田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2013.10.12
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11日の夕刊に「モンゴルの進学校に日本の授業動画で配信」という記事が出ていました。

進学校??はて、モンゴルの進学校ってどこかな?と思って記事を読むと「新モンゴル高校」と出ていました。ああ、あの日本語教育の新モンゴル高校かと思いました。

進学校なのかどうかはわかりませんが、新モンゴルという学校が日本語の教育に力を入れているというのは有名です。

記事によると、大阪の出版社や東京の教育関連会社など4社が、15日からモンゴルの「有力高校」向けにインターネットを通じた教育サービスを始める、とあります。

進学校とか有力校などという言い方はモンゴルでは聞いたことがなかったので、なんか「日本的な表現」だなと思いました。これら日本の業者がプレスリリースするときに自分で修飾語をつけたのだと思います。

例えば日本で、東大や慶応大学などが協力して何かをやるとした場合、マスコミは「有力大学が共同で・・・」と書くかもしれません。

でも、東大が自らのプレスリリースに「東大などの有力大学が・・・」なんて書かないでしょう。日本はそういう文化ですから。

かと言って、日経新聞が新モンゴル高校の名前を見て「おっ、あの有名な進学高校だな」なんてわかるはずもありませんから、そんな発想はないでしょう。

新モンゴル高校が自ら日本語でプレスリリースを書くとも思えないので、やはり書いたのはこの大阪の出版社らで、自らこのような修飾語をつけたのでしょう。



要は「立派な高校に配信するんやで~」って感じでしょうか。

このサービスには、宮崎や熊本の教材開発や予備校なども参加するそうです。何やら参加者の多いプロジェクトのようです。

で、対象の学校は「ウランバートルにある有力進学校の新モンゴル高校」とここでも立派な修飾語を強調して使っています。

でも、よく読むと日本語教師による日本語の授業を動画配信するということのようです。新聞によれば「同校は日本語が必修科目で日本人講師による数学などの日本語の授業も理解できる」と書かれています。

・・・ホンマかいな?

あ、私は新モンゴル高校についての記述を否定するわけでも日本語教育を否定するつもりもありません。

新モンゴル高校はその運営に日本人が関与し、日本語教育を行っていることについてはモンゴルでも有名な学校です。

ただ、日本語教育してるから、動画による日本語の授業も理解できる、というところがピンと来ないのです。

私はモンゴル国立大学で教えたり、日本語教育に力を入れている小中学校で日本語を教えたりした経験があります。

モンゴル国立大学はモンゴル最高峰の大学で、私が赴任する前には「モンゴル国立大学の学生は優秀ですので、英語で授業を受けることは問題ありません」と言われていました。

そのつもりで行ったのですが、現実は・・・全くというかほとんど英語は通ぜず、結局は全授業英語・モンゴル語の通訳をお願いしての授業となりました。



私が言いたいのは、モンゴルの英語のレベルが低いというのではありません。もし、私が大学生の時に英語で経済なのどの授業があったら100%理解不能だっと思います。

私が言いたいのは、学部長が胸を張って「うちの学校は全員大丈夫です」といったからと言って、その通りではないということです。

日本語の小中学校の授業もそうです。もちろん、遠い異国で小さな子供たちが一生懸命に日本語を勉強する姿というのは理屈抜きに感激するものです。

ですが、生身での授業ならまだしも、動画レベルで受講するのは大変難しいと思います。

新モンゴル高校出身者ももちろん大学の生徒にいました。日本語で「レポートは英語ではなく、日本語で書いてもいいですか?」と聞いてくる生徒もいました。



とはいえ、記事によれば数学の授業だとあります。なるほど、数学は他の科目に比べれば言葉のハンディが最も少ないかも知れません。

歴史・社会などはかなり大変でしょうし、物理なども日本語で聞いたってよくわからないような授業ですから、数学はいいでしょう。

ただ、今回のビジネスとしての将来像がわかりません。日本語での授業となると、この高校の他にはなさそうですし、あっても少数でしょう。

数学以外の科目への展開も難しそうです。となると、この高校だけに数学のみを提供するということなのでしょうか?

記事によれば、新モンゴル高校の動画を使っての授業もダウンロードできるようにするとあります。

が、これはシステム構築の問題ですから、一度作ってしまえば運用はモンゴル側だけでもできるでしょう。この記事だけでは、ビジネスモデルが見えないです。

1年間は無料期間だそうです。2年目からは、本当にフィーをいただけるのかは不明ですが、日本とモンゴルが教育でも結びつくというのは大変いいことだと思っています。





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Last updated  2013.10.12 16:06:24
コメント(6) | コメントを書く
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Re:日本の授業をモンゴルで?(10/12)  
GA0099 さん
某東進ハイスクールは地方の人口5万人程度の小都市にまでサテライト授業のみ(教師不在)の校舎を増やしていますよね。有名国公立大学・医学部・現役合格など、誰にでもわかるフレーズを広告に使って一丁上がり。モンゴルで<日本のナマ動画授業!>が東進並みにウランバートルママや本人の心をつかむと判断したからこその進出と思いますが、如何でしょうか。 (2013.10.12 18:19:27)

Re[1]:日本の授業をモンゴルで?(10/12)  
GA0099さん、ありがとうございます。
そうですね、予備校の地方進出はすごいですね。UBママの心をつかむのはいいのですが、日本語の授業となると対象はたったの1校、対象科目は数学のみだとすると、厳しいんじゃないかなと思います。モンゴル語であれば、いろいろ可能性はあるでしょうが、それでは日本人講師は無理ですから・・・ (2013.10.12 18:51:20)

Re[2]:日本の授業をモンゴルで?(10/12)  
GA0099 さん
言語の壁は通訳・翻訳では越えられないのでしょうか。惜しい気がします。
まあ、我々がソルボンヌやグランゼコール対策の数学授業をフランス語で受けるのと同じ感覚なら、厳しいかなとは・・(汗) (2013.10.12 21:05:50)

Re[3]:日本の授業をモンゴルで?(10/12)  
GA0099さん、ありがとうございます。
ネット配信というのは、効率的に低コストで提供するということですから、全部通訳していたらちょっと大変かも。
私はそれよりは、日本の数学の授業がモンゴルの大学進学にモンゴル人の先生よりも役に立つのかが疑問です。
モンゴルには数学が優秀な人は結構いますからね。 (2013.10.12 21:57:41)

Re[4]:日本の授業をモンゴルで?(10/12)  
GA0099 さん
私は田崎様ご専門のビジネスや現地事情は全く解りません。しかし、
1・数学で大切なのは考え方、解法のセンスや発想に国境はない
2・数学の優秀な人が新モンゴル高校の教師になる確率より国外流出する可能性が高い
そんなことを考えた上での進出では・・とも思います。 (2013.10.13 00:09:16)

Re[5]:日本の授業をモンゴルで?(10/12)  
GA0099さん、ありがとうございます。
そうかもしれませんね。数学でトライするのはそういう理由だと思います。 (2013.10.13 07:26:48)

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