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藤田正幸「エンロン崩壊 アメリカ資本主義を襲う危機」(日本経済新聞社、2003.1)を読んだ。いまさらですが・・・実を言って、2001.12のエンロン倒産の過程は読後も良く分からない。会計事務所と一蓮托生の損失を隠す不正経理によって、超優良企業と見せかけた株価の上昇、自社株式を活用したM&Aやハイリスクなデリバティブ取引、そして経営幹部の着服等の背信行為などは理解できるのだが、それ以上は何んとも言えない。それで全米売上7位だった企業があっけなく倒産するのだろうか。ただ、最後までエンロンを信じた従業員を含む普通の株主や、債権保有者にとってやりきれない事は十分分かる内容だ。恐らく、エネルギー業界の怪物だったエンロンの崩壊と、何でも証券化した金融資本主義から起こったリーマンショックは、放し飼いで膨張するモンスターを誰も止められなかった点において、ほとんど類似の現象のように思える。もっと深く理解したほうがよさそうだ。この本は、そういうきっかけを与えてくれた。(評価 星四つ:★★★★☆)(なし)
2010.01.26
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2008年3月にブログ開設以来、書評カテゴリーが200冊を越えました。およそ、1週間に2冊のペースで読んでいることになります。通勤時の電車の中と就寝前、それと諸々の小刻みな時間を利用して、2-3冊並行して読んだ積み重ねでここまで来たことになります。単に冊数を増やそうとすれば小説や軽めの新書を読めばいいのですが、冊数を競うことが目的ではないので、何らかの要因で自分が興味を持った分野での本を選ぶようにしています。なお、社会人になってから長く読書習慣がなかったので、昔のベストセラーも読んでいないことも多いのでタイムリーな書評情報とはならないのですが、それでも読み終えた本の自分なりの感想や思いを、備忘録を兼ねて残すことができることで続けられたのだと思います。これからも同じスタイルで、文学小説以外の、様々なジャンルのビジネス書・社会科学系・自然科学系の本が主体ですが、次は300冊を目指していこうと思います。
2010.01.23
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長田貴仁(おさだ・たかひと)「社長の値打ち 「難しい時代」にどうあるべきか」(光文社新書320、光文社、2007.10)を読んだ。著者はプレジデント社の元編集長で、現在神戸大学MBAスクールの先生である。内容は、豊富な現役社長のインタビューを元に、社長の備えるべき資質について述べたものである。特に、サラリーマン社長と創業社長との考察・分析にページ数を割いている。まあ、幾多の名経営者の資質の良いとこどりをして、それが社長に必須のことと言われても、普通の社長や社長を目指す人は困るだろうなという印象である。多くの色々な業種の社長の生い立ちや経歴が紹介されており、とても興味深い。もちろん、これまで自伝や雑誌などで取り上げられ・広く知られている事例もあるが、これほどまとまって紹介(特に多くの日本企業の社長が)されている本は他に類をみないのではないだろうか。一応、経営学の先生であるので社長として必要とされる資質を一般化しようとは試みてはいるが、共通項を取り出し集約するのは難しそうだ。むしろ、名経営者として名高い社長の生い立ちやその考えを知ることで、自分に欠けている点を反省し・実行に移すべきことを明確化・見える化させることに有益であるようだ。(評価 星四つ:★★★★☆)社長の値打ち
2010.01.23
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篠上芳光(しのがみ・よしみつ)「わが子に「お金」をどう教えるか」(中公新書クラレ273、中央公論新社、2008.3)を読んだ。またしても珍しく軽めの本を読んでみた。 内容は、「豊かな人生を過ごす上で、子供の時からまともな金銭感覚を身につけさせることは、とても大事なことだ。そのためきちんとした家庭環境の確立と、子供からの質問にちゃんとした答えを示しましょう。それが親としてなすべき教育です」といった所。引き合いに出される事例や教訓が、いわゆる裕福でお金持ちの方であるにもかかわらず、しっかりとした躾や適切な教育がこういう風にやっていますよということが多く、一般的にはあまり共感を呼びそうにはない。ただ、本物を見る目やプロの視点が、一般的にはとても大事であることは間違いはないので、一概には悪いことではないのかも。 肩ひじ張らず気楽に読んだほうがよさそうです。(評価 星三つ:★★★☆☆)わが子に「お金」をどう教えるか
2010.01.23
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杉山由美子「ひとりっ子時代の子育て」(生活人新書133、日本放送協会出版、2005.1)を読んだ。我が家もひとりっ子なので、珍しく軽めの本を読んでみた。趣旨は、「ひとりっ子の親も後ろめたい気持ちがあるのと、ひとりっ子は兄弟がいなくてかわいそうという世間からの目を気にする傾向にあるが、そんなことはない」と勇気づける本である。とは言うものの、我が家は別に後ろめたくもなく、特にひとりっ子も悪いことではないと前々から思っていたので、「そうですよね」といった感想である。子供に「いまはやだよ」というのをやめてください、という指摘が新鮮であった。「い」・・・いけません「ま」・・・待ちなさい「は」・・・早くしなさい「や」・・・やめなさい「だ」・・・だめ「よ」・・・よしなさい(評価:星三つ ★★★☆☆)
2010.01.23
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クリス・アンダーセン(訳=篠森ゆりこ)「ロングテール 「売れない商品」を宝の山に変える新戦略」(早川書房、2006.9)を読んだ。WEBで商売をする人々にとって、すでに「イロハのイ」の経営戦略となっているロングテールという言葉を、初めて提唱したWired編集長によるベストセラーの訳本である。この本は、ロングテールの本当の意味を教えてくれる。ロングテール戦略においては、レコメンデーションや検索がいかに重要なのかがはっきりと認識できる。これは、梅田望夫「ウェブ進化論」の本よりも本家であるだけに、本当によく分かる。むしろ、くどいくらいにたった一つのテーマ「ロングテール」を解説・事例紹介してくれる。ただ、事例が、米国のエンターテイメント系に偏っていることと、訳本特有の少々回りくどい表現であること、学者による専門書と安易なハウツー・解説書の中間に位置する論理構成の厳密さが中途半端なこと、この3つの欠点を除けば、十分に良書である。(評価 星四つ:★★★★☆)ロングテール キーワード:・大量「消費主義」から参加型「生産主義」へ フラット化する世界・商品棚は、高度に発達したサプライチェーンのヒューマンインターフェース・テレビが低俗でくだらないのは、視聴者である人々が低俗でくだらないからではない。人々は、低俗でくだらないことに非常に似ており、洗練された上品なことにかけてはあまりにも異なっているからだ。(デヴィッド・フォスター・ウォレス) 関連図書梅田望夫 「ウェブ進化論」ジェームズ・スロィッキー 「みんなの意見は案外正しい」ケヴィン・ケリー 「複雑系を超えて システムを永久進化させる9つの法則」バリー・シュワルツ 「なぜ選ぶたびに後悔するのか 選択の自由の落とし穴」
2010.01.17
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上坂徹(うえさか・とおる)「新しい成功のかたち 楽天物語」(講談社、2009.3)を読んだ。リクルート出身のライターである筆者が、楽天市場でのネットショップでなんらかの成功をおさめた9人の物語を綴った本である。 9名の典型的なストーリーは、「若い時から様々な苦労をし、なにか売りとなる商品をひょんなことで見つけ(あるいは作り出し)、たまたまネットショップとして楽天市場があって、ここでさらに工夫をすることで、なんらかの成功をおさめた」といった感じである。読んでグッとくるかどうかは、読者の感性か思い入れによって異なるとは思うが、私はグッとはこなかった。なにやら、楽天市場のマーケティング活動の一環のように思えてたまらなかったことが要因でしょう・・・。ただ、ここで取り上げられた9名(9社)が、2-3年後にどうなっているかは興味深いものがある。(評価:星二つ ★★☆☆☆)新しい成功のかたち楽天物語
2010.01.16
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木村汎(きむら・ひろし)「プーチンのエネルギー戦略」(北星堂書店、2008.1)を読んだ。国際政治学、特にロシア研究の学者が執筆した、ロシアの資源至上主義ともいえる政策を解き明かしたものである。少し前の著作であるが、今でも十分に通用する政策研究である。 内容は、「エネルギーは重要な戦略資源であり、ロシアにとって商業的、経済的に強力な取引手段であるばかりか、それを梃子として、政治・外交・安全保障の分野で重要な譲歩すら引き出すことが可能である。従って、エネルギー資源はロシア政府の手に集中させ独占的に管理する必要がある」ことを国家戦略として忠実に実行したプーチン政権のことが詳細に描かれている。具体的には、サハリン2やユーコスの乗っ取りやロシア天然資源の再国有化、KGB閥による利益の独占を事細かに解説した本である。 本当に国家戦略を純粋に徹底すると恐ろしいことになる好例でもある。ただ、天然資源が豊富に存在する国は単純にうらやましいとは思うものの、労せずして生み出される天然資源に頼っている間は、企業の熾烈な競争やテクノロジーの切磋琢磨が生まれるとは思われず、ある意味それほど怖くはないとも思える。ロシアはいつの間にソ連の時代と打って変わって、比較的単純な構図の国になってしまったのかとも感慨深いものがある。(評価:星四つ ★★★★☆)プーチンのエネルギー戦略
2010.01.16
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岡嶋裕史「iPhone 衝撃のビジネスモデル」(光文社新書302、光文社、2007.5)を読んだ。DOCOMOユーザーであっても、とっても気になるiPhoneについて知っておこうと思って読んでみた。 本書の内容は、WEB2.0の時代においても、収益を上げるビジネスモデルは、端末のユーザビリティが貧弱な現状では存在していない。しかしながら、アップルがリリースしたiPhoneのテンキーではなく全面タッチパネルの登場は、収益を上げるビジネスモデルになりうる最も近い可能性を秘めている。との主張で、これが一貫して流れる論調である。現状のiPhoneの機能でできることの説明というよりは、今後、そのようなビジネス展開が潜在的にあるのかに力点が置かれている。 最近身近な例でも、iPhoneの話題がでる。社外の会合で次回打ち合わせ日程の調整にiPhoneを取り出す人がいたり、飲み屋の大将がケース入りのiPhoneで写真をみせてくれたり、同僚はビジネスマンならiPhoneでしょうと言う人がいたり、老若男女もはや社会現象と言ってよい気はする。いまさらですがiPhone買おうかなあ~【中古】【古本】iPhone 衝撃のビジネスモデル/岡嶋裕史
2010.01.11
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石渡嶺司・大沢仁「就活のバカヤロー 企業・大学・学生が演じる茶番劇」(光文社新書378、光文社、2008.11)を読んだ。来春の就職活動シーズンであり、本書が描かれた1年前の就職再氷河期前の状況がどうであったかを確認する目的もあった。 恐らく人生で最も重要で大事なイベントのひとつは、新卒での就職であろう。この選択の結果は、その後の社会人としての期間の長さのみならず、生涯獲得賃金の優劣、社会的ステータスやその後のライフスタイルにも非常に大きな影響を及ぼす。「茶番」と切って捨てるには、あまりにも問題が大きすぎる。 にもかかわらず本書は、企業人事・大学の教職員・就活中の大学生への取材を通じ、大学・企業・就職情報会社が互いに「だまし・だまされ」「煽り・煽られ」つつも、現状肯定が続いている状況を「茶番」として、そのイタさを「バカヤロー」と説く内容である。特に、リクナビ・マイナビ等を運営する就職情報会社は、この状況をマッチポンプ的に生み出し・ここから業績を上げる「諸悪の根源」として槍玉にあげている。 「やっぱりおかしい」状況について、本書でその処方箋は示しておらないが、前作の「最高学府はバカだらけ」と同様、その「茶番としてのおかしさ」を堂々と指摘している点は大いに評価できる。就活中以外の人は楽しく読めます。(評価 星四つ:★★★★☆)就活のバカヤロー
2010.01.11
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