misty247

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2010.07.12
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カテゴリ: 私の歩いた山と道
 予報では夕方までもつはずだったのに、朝からひとしきりの雨。出鼻をくじかれた形になった。金剛登山のパッキングを終えて、あとは担ぐだけだったので、無性に悔しい。窓から空を見やれば、雲は薄く、奥に隠している青天が透けていた。
 『大丈夫だ、今のは通り雨。この様子だと少なくとも日中は本降りにはならんだろう』
 舳先に立って潮と風を読む熟年のヨットマンさながらに、自信ありげに一目で空をそう読み切った。しかし、書いている今だからわかる。それは希望的観測というものだった。

 百均のレインコートを取り出して、モンベルのポンチョに入れ替えた。出発!
 blogに金剛山の山行記録を載せるのは久しぶりになるけど、実際はちょくちょく登りに行っている。通い慣れた金剛山だから、最悪土砂降りに見舞われても、それはそれで構わない。
 今日は、山友とカトラ谷を登ってツツジオ谷で降りる予定だ。しいたけセンターまつまさの駐車場に車を置いて、気にならない程度の小雨のなか、黒栂谷方面へと歩き始めた。
 カトラ谷は降りで使うのが殆どだったから、久しぶりに登りで入ると、傾斜がきつく感じられた。ゴアテックスの換気がおいつかず、熱気でポンチョ内部が蒸れた。でも脱がない。サウナスーツになるならばなれ、という気持ちで、汗を気にせずがむしゃらに登った。というのも、今日の登山の目的は体の絞り込みにあったからだ。

 富士登山にむけて、体重をあと数キロ落としたい。
 レンジで作る自家製わらび餅に、20秒で完成のつぶ餡マーガリントースト。「早い・安い・美味い」の三拍子揃った究極の間食を常時提供できる台所がリビングと部屋続きで、つまり我が家はリビング・ダイニングのスタイルなのである。(ワンルームという方が話が早い) そのせいか、富士登山まで2週間を切っているのに減量がはかばかしくない。

 水1リットルのほかに、山頂でインスタントのラーメンを食べるため、携帯コンロと燃料と水500ccも背負っていた。さらに朝から何も食べていなかった。『金剛山ごときで根をあげていて、富士山に登れるかいな』という心境で踏ん張って登ったが、正直、その金剛山ごときで、「ふぅふぅ、ぜぃぜぃ」だった。今日は登ったら降りるだけ。谷道を巡って何度も登ったり降りたりするのではないし、上り下りのある南尾根で降りるのでもない。ここを登ったら終わりと自分に言い聞かせて、次の一歩を出し続けた。

 雨の日曜日のカトラ谷。12時から歩き始めて、途中5人とすれ違って、山頂に着いた。井戸のある広場には誰もおらず、時計のある広場に2組いただけだった。やはり朝の雨の一撃で、山行を見合わせた人が多かったのだろう。その雨は、あいかわらず降るでもなく止むでもなくの状態で、気にならない程度の小雨がずっと続いていた。展望はなくPLの塔の影も形も見えない。ひっそりと静かな山頂もまたそれなりの風情があった。
 山頂広場の櫓でラーメンを作って食べたあと、転法輪寺に参拝して、ツツジオ谷を降りた。
 雨はあがった。希望的観測もあながち希望一色なわけではなかったのだ。ポンチョを脱いで、足取りすこし軽やかに、急峻な巻き道を次々と下った。昨今の安全第一主義だと通行止めになってもおかしくないような危険地帯をいくつも通過した。今後、ツツジオ谷は降りで使いたくないなと思った。
 雨上がりで滑りやすく、しかも気を抜けない道に、かなりの緊張を強いられたが。その分、林道に戻って舗装路を踏んだときは、爽やかな解放感を味わった。ホタルブクロ、ドクダミ、行きしなに見た夏の花が、ひときわ白く目に映った。
 少し無理を押して部屋を出て、結果よかった。身はいかほどか分ららねども、心はたしかに軽ろなった。

20100711金剛山





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Last updated  2010.07.13 00:52:08
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