もりんこでは、毎年秋になると椎のみ拾いの行事があります。
年中以上が為三郎記念館の美しい日本家屋での美術品鑑賞、そしてその緊張感の中で和菓子とお抹茶をいただきます。年長は古川美術館の展示品の鑑賞も加わります。
手入れされた日本庭園を拝観しながらの椎のみ拾いは、子供たちの感性を養う目的、マナー力の確認、大人の指示の受け入れの目的があります。
もりんこに入る前から、こちらの美術館のコレクションが大好きで、為三郎記念館に足を運んではお抹茶と和菓子をいただき、極められた日本の美に緊張感と安らぎを感じていました。おとなの世界だとばかり思っていたので、もりんこで、この美術館に行く行事があると聞いたときは正直、驚きでした。
為三郎記念館の美しく気品に満ちた日本家屋特有の空気は子供の感性に必ず響くものに違いないと思いましたが、普段ムーブで走り回って、飛んだり跳ねたり、元気いっぱいのもりんこのこどもたちが、団体で行って本当に大丈夫なのかしら・・・と思いました。
初めての付き添いは、年中の元気のいい男子で、とにかく粗相があってはいけないと、私自身が緊張し、目も手も離さず、お菓子もお抹茶も飲み込むように食べたことを思い出します。しかし振り返ってみると、元気いっぱいのはずの子どもたちは、走ったり騒いだりすることも、展示品に触ったりすることもなく、普段とは違った空気に何か感じるものがあるかのようにふるまっていました。
私は今年で 3 回目の付き添いを経験しましたが、子どもたちは茶道遊びの経験があるからか、また手唄遊びでおとなの言っていることを聞く、ということを日々行っているためか、とてもよく話を聞き、緊張感を感じながらも言いたいことや発見したことをのびのびと口に出していました。
また驚いたことは、お軸などを見て季節の花の名前が言えたり、自然に俳句が言えたりして日々の何気ない活動が身に染みた教養になっていることを毎年目の当たりにし、誇りを感じました。3回目の付き添いで、普段の活動の積み重ねがあってこそ、こうした特別な行事での実りになるのだと感じました。
元気いっぱいのこどもたちを毎年あたたかく見守り受け入れてくださる古川美術館の方々に感謝し、この行事が毎年実りあるものになるよう、普段の活動を頑張っていこうと思っております。