月のひかり★の部屋

月のひかり★の部屋

2006年11月07日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類


rabennda6.jpg





「どなたですか?」と、弱々しい声がした。

「私ですよ。風邪薬を持って来ましたよ・・・」

すぐに、

「有り難うございます。」と言いながら、ドアーを開けてホテルの浴衣を着た直美が姿を現した。

「どう?気分は・・・」

「それが・・・」

と、言いながらも、すぐにその場に崩れるようにうずくまってしまう直美・・・

驚いた私は、そんな直美を抱きかかえるようにしてベッドまで連れて行く。


hoterunoheya.jpg



横になった直美の顔色は、その時、まるで自分の家のリビングの飾り棚の上に置いてある日本人形のお染ように白い・・と思った。

普段のどちらかと言えば、素っ気無く、どうかすると男っぽい雰囲気さえ漂う直美とはまるで別人のようで、如何にも普通の若い娘に戻ったという感じ・・・

こんな直美を見たのは初めてで意外であった。

それにしても、このベッドの上で直美さんは昨夜一晩中、熱が高くて眠れずに苦しんでいたのかと思うと、自分の子供ではなくても、とても哀れで不憫な気がする。

コップに水を汲んで来て、

「主よ!どうか、この風邪薬がよく効いて直美さんが早く元気になりますようにお守り下さい・・・」と、祈ってから薬を飲ませた。


kazegusuri.jpg



「ありがとうございます」

「お礼なんて言わなくても良いのよ。それよりも大丈夫かな?私、暫くこのまゝここに居る方が良ければ居るつもりだけれど・・・」

「心配かけてすみません・・でも、私・・もう、大丈夫ですから・・このまゝ暫く眠ったら、きっと治ると思います・・・」

「そう、それなら、私はもう行きますよ。もし、気分が悪くなったらホテルのフロントに電話を掛けなさいね。」

「はい、そうします。」

直美が私の顔を見ながら頷く。

気の所為か先ほどより少し顔色がよくなったみたいである。

(子供ではないし、本人が大丈夫だと言うのだから、きっと大丈夫に違いないわ・・)

私はそっと直美の部屋を後にした。

午後の1時から、このホテルのどこかの部屋で集まりがあるが、それまでいったいどうして過ごそうかしら?直美さんが一緒なので、二人で過ごすことになるとばかり思い込んでいたが・・・

誰か他の人が一緒だと、すぐにその人に頼ってしまう大人気ない自分であることを改めて自覚する私・・

まだ、朝食までには時間があるので、ひとまず自分の部屋に戻ってゆっくりしてから、食堂に行くことにした。

ー続くー














↑の写真は何れもインターネットで検索してお借りしました。



















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年11月08日 04時46分40秒
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: