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ささき みゆう

ささき みゆう

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April 17, 2008
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テーマ: 不倫日記(9)
カテゴリ: μ ,miss you,kiss you


ほんとうは ひとりじゃないの知ってるの あなたこんなに 想ってくれて










目が…覚めた。





今、病院内は少し遅い休憩時間。




誰も、いなかった。




15時半から、午後の診療が始まる。




まだ、点滴は終わってなかった。





『…………』

横の篭に置いたバッグのポケットの中で、携帯が光った。








着信が、4件あった。




…………ともあき…………。





そうか、きっと、倉木課長か江藤さんから、

N社にいる我妻部長に、電話がいったんだ………。



で、ともあきが、その話を誰かから聞いて…

心配して………かけてきてくれたの………?



ぽつり、ぽつり、まだ点滴が落ち続けてる。

今まで寒がっていたのが嘘みたいに、胸が熱くなった。



ちょっとしたことだけど。

同じことがあったら、奥様にだって、同じように…

いいえ、それ以上に心配するかもしれないけれど。







まだ、少し、下腹部は痛むけど………。

そんなこと、たいしたことないくらいに、感激なの。



私は、安心して、バッグに携帯を入れなおして、

もう一度、ふっと眠りに落ちた。











………点滴が終わったのは、16時半。





もう、身体が重たくて、一刻も早く、帰って寝たかった。



痺れを切らして、私は、医療事務の女性ふたりに、話しかけた。




『……もう30分経つんですけど……お会計まだですか?』




『……あ、そうでしたか……すみません………』


ちょっと太り気味の、若い医療事務の“お姉ちゃん”は、

もそもそと、PCを(今さら)検索しだした。



『あのー、診察券、なくなっちゃったみたいなんですよぉ』



……は?



意味がわからない。



一緒にいる、頼りなさそうな年を取った医療事務の“おばちゃん”も、

うろうろ、おどおど。



そうこうしてる間に、15分が経った。

さんざん意味のわからないことで待たされて、15分。




私は、この病院、すごく好きだった。

先生も、看護師さんも、親切だから。



でも、いつももたもたしている、この人達が大嫌いだった。



辞めちゃえばいい。

いらいらした。



なんでこんなのが、のうのうと仕事してるの………。



具合が悪いせいもあってか、私は必要以上にいらいらしていた。




『いいかげんにして下さい。診察券がないとか…なんなんですか?

 じゃあ…ちゃんとしてもらえなかったら、私待ちっぱなしだったんですか?』


『えっと…そういうことになりますよね…ごめんなさい』


『……もういいです』




あんなの、いらない。

余計具合悪くなりそう。



ものすごく、ものすごくいらいらして、腹立たしかった。



最低。私、最低。

なんなのよぉ……………。



なにやつ当たりしてんのよ………。

なかなか、いろいろ、うまくいかないからって。




………最低………。




会社に電話をして、なんだか泣きそうな気持ちで、

夕陽の差し込む電車に乗った。









続きが気になったら、押してみて?

たくさんの人に読んでもらえて、嬉しいな…。ありがと。

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Last updated  April 17, 2008 08:30:14 PM


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