もいっか★フィンランド

もいっか★フィンランド

2005.05.17
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ヘサリことヘルシンギン・サノマットが日刊の新聞とは別に、毎月、雑誌(フリーペーパー)を発行している。クーカウシリーテ Kuukausiliite (kuukausi = 月, liite = 補足 supplement)という名前で、ヘサリと一緒に配達される。フリーペーパーとはいえ、結構まとまった時事内容が多くて質も高い。バンハネン・パパの 「問題」発言 もこの雑誌のインタビューがきっかけだ。


そして5月の特集記事が、なんと「日本・現代事情」ルポ。フィンランド出身の男2人が東京での出来事を綴っている。



kuukausiliitte toukokuu

↑5月号表紙。「コスプレ」ってあるけど、一体何のコスプレやら・・・


まだ読み切ってないけど、なかなか興味深い。紋切りで偏向もあり、ツッコミを入れながら読むが、外国人が東京を見る際の視点のズレがあってか面白い。


時間に余裕があれば、全訳したのを日記で掲載したい。こういうのは度々、晒し上げとかないと(笑)。




クーカウシリーテの編集長による、今月の巻頭紹介をまずは訳してみた。



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『日本、フィンランドを席巻す』

By ラウリ・マルカバーラ Lauri Malkavaara



日本にはまだ一度も訪れたことはないものの、昨今、かの国が隣国になりつつあるという感覚だ。


まず、私はスシの作り方を覚えた。調理は簡単で楽しく、家庭料理としても素晴らしい。ぜひ試してみることをおすすめする。次に映画「ロスト・イン・トランスレーション Lost in Translation」を見た。中年の映画俳優、それを演じるこれまた中年の映画俳優、Bill Murrayが、アメリカ人娘(Scarlett Johansson)に恋するというストーリ。舞台が東京で、これが恋愛モノにうってつけの場所かというほど美しく、日本文化も興味深い。


さらに、同僚のイルッカ・マルンベルグの話をここ数週間、聞く機会があった。マルンベルグはカメラマンのマルクス・ヨケラと東京に滞在していた。彼らのルポが今回の雑誌34~47ページにわたり掲載されている。


マルンベルグと共に、「日本」が今、どれくらいフィンランドに浸透しているのかに思いをはせた。フィンランド語の中に日本語がどれくらい取り入れられているだろうか。そこで日本語でフィンランド語の単語になったものをリスト化してみることに。約50語ほどいとも簡単に見つけられた。


ここでは、割となじみのある単語、古くからフィンランド辞書、百科事典にも載っているものや、現在、言語学者が取り組むであろう日本語発、新しい単語を紹介する。


時系列にいくと、まず「芸者」が1910年発行の百科事典に掲載されている。当時は戦時だったこともあり、「神風」、「腹切り」、「侍」なども見受けられる。さらに「着物」、「酒」もある。




これで終わりではない。ここ2、30年の間、我々は、「しいたけ」や「すし」、「豆腐」などを食するようになった。「布団」に寝るようになり、「カラオケ」で歌い、「たまごっち」で遊ぶ。「生け花」「盆栽」などの趣味に好じ、「指圧」や「霊気(?)」療法も愉しむ。ここ最近では、「マンガ」、「アニメ」が登場している。


次に日本から来るのは何か?それは誰にも予測がつかないが、推測してみるのもいいだろう。


おそらく次世代は、「コスプレ」が フィンランド語になるかもしれない。日本ではマンガの主人公などをかたどった服が着られ、週末になると、コスプレを着たグループが適当な場所に集い、お互いのそれを見せ合っている。


「キャラクター・グッズ」。英語のcharacter goods を語源にもつ単語で、ポップ・カルチャーのもと、ヒーロー(ヒロイン)への熱狂を示す作品群。例えばムーミンのマグカップようなもので、これは日本ではとても人気がある。


「ひきこもり」。若い大人で、勉強もせず、仕事にも就いていない。実家に居座り、最後には自分の部屋からも全く出てこなくなる。







日本には一度も訪れたことはない。それに大分前から、この先も日本には行くことはないと思っている。


日本人の特徴については、いつも思い浮かぶ光景がある。ヘルシンキを訪れる日本からの旅行団体。彼らの内、誰もが相手の目を見ることがない。これには寛容になれなかった。


今回、イルッカ・マルンベルグ氏のルポを読みつつ、なぜ彼らがそのような態度をとるのかが分かってきた。つまり、それは傲慢でも無関心でもなく、「尊敬」を示すものなのだと。


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↑翻訳、ちょっとしんどかったっす(疲)。適当に意訳している所もあります。ツッコミも入れたくなったけど、今回はここまで。






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Last updated  2005.05.17 19:42:54
コメント(14) | コメントを書く


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力士、かな?  
好意的なんだか挑戦的なんだか、
微妙な文章ですね(笑)ー。

ま、日本の雑誌なんかでやる
北欧特集の記事(あくまでも「北欧」くくり)も
フィンランドから見ると
かなり紋切り型にみえるんでしょうねー。

寒い!福祉!デザイン! (2005.05.18 00:39:11)

どっちもどっちか  
じょん・どーさん
>力士、かな?

●ああ、そうかもしれない。結構、つづり間違いが多いですよ。「尊敬」もオリジナルでは sonseiとなっていたし(文脈でピンときましたけど)。

>好意的なんだか挑戦的なんだか、
>微妙な文章ですね(笑)ー。

●好奇という表現がぴったりくるような気がします。

>北欧特集の記事(あくまでも「北欧」くくり)も
>フィンランドから見ると
>かなり紋切り型にみえるんでしょうねー。

●「北欧特集」とかあるんですね。たぶんどっちもどっちというレベルじゃないでしょうか。僕が日記で書いているようなことが、(大学生活に限ると)真実に近いかと。つまりしょぼい国なのです(笑)。
(2005.05.18 03:23:56)

リクシャ=力車では?  
kalunguyeye  さん
パウエルさん

日本の人力車が、インドの『リクシャ』(人力三輪タクシー)の由来だそうな。

たぶん、これでは?

>日本には一度も訪れたことはない。それに大分前から、この先も日本には行くことはないと思っている。

なんかこの文、腹立ちますね(笑)
日本に行った事なくて、これからも行く気ないのに、つべこべ言うなって言いたい(笑)
(2005.05.18 04:13:26)

Re:日本、フィンランドを席巻す!?(05/17)  
現役lecturer さん
リクシャ riksha(?)


イギリス人もこの言葉を使っています。
「人力車」の訛りで "rikshaw" とも書くようです。
(2005.05.18 04:20:44)

寿司の作り方  
Boronia  さん




しかし30年前ぐらいの英米みたいですね・・・いやいまでもそうなのかも知れませんけど(苦笑)

でもわたしのペンフレンドは、もっと現実的な話ばっかりでしたけどね。教育制度とか、恋愛観とか、テクノロジーとか。

この人の記述って、普通の(多くの)フィンランド人の感覚と同じなんですかね?



(2005.05.18 05:01:08)

なるほど  
kalunguyeyeさん
>日本の人力車が、インドの『リクシャ』(人力三輪タクシー)の由来だそうな。

●ほおーそうですか(感動)。これまた全然知りませんでしたよ。情報提供、ありがとうございます!

>日本に行った事なくて、これからも行く気ないのに、つべこべ言うなって言いたい(笑)

●実は僕も訳しながら、何でこういう結論になるんだぁ?と悩みました(笑)。英語でいうと I have decided for the long time not to visit Japanと述べているんです。ちょっと変でしょう、この人。論旨もよく分からんし。

●今後も晒しあげて生きます!


(2005.05.18 15:41:49)

確信しました  
現役lecturerさん
>リクシャ riksha(?)
>------------
>イギリス人もこの言葉を使っています。
>「人力車」の訛りで "rikshaw" とも書くようです。
-----
●はじめまして。情報提供どうもありがとうございます。そうですね、多分、人力車の意味でしょうね。そんなことフィンランド人が知ってどうするんだろ、という疑問は残りますけど(笑)。
(2005.05.18 15:45:19)

家庭料理といえば、煮物(たけのこ)が食べたくなる今日この頃  
Boroniaさん
>って、どうやるんでしょうね・・・わたしも教えてほしいです(笑)かんたんな家庭料理。

●推測ですが、手巻き寿司のことじゃないでしょうか。これは割りと簡単に準備できますしね。


>しかし30年前ぐらいの英米みたいですね・・・いやいまでもそうなのかも知れませんけど(苦笑)

●ステレオタイプとかはなかなか変わらないですね。

>でもわたしのペンフレンドは、もっと現実的な話ばっかりでしたけどね。教育制度とか、恋愛観とか、テクノロジーとか。

●実はそういう人も(若者でも)多いだろうし、むしろ普通でしょうね。確かにアニメオタクもいますけど。

>この人の記述って、普通の(多くの)フィンランド人の感覚と同じなんですかね?

●何ともいえないです。年配で海外経験が乏しいフィン人のステレオタイプに映りますが。

●ただこのKuukausiliiteという雑誌、全国紙に付属しているだけあって、世論への影響力はあると思うんですよ。好き勝手書かれるのもどうかと。ふふ、反撃の予定ですよ♪

(2005.05.18 15:57:02)

ヘサリに間して  
jokuvaan さん
(1/3)あの・・すみませんが、Kuukausiliiteの記事は、記事は記事というよりむしろエッセイのようもので、主観的な印象や意見を述べてもいいという雑誌です。というか、そのためにあります。書き方も読み方も普通の新聞とかなり違うのです。このことはフィンランド人が皆知ってると思いますよ。その紹介文や記事を読み、「これが日本のすべてだ!!」と考えてしまう人は非常に少ないのではないでしょうか。紹介文に述べてあるのは、フィンランド人一般の考え方ではなく、その編集長の個人的なものです。

翻訳のことですが、原文には「Japani valloittaa suomen」とあて、「suomen」が小文字になっています。大文字「Suomen」ならフィンランドですが、小文字で書く場合はフィンランド語という意味です。ですから「日本、フィンランドを席巻す」というのは少し誤訳で、意味は「日本のことやものがどんどんフィンランド語の中にも増えてきましたね」ということです。

kalunguyeyeさんの腹立ったことですが、編集長が言おうとしているのは「日本人が相手の目を見ないことの意味を誤解していました」。筆者はそれを傲慢さや無関心などを表すことに思っていましたが、最近分かってきたのは尊敬を表しているのだということです。つまり、日本人をけなしているのではなく、ほめているのです。文化の差のため、誤解したと言っています。ですから腹を立てる必要はないと思います。この紹介文にも文化や翻訳の問題がありますね。筆者は「尊敬」とフィン語の[kunnioitus]が同じことであるように書いていますが、私はこの二つの言葉が表すことはかなり違うのではないかと思います。
(2005.05.19 18:32:33)

ヘサリに間して(2/3)  
jokuvaan さん
(2/3)ヘサリの記事のことですが、その実際の記事を訳してもらったら大変ありがたいです。なんでかというと今訳されている紹介文章と内容が全然違っているからです。紹介文の筆者はとにかく何を書いたらいいか分からなくて百科事典をコピーしたみたいです。少しつまらないと私も思います・・。(笑)

一方、記事を書いた人は実際に日本に行って、記事を書きました。旅行日記のようなものです。かなり勉強になる記事だと思います。初めて東京に行って、日本語が分からないまま冒険してみて、どんな経験をしたのか書かれてあります。書き方が新鮮で正直だ思います。短い間しか日本にいなかったのに、日本文化とフィンランド文化の違いもかなり分かってきたらしいです。

私が特に興味深く思ったのは、自分によく分かっていないことがいっぱいあったという点もはっきり述べてあることです。これが謙虚さだと思いませんか。どこかの国に短い間しかいないのに、また、よく言葉が分からないのに、自分が専門家であるように話をしている人が残念ながら大勢います。しかし、話には間違いや誤解がいっぱいあり、その人がどの国について話しているのか確認しなければならない場合があります。異文化は掘り下げないと分かってこないものです。掘り下げれば掘り下げるほど、自分が何も分かっていないことが実感されてくると思います。
(2005.05.19 18:33:53)

ヘサリに間して(3/3)  
jokuvaan さん
(3/3)もちろん、ステレオタイプも書かれてあります。そのステレオタイプの一番とも言えるのが、日本のことについて書く時に東京のことを書くことです。外国のメディアは首都ばかりに行って、他の日本のことは京都以外はあまり描写していません。しかし、東京が日本の一番大きな都市であっても、日本には他にも都市や地域がいっぱいあります。外国のメディアがもっと、例えば大阪に行ったら日本のイメージも変わるに違いありません。ご存知のように小さな町や田舎に行くとまたイメージは変わるでしょう。

たぶん一番問題なのは、新聞社が送っているのは日本語が分からない新聞記者だということです。日本で英語が得意だという人の数がまだ限られています。ですからいろいろな人と話ができなくて、目で見た印象ばかり書くことが多いです。それと同様に、ここにも紹介文しか翻訳していなくて、それだけを読むと今回のKuukausiliiteの内容についてかなり間違った印象になってしまうのではないでしょうか。その記事は14ページぐらいですが、紹介文だけを読む人より記事を読む人のほうが多いと思います。パウエルさん、ぜひ記事を読みきって、翻訳してみてください。難しければ一緒に訳しましょう。

とても長くなってしまいましたが、読んでくれた方ありがとうございました・・。最後に日本人の皆さんに質問があります。日本についてどんなことをフィンランドや外国の新聞に書いたらいいでしょうか。皆さんの意見を聞かせてください。(ちなみに、私はフィンランド人です。) (2005.05.19 18:34:52)

あ~読みたい♪  
mikamyy  さん
Kuukausiliite 知りませんでした。
こういうのあったんだ~
自分の国のことが書いてあるのって興味深いですね。

この前来日したフィン人に
日本のガイドブックを見せてもらいましたが
それもなかなか面白いですよ。
(2005.05.19 22:22:28)

kiitos kommentoimisestanne!  
jokuvaanさん

●はじめまして。丁寧なコメント、どうもありがとうございます。色々、参考になりました。

●こちらからもjokuvaanさんへ少しコメントしたいのですが、このコメント欄は字数制限があって、あまり長文だと upload 出来ないことがあります。なので次の日記エントリーで触れさせてください。

●件のエッセイですけど、何とか全訳に挑戦しようかと思ってます。

(2005.05.20 06:31:31)

ならば全訳してみようかと  
mikamyyさん
>Kuukausiliite 知りませんでした。
>こういうのあったんだ~
>自分の国のことが書いてあるのって興味深いですね。

●とりあえずルポの部分を訳してみます。って、結構長文なんですよ。何日かかるやら・・・

>この前来日したフィン人に
>日本のガイドブックを見せてもらいましたが
>それもなかなか面白いですよ。

●あ、そういうのも興味あります。今度、本屋でチェックしてみよう。 (2005.05.20 06:36:35)

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