ねぼすけの読書感想日記

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2008.05.18
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カテゴリ: 書評

マーケティングを学ぶ人のためのコトラー入門

 片山又一郎「マーケティングを学ぶ人のための コトラー入門」(日本実業出版社、2003.6)を読んだ。マーケティングと言えばノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院のインターナショナル・マーケティング担当教授のフィリップ・コトラー(Philip Kotler)[1931-]である。教授の代表作の著書「コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント」(第12版)が、2008.4に出版されているが税込8925円で少しためらうので、基礎から振り返ろうと考え、図書館から本書を借りたものである。

 経営学における企業戦略論は、企業が外部の経営環境に応じてどういった競争優位の位置取りをすべきかを解いたM・ポーターのポジショニング論と、企業の内部の経営資源を元にどういった競争優位を確立するかを解いたジェイ・B・バーニーの経営資源論(RVB、リソース・ベースド・ビュー)が今でも議論を交わしている。例えば著名な、C.クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」やチャン・キムの「ブルーオーシャン戦略」は典型的なポーター流のポジショニング論からの展開であり、プラハラードの「コア・コンピタンス」やG.ハメルの「リーディング・ザ・レボリューション」は典型的なRVB論からの展開である。こういった学問上の対立は、広範囲で様々な議論が表出し、一方に偏らない深みのある考え方が世に広がるメリットがある。ところが、経営学におけるマーケティング論はどうか。コトラーの登場によって、誰かにとって価値のある「モノ」や「コト」はすべてのマーケティングの対象になり、マーケティングが絶対で、その他をコントロールすべきであるとの「偏った」・「たちの悪い」考え方を持つ経営学者およびその信奉者を増長させてしまったと思える。

 例えば、この著書では、”このように、マーケティングが他部門、他機能をコントロールすることで、企業の中心的役割を果たすことが容認される・・・”、”・・・マーケティングは他の機能、部門に対して優位な立場にあり、それらをコントロールすることができるのである”とさえ「傲慢」にも記述している。また、公益法人(企業)の活動でさえ”ソサイエタル・マーケティング”と呼び、企業の環境保全活動に至っては”エコロジカル・マーケティング”や”グリーン・マーケティング”と呼んでなんでもかんでもマーケティングで開いた口がふさがらない。いい加減にして欲しいものだ。マーケティングからは新しいモノは何も生み出すことはできないことを早く認めて欲しいものだ。むかつきながら読み終えた。(星一つ:★☆☆☆☆)





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Last updated  2008.05.18 23:59:18
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