
木々の隙間を滑り抜けた木漏れ日が下草に落ち
細い葉の先に
房を広げた穂先に
小さな光の雫を灯す
「教えてあげる みんな、みんな」
赤く染まった高木の葉の
枝先に揺れる果実の
蝶や蜂が群れる花の
一つ一つの名前を謳うように告げながら
ふわりふわり
指し示す白い指も
薄い陽差しに透ける髪も
振り返る都度広がるスカートの裾も
全てがまるでステップを踏むよう
「私の知っている事は、何一つ残さずに」
サクラ
ジャノヒゲ
ムラサキシキブ
カラスウリ
ムカゴ
ネジバナ
ラベンダーセージ
エノコログサ
色づいたサクラの葉が投げかけるほのかに赤い光の中で
華やかなスポットライトを浴びるように
けれど微笑みはどこか
寂しげで儚げで
「教えてあげる 私が貴方の隣に居られる間に」
ふわり
背中から抱きつき
白い腕を首に絡ませ
暖かく柔らかな肢体を押し付けながら
くちづけるように
紅い唇を耳に触れさせて
「ね みんな みんな みんな」