月のひかり★の部屋

月のひかり★の部屋

2007年11月25日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
gingatetudou2.jpg


夜空に続く線路 (短篇小説)


(22)


a_ilst086.gif

いつ見ても夜空って美しい。
大きな丸い金色の月が私の真横にまるで生き物のように浮かんでいる。
こちらから何か物を言えば返事をしそうなくらい近い距離に見えている。
沢山な星達も、まるでお互いにお喋りしているみたいに、それぞれ自分らしい美しい色にチカチカと瞬いている。
私は再びノートパソコンを開けインターネットを立ち上げて自分のブログを開けると、心に浮かんでくる言葉をそのまゝ打ち込んで、念願の小説というものを初めて書き始めたのであった。
最初はやっぱり自叙伝のようになるかもしれないわ・・・
でも、私って大して小説になりそうな珍しい体験というものがない。
ちょっと前まで、あんまり平和過ぎて、毎日同じことばかりの繰り返ししかしていなかったので、退屈極まりなかったんだもの・・・
そのために不眠症になったりして困ったほどであった。
であるから、ついに心療内科の門を潜ったこともある。
あの時、お世話になった土居医師は今頃どうしておられるのだろうか。
私にとっては命の恩人の一人であると言えるだろう。
まぁ、それは今は良いことにして、何か書き始めれば、思いがけず素敵な小説が出来るに違いないものね・・・

「ミチル先生!電車が≪賢治の里≫に着いたみたいだよ・・・」

「まぁ、もう着いたの?今書き始めたばかりだというのに・・・」

窓から外を何気なく見ると、まぁ、何て素晴らしい光景がそこにあったことか・・・

ginngatetudounoyoru2.jpg

暫くは息を呑んだまゝ言葉が出て来ないほどであった。

「あれは確か宮沢賢治の≪銀河鉄道の夜≫に出て来る場面ではなかったかしら?」

「そうだね。俺もさっきからそう思ってたんだ・・・」

「もしかすると、あそこに停まっているのはジョバンニという主人公の少年と友達のカムパネルラが乗ったあの時の汽車かもしれないわね・・・」

「きっと、そうだと思うよ・・・」

「それだけではないわ。ずっと向こうの方に光り輝いている十字架もあの童話に出て来るのと同じではないかしら?何と神々しいこと・・・」

その時、大勢の人々がそれぞれ乗って来た列車から降りて、プラットホームに出て行って、十字架に向かって口々に何かを叫んでいることが判った。

声は後ろの方からも聞えてきて、ここはまさに銀河ステーションと呼ばれるに相応しい場所なのであった。

電車は私達が乗って来た電車だけなのではない。

幾つもの列車が長い旅の途中、この駅に停まって休息しているのである。

「俺たちも外に出ていかない?ミチル先生、そうしたいよ。俺・・・」

「じゃぁ、私達も外に出ていきましょう。ニャンとジローはちょっと、ここで待っていてね。賢くお留守番していないといけないわよ。」

「ニャーン!ワンワン!」  

siroiinu.gifani041.gif


そう言いながら、私と竜太君とは早速、電車から降りて行った。
夜空の真ん中に浮かぶプラットホームの床はコンクリートの替わりに、透き通った水晶で出来ていて、何とも美しい。
ずっと下の様子までがよく見えて怖いほどであるが、すでに大勢の人々が載っているのだから、きっと大丈夫なのだろう。
竜太くんの後ろからついて、どんどんと前に進んでいった。

「おや?あれは確か父と母のようだわ。」
私がそう言ったものだから、尚更のこと、そちらに向かって竜太君が足早に歩く後から付いて行くと、やっぱり思った通り私の両親であった。両親はすでにだいぶ以前に亡くなっているはずであるが・・・
少し前、夢の中で確か出逢ったと思うが・・・
「そこにおられるのはお父さんとお母さんではありませんか!またお逢いすることが出来ましたね」
「まぁ、ミチル!お前なの?またここで出逢えるとは思いませんでしたよ。何て嬉しいこと・・・ねぇ、お父さん、あの子がこんな所にも来ていますよ。」
「おう、そうであったか。ミチル、よくここまで来ること出来たね。もしかするとお前なら来られるかもしれないと思ってはいたが・・・」
私は後ろを振り返って、遠くに停まっている電車を指し示しながら、
「はい、お父さん!私、自分でもあの電車に乗ったなんて思い掛けないことですから・・・何よりもお父さんとお母さんにこうしてまたお目に掛れたことが嬉しいですよ・・・私、お父さんのことを誤解して反抗していた時があったことをどうかお許し下さい。」
「そうだったのか・・・そうお前が今謝るのなら構わないよ。私はどれだけお前のことを大切に思っていたかしれないからね。誰でもそんな気持ちになることもあるよ・・・」

私は泣いていた。
両親も泣いていた。
その時、群衆の声が起こって、前からも後ろからも、
「ハレルヤ、ハレルヤ。」と今度ははっきりと聞えた。
つつましく、手を胸に組み合わせて祈る者達もいて、私も、
竜太君と電車に乗ってここまで旅を無事に続けて来られたこと、思いがけずヒロキさんに出逢えたこと、インターネットで地上と交信を続けていること、小説を書き始めたこと、両親と再会出来たことなど、心から感謝してお祈りをしたのだった。


-続くー






http://plaza.rakuten.co.jp/mmmyu/

↑月のひかり☆の部屋トップページへジャンプ!!

↑のキリ画はいずれもインターネットで検索してお借りしました。
アリガトウゴザイマス・:*:・(●´Д`●)・:*:・

イラストはホームページに保存してあるものを
使用しました。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年11月26日 06時21分21秒
コメント(3) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: