mikusukeの赤石お散歩日記

mikusukeの赤石お散歩日記

2008年02月11日
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【漆黒の世界と赤石物語】


『外伝』

・第一章 2

色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず

うん、なんだか諸行無常な感じがする高尚な歌だな。

やはり里場は僻んでるのか?
「とんでもない、彼方に彼女が出来るなら大変喜ばしく思いますよ」
「じゃ、何処に危険が潜んでんだよ。俺は妖精に怨まれる覚えはないぜ」
「彼方ならきっと直ぐ気づきますよ。どうせ何度も読み返すのでしょ横にも縦にも」
「それより、最近物騒ですからそれこそ気をつけてください」
そうだ、最近この辺りの高校生が何者かに襲われる事件が起こっているらしい。
幸いにも今のところ怪我人は出ていないらしいが、何やら奇妙な獣に襲われる事件が勃発している。
まぁ誰も信じちゃいないが、俺は実際に奇妙な獣に襲われた現場を見ている。
そう、未空だ。実は未遂に終わった事件のみ明るみに出て、本当に襲われた人物は存在そのもの
を襲われて消え去られたんじゃないかと俺は想像していた。
しかし、どうやってこれだけ大勢の人間の記憶を消すことが可能なのだ?

社会的に抹殺されたのだろうか?
まさかね、三流小説にも出てこない設定が現実にあるとは思えない。
そりゃね、1ドル札にフリーメーソンのシンボルがあるのも知ってるし、千円札の野口さん
の片方の顔が異常で裏から透かすと富士山の中央に瞳が写り、まるで富士山をピラミッド
に見立てたフリーメーソンのシンボルとなっているのも知っている。

そんな闇の組織が名も無いこの高校の生徒を襲ってどうなる?
身代金でも取るのか?闇の組織が動くにはお金が目的とはせこすぎるな。
じゃなんだ、宗教的な秘密でもこの無宗教国家に存在するのか?
「さっき神道国家とか言ってませんでしたか?」
いちいち細かい突っ込みをする奴だな。
日本は戦争で負けて、無宗教国家になったんだよ。
葬式はむしろ仏教の方が多いしな。怖いときには「南無阿弥陀仏」とつい言うだろ。
キリスト教なんて今の時期にカップルが騒ぐ口実に使われる位だよ。
元々、戦国時代に来て直ぐに追放された宗教だからな。
高山右近と共にマニラ辺りに追放されたんだろうさ。

「なかなか詳しいですね。ではこんな説は知っていますか」
「なんだよもったいぶって」
「いやですね、日本は元来キリスト教と根深い関係にあるという説があるのですよ」
「もっと言うと日本は古来からキリスト教国家と言う人もいるんです」
「はぁ?それこそ都市伝説か何かじゃねぇ」
「はは、そうですね。でも彼方の持っているそれを書いたとされている人は知っています?」
得意げな顔が腹立つが、どうも謎なことを言われると気になって仕方ない性分なので聞いてやることにしよう。

「弘法大使、いわゆる空海上人ですね」
「おい、キリスト教といろは歌と坊さんに何の関係があるんだよ」
「慌てないで下さい。空海上人のことはどうやら知っているみたいですね。安心しました」

どうやったらこんなに人を馬鹿にする言い方を顔色変えず言うことが出来るのだろうか。
まぁ確かに俺の成績を鑑みて仕方なしとしよう。でも言っておくが歴史はちょっとだけ
得意な方だぞ、三国志時代とか戦国時代限定でテストに全然活躍しない知識だけどな。

「で、弘法大使は平安時代の遣唐使の一員でそこで宗教を学んできました」
「真言密教だろ」
「それと、景教です」
「景教?」
「その時代に中国でおおいに流行った宗教です。いわゆる古代キリスト教というやつです」
はぁ?空海がキリスト教?どこの教科書に載ってんだよ。間違いなく教科書検定で落ちる
ぞ、そんなこと書いたら。
「本当ですよ。正式にはネストリウス派と言って異端派なのですが」
「で、もう一度手紙を見てください。通常は7・5調の歌ですが手紙は7・7調ですね」
「ちょっと待て、お前さっき縦にも横にもとか言ってたな」
「察しが良いですね、但し横にも縦にもと言いましたが」
「細かいんだよ。で、縦に日本語読みすると」
「『とかなくてしす』となりますね」
まったく人を食った涼しい顔で言いやがって、しかし『咎無くて死す』と確かに読める。
だが、無罪の罪で死んでいった奴はいくらでもいるけどな。
「角の5つの文字は『い・ゑ・す・し・と』となっているのも気づいてますか?」
「イエスと使徒と考えるのは深読みですかね」
このやさ男はどうしてもこの天使からの恋文を何かの事件に巻き込みたいらしい。
彼女の透き通る神々しい姿をみたら確かに天使かと思うのは無理も無いが実際見たのはこの俺だけだ。
「そして彼女は「気をつけて」と言ったのですね」
解ってるよ、無理やりに三流推理小説的な想像をするとこの手紙は忠告に受け取れる。
彼女が名乗っていないのも極度の恥ずかしがり屋や、慌て者とは考えがたい。
「やれやれ、どうやらあの日以来とんでもない事が俺の周りに起こっているらしい」

<あとがき>
構想は出来てたのですが、中々アップできませんでした。
少し事件が起きてきた外伝です。
サトヴァさんも登場し今後の展開は……どうしましょw
少し宗教が入ってきていることが今一と反省しています><;
まぁ何とか小説っぽくなるよう頑張りますので懲りずに
読んでください。





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最終更新日  2008年02月11日 23時57分36秒
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