
あるとき 私は 大臣だった。
玉座の背後に立ちながら、敬愛する主君を戴く誇らしさと喜びに満ちていた。
しかし、私は主君を失ってしまった。
あるとき 私は 騎士だった。
甲冑に身を包み、広大な青空の下、どこまでも続く草原に馬を駆っていた。
しかし、私は仕えるべき主君を見出せなかった。
あるとき 私は 修道女だった。
教会の静寂の中で、すべてを神に奉げていた。
しかし、私は信仰を失ってしまった。
ずっと、全てを投げ出し、忠誠を誓える主を探していた。
理想の具現。
良心の結晶。
ときに、王であり、師であり、恋人や、神だった。
いつも見い出すたびに、失ってしまう。
胸が張り裂けそうな悲しみと孤独を、そのたびに味わった。
私の主は どこにいるのだろう?
それは 私の中に。
魂のささやき、身体のことば、感情のひびき。
その声に耳を傾け、従い、忠誠を誓う。
私が、私自身の主なのだと。
いっぱいの愛と感謝をこめて。
ありがとうございます。