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昨夜、早く休んだので、まだ夜が明けない中に目を覚ましてしまった。
起きて歯を磨き、顔を洗うとさっぱりとして気持ち良かった。


人々はまだ眠っているのか・・・新潟の街はほの暗い空の下に、しーんと静まり返って横たわっている。
おや、細い小道を曲がって走って来る一台のバイクがあるが・・・あれは多分、朝刊を配達する人だろう・・・
ホテルの5階の窓を閉めたまゝのこの場所からでは、音が全く聞こえないので、まるで無声映画でも観ているようだわ・・・
そうこうしている中に、次第に空が明るくなって来た。
真上をカラスが一羽、横切って行った。
雀達も何羽か、元気良く飛んでいるのが見える。
その時、電話が勢い良く鳴った。。。

(あ!きっと、直美さんからだわ!)
受話器を耳に当てると、とても弱々しい直美の声がした。
「もしもし、私ですが・・・・」
「あぁ・・・直美さん!どうしましたか?頭痛がすると昨夜言っていたので、具合いはどうなのかしら?と気になって、もうすぐ、こちらから電話しようと思っていたのだけれど・・・」
「はい、ありがとうございます。それが私・・・昨夜はあれから、とても気分が悪くなって・・・多分、熱も高かったみたいで・・・それで朝食は食べられないので・・・一人で食べて下さいって、そのことをお知らせしたかったので・・・」
「そうでしたか。判りました。それで今は気分どうですか?」
「今、熱は下がっているようですが・・・やっぱりまだ少し駄目ですね・・・」
「そうなの!それは辛いでしょうねぇ!もしも、なかなか良くならないのなら、お医者さんに診て貰わないといけないのでは?」
「はい、でも、大丈夫です。このまゝ、お昼まで寝ていたら、きっと良くなると思いますので・・・」
「そう・・・それなら良いけど・・・無理しないでね・・・そう、そう、私・・うっかりしていたんだけれど・・・風邪薬をいつも化粧ポーチの中に入れて持っていることを忘れていて・・・良かったら、それを今から持って行ってあげましょうか!」
「そうですか・・・じゃぁ、それを飲ませて頂きたいと思います。」
「判りました!じゃぁ、今からすぐにそちらに持って行きますね。」
受話器を置くと、私は風邪薬を持って、大急ぎで部屋を出た。

(私って、何故もっと早く、風邪薬を持っていたことに気が付かなかったのかしら・・・)と、うっかりしていた自分のことが、とても残念だった。
でも、残念がって、へこんで、自分まで元気を無くしていても仕方が無い・・・
きっと、今からでも、大丈夫だわ!薬を飲んだら、効き目を発揮して、直美さん、すぐに元気になるに違いないわ・・・と、何とか思い直しをする私であった。
それにしても、ホテルの廊下って、何て、「しーん」として静かなんだろう・・・・
ー続くー
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