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2009年08月22日
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 第2章 逃避行

     1

 保持の歓迎会を終えたメビルスは地球を離れ、補給と人員の補充を兼ねて近くの中継港のある衛星を目指した。
「といっても、地球の近くだけどね。でね、あの方角にあるのが、サンクロバの領星のひとつでねー―」
 モニターに写った星やら何やらを嬉しそうに説明するネリュートのテンションについていけず、保持は艦橋を呆然と眺めていた。
(何で僕はこんな所にいるんだろう……?)
保持はネリュートに連れられ艦橋にいた。ネリュートは保持に特別仕事を言い渡さず、「しばらくは私の側で見ていればいいから」と艦内を連れまわし、最終的には艦橋に連れ込むと、すでに保持の席を用意してあったらしく、そこに座らされ、今に至るわけである。
「向こうの席は……」
 司令官のネリュート席の右隣は保持の席なのだが、その反対側にも同じような席があり、そこは空席のままであった。

「は、はぁ……」
 その部下に対するネリュートの態度が少し気になったが、保持はあえて聞くのをやめた。何かの予感が働いたからなのかもしれない。何か聞かない方がいいような気がしたのだ。
 しばらくして到着したのが中継港のある惑星――月――の裏側だった。
「月……」
「正確には月の裏側に固定された人工中継衛星だけどね」
「こんなものがあったんですね。知らなかった」
「まぁ、保持君のような一般人には情報公開していないからね」
「えっと、という事は……」
「地球では先進国とされる国家の首脳は知っているわ」
「え? うそ……」
「ほら、アメリカだっけ? 宇宙人とつながりがある~みたいなことが良く書かれていたじゃない。UMAに」

「だって昔から日本と一番親密な関係のある惑星国家ってウチなのよ? 言葉だって普通に通じるでしょ?」
「はぁ……」
 いくら保持だって「なんで言葉が通じるんだろう?」という疑問は抱いていたが、そこはなにか宇宙的技術の賜物だろうと思っていたのだ。
「ま、まさか、普通に通じているとは思わなかった……」
「私達が使っているのは古代文明から続く共通語のエイデン語。ちなみに我等が敵国アルバール共和国は独自の言語を未だに使用していて、地球の言葉じゃ、イングリッシュ? 英語っていうんだっけ? なのよ。まぁ国家ごとにそれぞれの言語を使っている所も多いけど、余程の辺境惑星国家じゃない限り通じるはずよ。一応エイデン語が宇宙統一の共通語だからね。まぁ、もしもの場合も腕の端末で自動翻訳されるから不自由はしないはずよ。もちろん端末が壊れたりしたら例外だけど」

「そうそう。で、なんで私がUMAを知っているのかと言うと……」
「はい……」
「地球方面の観察防衛任務を請け負っている第一艦隊の司令官の私が、最低限度の情報を知らないわけが無いじゃない。日本ではゴスロリとかはやっているのよね? 今度着てあげようか? って私じゃ似合わないか。やっぱ、そういうのはサリーに着せて、嫌がる姿を堪能するのがイイのよね~」
「……」
 まさか……そんな事になっていようとは……注意深く考えれば予想出来たはずなのに、保持にはまったく考え付かなかった。どうしても二つの事象を別々に考えてしまうのだ。
「あ、そうそう、なんとなくいい忘れていたけど、アメリカと繋がりがあるのが、アルバールなのよ」
「え? でも……日本とアメリカは友好国……」
「昔、そうねぇ、百年前からずっとそうだった? 第二次世界大戦っていうのがあったでしょ? ちょうどこっちの戦争が始まったのがその直前なのよね。つまりアメリカと日本は私たちのとばっちりを受けて、戦争になった、とも考えられるわね」
「え? え?」
「もぅ! 私は難しいお話はキ・ラ・イ。だから、もうこのお話はおしまい。お姉さん疲れちった。保持君揉んで揉んで」
「あぁ、肩ですか?」
「おっぱ~い 重くて重くて……、ねぇ、揉んでもいいのよ? むしろ揉んで」
「じ、自分で揉んでください!」





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最終更新日  2009年08月23日 20時55分01秒
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