こちらも講習会の中のお話。
おサルの研究と絡めてのヒトの話。
専門家の観察したところからの、仮説、解釈って面白いなあ、と思いました。
自分は感動しているのだけれど、うまく説明できていなくて、すみません。
ヒトの言語中枢と言われているブローカ野は、
物の操作の実行や観察いずれにも関わって、
活性化される場合があることなどが明らかになってきたそうです。
そして言葉を話さないマカクザルのブローカ野相当領域では、
ものの操作、理解、模倣に関わるらしい特殊なニューロン群があるそうです。
(手で)物を操作し、道具として使用すること、それらの発達や模倣、学習する能力の進化が
ヒトの言語系統発生の前提・・・という可能性があるそうです。
”ヒトは(手で)道具を使うサル”と言われますが、
ただ道具を使うことだけがヒトとサルの差ではなくて、
手を使うことがヒトの大きな特徴である ”ことばの発生” に大いに関わってます
ってことなんですねー。
道具を使う”人間社会”の中でことばが発達していった、ではなく、
”乳児期の母子関係”の中に起源を持ってきてるところが、面白いな~と。
霊長類は、赤ちゃんが母親にしがみつき、母親はわが子を抱き支えることが
赤ちゃんの生存と行動発達の原点。温もり、肌触り、匂いを感じながら母親の体を探索する。
赤ちゃんは外界との関わりを、まずは自らの身体を母親の身体上に定位する(しがみつく)
ことから始める。この中におっぱいやグルーミングもある。
さらにチンパンジーやヒトでは対面的コミュニケーション、
つまり表情(笑い合い)、視線(見つめあい)が互いにやり取りされ、
ヒトではさらに声が加わる。
そしてさらに「物を持たされて持つ」、「持っているものを引っ張られて引き返す」など、
母子相互行為の中に物が早くから入ってくる。
相手の発声や笑顔の伝え合いと平行して、
第3者としての物を行為として共有するという経験が、
生後4~5ヶ月頃から乳児期後半にかけて蓄積していく。
おサルの赤ちゃんとヒトの赤ちゃんの体の発達は同じ順序だけれど、
ヒトの方が姿勢発達が未熟なので時間がかかります。
例えば、おサルさんは8週間で寝返りをするようになるけれど、
人間は倍ほど時間がかかるそうです。
母親の体に比べると大きいヒトの赤ちゃんを四六時中は抱いていられなくなった母親は
わが子を自分の体から離して仰向けに地面に置き、
アイコンタクトや笑顔、声かけであやす時間が増えていきました。
そしてさらにその中で仰向けの赤ちゃんに物を渡し続ける。。
よく、ヒトは群れの中で危険を教えるためにことばが発達した、と考えたりもしますが、
この、母と子の笑顔、声、物のやり取りの長い時間の中で、要求に声がついてみたり、
母子で共有するもの、行為を発声が代替したり、して、
ヒトの母と子がまずことばの世界に近づいていったのではないか。。。
という解釈は、
身体や手の運動とことばはとっても関係していると感じているし、
子どものことばを横で見ている今の自分には実感として納得できるなあ。
実際の進化の過程を見たのではないのに、
その物語の場面をあたかも見てきたように思える
おもしろい話を聞いたなあ。。と思ったのでした。
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