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2004年09月26日
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 旅行中、しばらく日記をお休みしていたもので、書き出したら、ドンドン書きたくなった。 忘れないうちに、という言い訳で、日付けを遡ってしまう。 アー、娘達二人と、ジェラ-トを食べながら、愉快なお喋りに花を咲かせ、ローマやフィレンツェの街をうろついた日々が懐かしい! 母娘3人の女だけの旅、という角度で書いてみようかな。

 旅行中、長女はガイドブック片手に先導役、次女は周りに気を配りながらのカメラマン、私は会計、という役回りが自然にできた。 3人とも好奇心旺盛で、面白いことを見つけ出しては、大笑いするのが、得意である。 よく喋るし、体を張って、笑いを取るので、端からは、日本人に見えたかどうか、は分からない。 ヴァチカン美術館では、出口付近の表示が面白く(階段注意を促すために、派手に尻餅をついている絵柄)、ワイワイ言いながら、次女が色々な姿勢で写真を撮っていると、それを見て、今度は男の子達が大笑いしていた。 長女も次女も実際の年齢より若く見えるので、お茶目な行動も、はしゃぎっぷりも、ティーンエイジャーとして、大目に見てもらえるのだ。 長女は英語に堪能だが、次女には、笑顔という武器があり、イタリアでも乗り継ぎのフランスでも、随分と親切にしてもらったようだ。 デ、私はお転婆ティーンエージャーの娘二人を監督する、優雅なマダム、といきたいところだが、実際には、疲れて、アゴを出し、アヒル歩きを笑われたり、いたわられたりしながら、ヨタヨタと二人について廻ったのです。 トホッ・・

 しかし、女3人の旅だと、男性には親切にしてもらえる。 人間は、実は国籍や人種ではなく、性別の方がより基本的な区分けなのではないか、と思ったくらいだ。 何国人か、というより、男か女か、という点に反応するからだ。 どこの国の男性も、女性に視線を送るが、その分同行の女性の視線がキツクなるのも万国共通だ。 しかも、欧米では、それがとてもハッキリしている。 とにかく男性は女性に優しく、手を貸してくれたり、言葉をかけてくれたりする。

 ところが、女だけだと、スリも好んで寄って来るんですね。 一番怖かったのは、ローマからフィレンツェへ移動しようと、ローマのテルミニ駅で、列車を待っていた時。 日本であらかじめ予約していた列車が掲示板に見当たらなくて、発車時刻の迫る中、インフォメーションに駆け込んだのだが、待っている人が一杯。 なのに、イタリア式に、少ない職員は悠然と、交代なんかしている。 ようやく番号札制なのに気付き、発車時刻20分前に、ハンサムな職員の前に、汗をかいて着席。 結局、時刻表が違っていたということで、別の列車を指定され、大丈夫、とウィンクされた。

 なのに、そのホームには、電光掲示板に何の表示も出ない。 次女が又、別の掲示板を見に行き、長女と二人、荷物の番をしていると、長女が突然叫んだ。 
 「お母さんの真後ろに、スリが立っている!」
振り向くと、さっき離れた所にいたはずの男が、張りつくように、すぐ後ろに立っていた。 不精髭、汚いジージャン、手ぶらで、無表情に掲示板を見上げている。 一瞬、背筋がゾクッとした。 
 「移動しよう!」と私が言い、バッグを抱え込み、スーツケースをガラガラと引っ張って、別の場所へ。 すると、その男、何時の間にか、別のグループの人達のそばに立っていた! 戻って来た次女が、ホームでスーツケースにしっかりとまたがっていたのには、笑えた。



 イタリアの乾いた田舎の風景の中を列車はひた走り、私達はすっかり寛ぎ、長女は飽かずに風景を眺めている。 ところが、この列車は、予約した列車と違い、フィレンツェが終点ではないのだ。
何度も車掌さんに確かめ、フィレンツェ駅到着の15分前には、降車扉の前に整列していた。 さっきのアメリカ人は手前の駅で降りてしまったので、今度は真面目そうなイタリア代表の屈強男が,スーツケース降ろしを買って出てくれた。 本当に感謝です!!

 フィレンツェでようやく停まった列車の扉は自動ではない。 そこで、ボタンを押し、スーツケースを先ず私が担ぎ下ろし、次女が続こうとした途端、ドアが閉まった! 次女のスーツケースは斜めにドアに挟まれ、長女が心配そうに後ろから、覗き込んでいる。 3人で力一杯ドアを開けようとしたが、ビクともしない。 そこへ、すぐさま何人かの男達が飛んできて、ドアを開けようとしてくれた。 
 「彼女達、ここで降りなきゃいけないいんです!」と、私が叫ぶ。 列車のドアに挟まれたまま、娘達が終点のトリエステまで、運ばれて行く光景が頭をよぎる。 アア! さようならアー。

 男達はすかさず列車の中に入り、ようやくドアが開いた。 何と、ボタンを押し続けていないと、ドアは閉まってしまうのです、と。 何て合理的なのかしら! 男達に散々お礼を言ったあと、私はベンチにへたり込んだ。 すると、すぐさま発車するかと思われた列車は、実に長い長い間、ホームに停車しているのであった。 娘達は笑い転げている。
「お母さん、パニック起こし過ぎだよ!」

 ホント、恥ずかしいったらありゃしない。 ヨーロッパで列車の旅をするには、スーツケースは大き過ぎる。 痛い教訓だったが、後で確かめると、ガイドブックにちゃんと書いてある。 要するに、こちらの調査不足なのでありました。 男性の皆さん、お騒がせして、ごめんなさい。

 でも、娘達との旅は本当に、本当に、楽しかった。 彼女達が一緒でなかったら、これだけアチコチ出歩き、人と話し、豊かな経験ができたかどうか分からない。 最初、ローマに比べてイマイチだったフィレンツェでも、帰る間際、二人で住民の居住区のスーパーを探し当て、とても親切にしてもらったらしい。 ホテル前の広場には屋台が二つあったが、娘達は必ず毎日、加藤茶に似たオジサンのところで、水と果物を買うので、すっかりそのオジサンと仲良くなり、帰る時には、一緒に写真を撮ったくらいだ。 出来あがった写真には、オジサンの屋台の中で、3人が並んでにっこり笑っている。

 有難う、ローマ、フィレンツェ、そして娘達!  










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最終更新日  2004年09月28日 20時28分32秒
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