月のひかり★の部屋

月のひかり★の部屋

2006年10月29日
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ホテルの人が出て行って、一人になった部屋の中は、実に静かでシーンとしている。

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薄いベージュ色をしたカーテンを開けると窓の外には、そろそろ夕暮れが近付いているというのに一向に衰えそうもなくギラギラと油ぎったまゝ夏の太陽が相変わらず自分こそがヒーローであると言わんばかりの顔で輝き、眼下には街が遠くまで拡がって見えていた。

ホテルの5階の窓からはさすがに見晴らしが良い。

「ここが新潟なのね・・」

独り言のように呟くと、荷物を戸棚に入れて、靴を脱いでホテルのスリッパに履き替える。

「あぁ・・、これでだいぶほっとしたわ・・」

ベッドにその儘、仰向けに寝て目を閉じる・・・疲れた・・・

今朝、我が家の自分の部屋で目が覚めてから、ずいぶん長く時間が経ったような気がする。

(そりゃそうよね・・・新大阪から新幹線に乗って、成田空港からは飛行機に乗って、バスとか電車にも乗って、やっとここまで辿り着いたのだから・・・
明日の午後1時から、このホテルのどこかの部屋で集まりがある予定なので、それまでは暫く自由行動という訳ね・・・どんな風に過ごそうかな・・・直美さんが一緒だから、二人で相談して決めれば良いわね・・・)

日常の生活の場である家庭から滅多に一人だけ抜け出す機会なんて今まで無かった主婦である私・・・

いつ頃からか一人旅をすることに憧れを抱くようになった。

どこでも良いから、たった一人で旅をしてみたいと思うようになった。

「知らない町を歩いてみたい・・・どこか遠くへ行ってみたい・・・」なんて歌が確かあったような気がするが・・・そんな心境ってよく判る・・・

今、こうして、たった一人で遠く新潟という地にあるホテルの一室に居るということは、そういう自分の願望が実現したということになるのかもしれない・・・何はともあれ良かった・・・

そんなことを思いながらうつうつし始めていると、突然、電話が鳴ったので驚いて飛び起きる。


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「もしもし・・直美ですが・・」

「はい・・あぁ、直美さん!どうしましたか?」

「もうすぐ6時になりますから、そろそろ食事に行く方が良いと思いまして・・・」

「そうですね・・・その前に私、シャワーをしたいのだけれど・・・」

「じゃぁ、6時半ならどうですか?」

「良いですよ!6時半にエレベーターの前ということでは?」

「そうですね、では、6時半にエレベーターの前で・・」

時間はあると思っても、すぐに経ってしまうものだから、急がないと・・・

急いでシャワーをする用意に取り掛かる。


ー続くー















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最終更新日  2006年10月30日 06時16分15秒
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