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ささき みゆう

ささき みゆう

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April 17, 2008
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カテゴリ: μ ,miss you,kiss you


仰向けに 白い天井見つめてる 私に注ぐ 小さな雫







…近くに、行きつけの小さな医院がある。

会社の前の広い道路を渡って、斜め前のワクドナルドの横の細い道を入って、

ちょっと歩いて右折する。



『馬込医院・内科/泌尿器科/外科/整形外科』

と書かれた案内板を掲げた入口のドアを、開けた。


きっと、開院して結構経つんだろうな、と思われるこの病院は、

“先生と看護師さんは”善い方達ばかりで、処置も早く、信頼のおけるところだった。







受付して、それほど経たないうちに、呼ばれる。



『アイウチさん、診察室へどうぞ』

『はい』



診察室には、3つほどベッドが並んでる。

ベッドのすぐ横に、診察スペースが設けてある。



『……すごい寒がり様だね……』


お医者様は、私の寒がり方がすさまじいから、驚いていた。

それもそうだ。

だって。

外に出ればお天気。

平日じゃなかったら、行楽日和のいい陽気。



寒がってるなんて、誰がどう見てもおかしい。


『これから検査をしましょう。

 血液検査と、尿検査をします。

 お手洗いは、ここを出て、まっすぐ突き当たったところにあるから、

 そこで採尿して、指定の場所において下さいね』




言われたとおりに、まっすぐ突き当たったトイレに入った。



トイレの中は、寒々しくて、なんだかせつなかった。

小さな空間は、意外に広く取ってあって、便座トイレ、洗面台が、

ひとつの場所に設置してあった。


洗面台の横に、縦に細長い窓があって、そこから、日が差し込んでた。


その頼りない日ですら、ものすごく…暖かく感じた。



便座の右側の壁に、紙コップ置き場が設置されていた。

そこに、中身を満たした紙コップを置いて、念入りに手を洗って、廊下に出た。



採尿が終わって、採血をした。


『じゃあ、ぐっと握ってくれる?』


看護師さんの言うとおりにしているうちに、

くっ。

私の腕を、細い針が突き刺した。

この細い針、細いのに、痛い。

注射針は大嫌い。


注射器の中に、

まるでカシスジュースとトマトジュースをミックスさせたようなものが、

みるみる詰まっていく。


でも、それを直視してしまうと、

余計に身体が冷たくなってしまいそうな気がしたから、

私、必死で白い天井を見上げた。




採尿と採血の後、またほんの少しだけ、待合室に戻る。

とにかく寒くてコートが脱げない私を、



『アイウチさん』



看護師さんが、もう一度呼んだ。








続きが気になったら、押してみて?

たくさんの人に読んでもらえて、嬉しいな…。ありがと。

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Last updated  April 17, 2008 04:54:12 PM


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