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その日、私はジャスコの玄関の所で、午後1時に友人と待ち合わせをしていた。
2,3日前、久し振りに、その人から電話が掛かって来て、出逢うことになったので、先に来ているのかと思ったら、案の定、私の方が早かった。
(今は1時5分前・・・そろそろ来るだろう。)
ところが、ちょうど1時になっても来ない。
1時10分になっても・・・
何と1時20分になっても来ない!
(まさか、忘れている筈ないわよね!)
バッグから携帯電話を出して掛けてみたが留守番電話になっている。
(どういうことかしら?もう1時半じゃぁないの・・・)
少しイライラとした。
(もしかすると、もうこちらに向かって、車を運転して来ている最中なので、電話が出来ないのかもしれないからもう少し待って見ることにしょう。)
しかし、1時40分でも来ないということは、果たしてどういうことなのか?

ガラス張りの戸棚の中に香水が幾つも並んでいる。
(綺麗な壜ね・・・どんな匂いかな?)

一つ、一つの香水の前には、白い脱脂綿に香水を含ませた物を入れた小さな容器が置いてあって、自由に匂いを試すことが出来る。
順番に匂ってみると、それぞれ良い匂いでも微妙に違っていることが判る。
これは甘い匂い、これはシャンプーの匂い・・・これはキャンデイみたいに美味しくて甘いわね・・・・
香水って、人が付けた時にその人の持っている体臭と溶け合って、その時に初めてホントの香りになるので、香水だけ匂っても意味が無いのかもしれないが・・・
まるで、理科室で実験している人になったみたいで、
暫くはそのことに熱中して、時間の経つのも忘れていたのかもしれない。
忙しい時なら、こんな風に香水売り場で遊んでいることなんか滅多に出来ないことだわ!どれか一つ買いたいけれど、香水は幾つか持っているので、次に買うことにしよう。
それにしても、友人はいったいどうなってしまったのだろう?約束はどうなったの?
少し涙ぐむ私・・・
その時、時計を見たら、ちょうど2時だった。
再び、正面玄関の方に向かって歩いて行くと、友人の姿が見えた。
「教会の会合に出ていて、決して忘れていた訳ではないのだけれど、
どうしても、一人だけ抜けることが出来なかったのよ!」
友人はケロリとした顔をして、にこやかにそう言った。
「そうだったの・・・」
ー終わりー
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