森蔵日記@舞台オタクのシンプルライフ

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2016年06月26日
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6/25夜、2度目の『あわれ彼女は娼婦』を観て参りました。

前回は気づかなかった演技を発見したり、より進化&パワーアップした役者さん達の演技を堪能することができました。

ジョヴァンニとアナベラの純粋すぎるほどの禁断の愛。そして彼らを取り巻く人々の、エゴに満ちた人間模様。誰も彼もが復讐復讐と呪いの言葉をまき散らすけれど、それもまたエネルギーの発散には違いなくて。ある意味生命力の爆発といえなくもない。

純愛と俗、そのギャップがより鮮明に感じられ、観劇後もなかなか興奮が冷めませんでした。



これぞ舞台演劇!


そして、今回のマイMVPは、何と言ってもアナベラを演じた蒼井優さん。

前回は普通に良い(日本語が変でスミマセン)と思った程度でしたが、今回は別人のようでした。

表情も、セリフのテンポも抑揚も、立ち姿でさえ前回とは違っていて、時に凄みすら漂わせる蒼井アナベラ。

蒼井優が化けた!

そう思いました。

特に印象的だったのは、冒頭、薄明りの中、下手の階段から登場して舞台セットの赤い十字架を奥に向かってハケていく場面と、2幕中盤での、ボロボロになりながら同じような動きをする場面の対比。



2幕。1年にも満たない短い間に激変した彼女の世界。重い足取りと表情が、観客の心をえぐります。

どちらの場面も戯曲にはないので、きっと栗山さんオリジナルの演出なのでしょう。

他にも、
アナベラが独りで舞台上にいる時の、絵画的な美しさといったら。 それは神々しさすら感じるほどでした。

作品中でジョヴァンニはじめ男たちが幾度となく「美しいアナベラ」というセリフを口にします。初回観劇時は正直それに少しひっかかりを覚えたものでしたが(←あんたらアナベラの容姿だけに惹かれているんかい!というツッコミと、実際そこまで美しいか?という多分同性ならではの失礼なツッコミ。ごめんなさい)、今回はそのセリフに激しく同意しながら観劇している自分がいました。だって確かにこれ以上ないほどに綺麗なんですもの。

醜く顔を歪めていてさえ、美しい。こんなことがあり得るのですね。

蒼井さんの演技と栗山さんの演出が見事に昇華した、今回のアナベラでした。


蒼井優さん、大好きになりました。こんな演技をする役者さんだとは知らなかった。2度目を観ることができて本当に良かったです。



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Last updated  2016年06月26日 10時59分04秒
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