりと暗い雲が隠す。
まるで、二人の悲しき闘いに涙するようにスコールが降り始めた。


<あとがき>

あ~あ、やちゃったw
来たよアルテのペガサス流星拳><;
肉体が音速の壁を超えちゃったよ、このまま行くと名前だけカッコよくて
意味不明な技の応酬、車田ワールドへ突入だよ><;

戦争編は次回に決着持ち越しかな?
頑張れ!甘党仮面、強いぞ!甘党仮面w
ロウの暗い過去の説明は割愛です><;

ではいつも懲りずに読んでくれている方どうもありがとうm(_ _)m





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最終更新日  2006年11月18日 13時12分07秒
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