訪独備忘録 2015 年 12 月 1. Vereinigte Hospitien
2015 年は 8 月に続いて、 12 月にも訪独の機会があった。
二つ目的があり、一つはトリーア大学の学位授与式。普通、ドイツの大学では聞かない式典なのだが、私が学んだ歴史学部( Fachbereich III )では、 12 月上旬に開催するという。もう一つは、ドイツワインの公式広報団体である DWI ドイチェス・ヴァインインスティトゥートの、日本支部運営組織の選抜オーディションに臨むためだった。私自身が候補者というわけではなく、その補佐役として顔を出したのだが、結果は落選。現在 Wines of Germany 日本オフィスを運営している、 SOPEXA が受注を決めた。
DWI のオーディションがあったマインツを去り、トリーアに着いて最初に立ち寄ったのは、モーゼル川沿いにあるホスピティエン慈善連合醸造所だった。留学中は、ちょくちょく試飲所に立ち寄っては試飲しながら、生産年の情報など教えてもらっていた。
写真はヨアヒム・アルンスさん。私がトリーアにいたときから、ずっとここの経営責任者をやっている。
2011
年に帰国する前日に挨拶に立ち寄って以来だから、
4
年振りの再会だった。ちょっと白髪が増えた気がするが、実は私と同い年かそのあたりだったと思う。二人の娘さんは今
9
歳と
12
歳(
2015
年当時)。そろそろ反抗期だろうか。奥さんの実家はオーバーモーゼルにあるニッテル村の醸造所だが、アルンスさんはそちらを継ぐ気はなく、ホスピティエンの仕事に集中しているそうだ。
何か最近新しいことは、と聞くと、エティケットのデザインを少しだけ変えたという。そして商品構成を VDP の方針に従って、グーツヴァイン、オルツヴァイン、グローセ・ラーゲという、呼称範囲が狭まるにしたがって、収穫量を切り詰め品質をあげるシステムにしたそうだ。顧客の反応は上々で、 2014 年産のグローセス・ゲヴェクスは、あらかた売り切れたとか。それと、駅の裏手にある畑を大々的に植え替えている。植えるのはリースリング。自根ではない。新たな植樹は禁止されているから当然だが。
2014 年のカンツェマー・アルテンベルクのGGと、同ゼーリガー・ザールファイルザー・シュロスベルクのファインヘルブ・アルテ・レーベンを試飲させてもらう。収穫量をしぼっただけあって中身が詰まっていて、品の良い仕上がり。後者は要素がまだ溶け込んでいないのかややおとなしく、 2 年後くらいが楽しみ。
日本向けには複数のインポーターと取引があるそうで、いずれ日本にも行きたいと話すアルンスさん。
VDP
モーゼルの中ではどちらかといえば地味な存在だが、その品質の高さは日本で飲むと一層際立つ気がする。
(つづく)
PR
Comments
Keyword Search