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短篇小説
青い瓶
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~♪~♪~♪~
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ちょっと、不思議な雰囲気が
漂ってゆきます・・
玄関から突っかけを履いて庭に廻ると、夏っぽい風が頬を気持ちよく撫でて行った。地面には雑草が何時の間にか沢山増えて、今から勢いづく野生の草の逞しさが迫って来るようであった。草をむしる季節が、又そろそろ近づいて来たんだわ・・と呟きながら私はゆっくりと庭の中ほどまで歩いて行った。
草むしりは決して嫌ではない。土に接していると何故だか気持ちが落ち着く。だが、いつだったか、あれはずい分暑い夏の日であった。草が思い切り生え蔓延っている庭の奥の方で、汗をびっしょりかきながら、作業に熱中していた。やっと一息ついて、浴室でシャワーを浴びたが、間もなく体のあちこちに、何の虫に刺されたのか?赤い発疹がポツポツと出始めて痒くて堪らなくなった。
大したことは無いと思っていたら、みるみる体中に拡がって皮膚科に通ったのであったが、なかなか治らなくて、おまけに、薬の飲み過ぎで、胃まで炎症を起こして、しくしくと痛むようになった。あれ以来、無造作に庭の奥には進めなくなった。
あの時、もしかすると、むしられて悲しむ草達の霊が襲って来たのかもしれないとも思ったりした。
少女時代から、どちらかと言えば虚弱な体質で、学校も休みがちで自分に自信が持てず、級友達から軽くあしらわれているような気持ちになることも度々あった。だから、いじめられっ子の気持ちは、よく判るような気がする。それでかどうか?弱っている者の味方をつい、してしまうようなところもある。
あの時は年齢的にも節目の頃であったからか、まったく弱り目に祟り目という言葉の通りであったが、意外にも市販の、胃腸を乳酸菌で守るという宣伝文句のヨーグルトが冷蔵庫の隅に、たまたま入ってあったのを、何気なく飲むと、胃の痛みが嘘のように治った。
湿疹は10月になって気温が急激に下がり始めると次第に勢いが無くなって、間もなく全治してしまったのであったが・・・いったい何が原因であそこまで弱い夏だったのか?今だによく判らない。
人間の免疫力というものも、やはり、自分の意志なんかとは無関係に高くなったり低くなったりしているものなのだろうか・・
あれ以来、草むしりは庭木の手入れのついでに、プロの植木屋に頼むことにしている。今年もやはり、顔馴染みになっているあの老植木屋に任せるしかないだろうと思う。
だって、あの人も、もういない夏・・・草なんか自分一人でむしって、庭を綺麗にしったって一体何だと言うの?本当のこと言うと、庭に草なんか生えてたって、生えていなくったって、別に今の自分にとっては、どちらでも良いことである。と、又、すぐ投げ遣りな考えにとらわれがちになるのだが、案の定、もう一つの強い心の方が、そんな弱い心にすぐ気付いて、
(あぁ、そんな消極的な考えではいけないよ!)と、弱い心を何とか立て直そうとする。
夏っぽい風がそんな私を慰めるかのように、そっと優しく通り過ぎて行った。
ー続くー
ヽ(o´д`o)ノ。o.゚。*ΤНДЙК'S*。゚o。ヽ(o´д`o)ノ
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