目と耳が悪いビジネスマンの一筆

目と耳が悪いビジネスマンの一筆

2010/06/02
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小説という言語によって紡がれた一つの世界を通り抜けることで、その舞台となった場所を旅したような気分を味わえまいか?

そんな想いで年初からはじめたこの企画も、今回で第五回を迎えました。

選んだ旅先はアフリカ、ドリス・レッシングさんの短編小説集「老酋長の国」です。

昨日の最後に触れたように、本書に収められた作品を読んでみてとくに印象に残ったのは、「軋轢」でした。

先住民と遠く海を渡ってやってきた征服者との軋轢、征服者のなかでも先にやって来た者と後からやって来た者との間に生まれる軋轢、男と女、大人と子ども、あるいは自然と人間の間にある軋轢・・・。

互いに互いのことを慮り、歩み寄り、譲り合うことができないことから生じる多種多様な「軋轢」が、全編を通してひしひしとこちらに迫ってくるのです。

だから、どの作品にもどこか陰鬱な感じが漂っていて、結末はそれほど痛快とは言えません。

そんな物語が14も続くので、正直なところいささか食傷気味になります。



自然とともに独自の風習を携えて生きていた先住民たちは、征服者によって生きる場所を奪われ、望んではいない物事を押しつけられました。

本書の一編目「老首長ムシュランガ」では、異国からやって来た白人の農場経営者が、もともとその地に暮らしていたある部族を虐げ、老首長ムシュランガがそれに対して抗議するのですけれど、その想いは聞き届けられません。

一方、「呪術はお売りいたしません」という作品では、毒蛇に噛まれた白人の少年を召使いの現地人がどこかで採ってきた薬草を処方して、大事にいたらずに済みます。

その噂を聞きつけた西洋人の医療関係者が薬草のことを知りたいと言ってやって来るのですけれど、現地人の召使いは決して教えようとはしません。

「どうせお前らは私たちから奪うことしか考えていないんだろう?」

そんな言葉はありませんけれど、断固として西洋人に応じない召使いの態度からはそんな想いが伝わってくるようです。

それは今から50年以上も昔のアフリカを描いていると思うのですが、征服した・されたことによる何かしらの影響は、現在のアフリカにおいてもきっと濃い影を落としているのではないだろうかと推察します。

もちろん「征服した・された」という表現はひとつの側面だけを捉えていて、西洋文明がかの地にもたらした恩恵は決して少なくはないはずです。

科学的に体系立てられた医療は現地人の健康に貢献しているでしょうし、農業や工業の技術が持ち込まれたことによって現地の生産性は著しく向上したことでしょう。

したがって、本書を読むことでアフリカ(とくにジンバブエ)の実像を総体的に掴むことは難しいだろうけれど、一つの重要な側面は理解できたように思います。

これまでよりもちょっとだけアフリカという大地に近づけた気がします。



ありがとうございました!!

【三文日記】

真っ青な空の下、美しい夕陽を見上げながらジョギングしました。

道端には、まもなく鮮やかな色を呈するであろう黄緑色のアジサイの花が雨を待ち遠しそうにしていました。

湿っぽい季節が迫っていることを感じつつ、気持ちよく走ることができました。


快晴。

●今日の運動
ジョギング30分。





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Last updated  2010/06/03 05:58:54 AM コメントを書く
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ミンミンぜみ @ ありがとうございました! はちの家さん いつも気にかけてくだ…
はちの家 @ お別れの言葉 ブログ(日記)は、毎日一定の質の文章を…
ミンミンぜみ @ ありがとうございました まめあちゃさん 温かいメッセージを…
まめあちゃ @ Re:お別れの言葉(07/26) 間の抜けた頃に、コメントさせて頂きます…
ミンミンぜみ @ Re[1]:お別れの言葉(07/26) 和1号さん こんばんは、コメントあり…

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