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カテゴリ: 社会人野球
良くも悪くもにわかに注目されているタイブレーク。

我が家の家族の一人は「ニュースで見たけど、オリンピックの野球って変なルールになるんだってね」だって。やっぱり変なルールと思う人が多いのかなぁ。そして 「これだと後攻が有利じゃないの?」 とも。どうなんだろう? そんな気もしなくもないけれど。

先日の日記で書きましたが、韓国プロ野球の元現代監督・金始真さんは 先攻が有利 だと言っていました。その理由は「先攻が最大限に得点を絞り出した後、鉄壁の抑え投手を投入して失点を最小限にとどめることができるから」。

そう言われればそんな気もするし、タイブレークになったら鉄壁の抑え投手を出すのは後攻も一緒じゃないかって気もする。


とりあえず、先攻が有利そうな点
・先攻が先に得点を取れば後攻にとってはプレッシャーになる
・表のイニングで取った点数に応じて守備の作戦が取れる(思い切った前進守備とか)



逆に、後攻が有利そうな点
・先攻の攻撃を0点に抑えれば心理的に楽になる
・先攻が取った点数に応じて攻撃の作戦を立てることができる

…同じことの裏返ししか思いつかないや。それに、これらはタイブレークじゃない延長戦でも言えること。

(良く延長戦は心理的に後攻のほうが有利って言われるけど、データ的にはウソらしいですよ)


じゃあこの際だから、社会人野球のタイブレークではどうなのか調べてみましょ、ってことで手元のメモを元に調査してみました。


社会人野球のタイブレークのルールは「一死満塁で、打順は前の回の攻撃を引き継ぐ」 (延長何回から適用かは大会によります)

IBAFの「無死一二塁、打順は任意」とは違いますが、バント→敬遠で一死満塁にするケースが多ければかなり社会人に近い状況になりますので、IBAFルールでも目安くらいにはなるのではないかと。


●集計基準

タイブレークの試合だったかどうかはJABA公式サイトの結果、日本野球連盟連盟報、毎日新聞の記事、各チームの公式サイト、見に行かれたかたの観戦記、などで判断しています。

ところがこれが意外と困りモノで、JABA公式サイトの結果だとタイブレークと書いてあるのに毎日新聞の記事だと書いてなかったり、その逆だったりします。

たとえば、2006年5月28日の京都ファイアーバーズ対リッツベースボールクラブの試合は、 JABAの結果 京都ファイアーバーズ公式 ではタイブレークだったと書いてあります。

今回は基本的にはJABA公式サイトに従っていますが、それよりも信頼できそうな記述が他にあればそちらに従っています。でも、漏れはありそうです。なので、勝敗の集計は参考程度ということで。


また、集計対象はJABAの公式サイトに公式戦として大会名が載っている試合に限定しています。
(準公式戦らしい神奈川県のクラブ対抗戦や北海道の支部大会はJABA公式サイトに大会として載ってないので数えてません)


●タイブレークは105試合

2008年の7月末までの社会人野球の公式戦で、手元のメモだと合計105試合がタイブレークです。

2004年 16試合
2005年 22試合
2006年 25試合
2007年 28試合
2008年 14試合(7月末まで)
計 105試合

タイブレークの制度自体は2003年から始まっていたと報道されてますが、手元の記録だと2003年はゼロです。2004年の静岡大会、TDKとNTT東日本の対戦が初めてのタイブレークってことになってます(TDKの勝ち)。



(一応、連盟報でも2004年静岡大会のところに「初のタイブレーク」と書いてありますので合ってそうだけど、もしかしたら「(静岡大会で)初のタイブレーク」、という意味かも知れない)


●後攻が有利か?

前置きがものすごく長くなりましたが、105試合で先攻後攻の勝敗はどうなっているかというと。

・先攻から見た勝敗

2004年:07勝07敗2分
2005年:10勝11敗1分
2006年:12勝13敗
2007年:12勝15敗1分
2008年:06勝07敗1分
計:47勝53敗5分 .470

というわけで、ちょっとだけ後攻のほうが勝っているという結果になりました。.470だとちょっとだけ、でもないかな。結構差がある?


ただし。
久しぶりに検定の本とか引っ張り出してみましたが、サンプル数が約100でこの程度の偏りだと 有意差なし 、となります。

すなわち、 後攻有利とは言えない 、というのが今のサンプル数での結論となります。

(社会人野球の場合、対戦チーム間に実力差がある場合は格上と見られる側が後攻に入ることがしばしば見られますが、タイブレークになった105試合ではそこまで実力差があると思われる対戦はありませんでした。まぁ実力差がそれほどないからタイブレークになるんだろうけど)


●何イニングで終わるものなのか

タイブレークは得点が入りやすい状態を作ることで試合を早く終わらせるためのもの。
もし、タイブレークになっても得点が入らなかったり、もしくは同じだけ点を取り合って延々と延長戦が続くことが多かったら制度の意味がありません。

そこで、タイブレークになった試合が何イニングで終了したかを見てみると。


・タイブレーク継続イニング数

2004年:1111121111111111
2005年:1111111111111312111113
2006年:1111132111121121121131111
2007年:1111211121111111122112211111
2008年:11121111111111

1イニング:88試合(引き分け5試合を含む)
2イニング:13試合
3イニング:04試合

8割以上の試合で1イニングだけで決着がついていることになります。早く終わらせようという意図は成功っぽい。

(毎日新聞などで、たまに「延長11回タイブレーク」と書いてあることがあります。この場合、タイブレークは10回からなのか11回からなのか、この記述だけではわかりません。
他の資料と照らし合わせると、この場合はたいてい最後のイニングだけがタイブレークです。「延長11回タイブレーク」なら11回から。
なので、上の集計では1イニングとして扱ってますが、確実ではありませんのでこの集計も参考程度で)


●何点くらい入るものなのか

タイブレーク中の攻撃っていったい何点くらい入るものなのでしょうか。一死満塁だから1点くらいは取れそうな気もするけど、満塁って意外と点が入らないような印象もあるし。

タイブレークに入って初回の先攻の攻撃で何得点入ったかを見てみると。
(後攻はサヨナラ勝ちがあるので先攻だけ集計してみた)


・タイブレーク初回の先攻チームの得点数

2004年:1100102001211002
2005年:0303031341220202203310
2006年:252420044100430520012043(不明1試合)
2007年:2003113002202124113000114201
2008年:14001020046101

0得点:37試合
1得点:23試合
2得点:20試合
3得点:11試合
4得点:10試合
5得点:02試合
6得点:01試合
(不明:1試合)

平均:1.46得点

2004年は木製バットになってから間もなかったからか、あまり点の入らなかった試合が多かったけど、翌年以降は大きな数字も目立つように。
タイブレークが導入されて間もない時期は「手堅く1点」を狙うチームが多かった?

最高は6得点で、先日の都市対抗北海道一次予選、森倶楽部と帯広倶楽部の試合でした。なお、後攻は5得点が最高です。


●何点取れば勝てるのか

先攻チームは何点取れば勝てるのでしょうか。
タイブレークとなったイニングで、先攻チームが取った得点ごとに勝敗を調べてみると。


・タイブレークのイニングでの先攻チームの得点数ごとの勝敗

0得点:00勝27敗(17継続)
1得点:11勝11敗(05継続)
2得点:12勝09敗(02継続)
3得点:08勝05敗(01継続)
4得点:12勝
5得点:03勝
6得点:01勝

(裏の攻撃で同点となった場合は最終の勝敗に関係なく「継続」としました)

やはり先攻で0点で終わるとキツくなります。6割以上で裏に失点して負け。でも意外と負けていない?
1得点だと5割。さっき計算した「平均得点1.46点」に比べると低いのに5割というのは不思議なところ。先攻が1点でも取れば後攻にとっては想像以上に大きなプレッシャーなのかも。
先攻が4得点以上してしまえば必勝です(ここまでのところ)。


他に「タイブレークの多いチームはどこか」とかも集計してみたんだけど、長いのでとりあえず終わり。





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Last updated  2008年08月01日 02時25分14秒
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