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スウィフトの『ガリヴァー旅行記』を読了。(岩波文庫、平井正穂訳、1726年/1980年)この本を読む前は、ただの「童話」だろうと思っていたけど、大間違い。この本に書いてあった「偏見」の恐ろしさだ。そもそも「童話」が子どもの読み物だと思っていた自分がバカなのだ。内容は、第一篇から第四篇まであったが、第一篇は、あの有名な小人の国の話。主人公が、体を仰向けのまま、手足を大地に縛りつけられていた話だ。文章は、とても綿密で読み応えがあり、作者の想像力の豊かさ、柔軟さに驚いた。そして、近代の書物によく見られる理想的な合理的センテンス。200年以上も前の本とは思えなかった。読み始めると、あっという間に惹きつけられ、主人公と同様、一喜一憂した。しかし、一番興味を示したのは、第四篇。気がついたら一気に読んでしまっていた。ここを読んで、この本が「童話」ではなく、「社会風刺本」だということがよくわかった。そういえば、以前に読んだ阿部謹也さんの『自分のなかに歴史をよむ』の中にも、今日、少年少女たちに読まれている昔話は、元々、当時の社会風刺本であるものが多い。ということを読んだことがあった。様々な魅力溢れる架空の国々や、想像を逸する不思議な人々を描くことで、17世紀あたりのヨーロッパ社会の矛盾や不正を痛烈に批判した一冊。我々人間に対する批判もたくさんあった。心にグサッとくることがたくさんあった。また読み直す必要がありそうだ。
2007.12.23
大岡昇平さんの「野火」を読了。「肉食と人喰はどこが違うのか」とても怖かった言葉です。この本を読んでしまうことで、何かが変わってしまうのでは。と恐怖感を抱きました。内容は、1944年、太平洋戦争末期の日本の劣勢が固まりつつある中でのフィリピンのレイテ島戦線が舞台。死の直前における人間の極地を描いた作品。作者が、レイテ戦に生き残った兵士から聴いた話を元にこの小説を書いたといわれています。作者の大岡さんは、レイテ戦には参加していませんが、ミンドロ島で米軍の捕虜になったという経験があります。かなりキリスト教的な思想がありましたが、仏教的な思想も組み込まれていて、不思議な感じがしました。ただ、終盤の描写は大変キツかった。どうしても頭の中で映像に置き換えてしまうので、嘔吐感を感じました。なので、終盤は所々飛ばしながら読みました。そして、終盤にあった、「現代の戦争を操る小数の紳士諸君は、それが利益なのだから別として、再び彼らに騙されたいらしい人達を私は理解できない。恐らく彼らは私がフィリピンの山中で遭ったような目に遭うほかはあるまい。その時彼らは思い知るであろう。戦争を知らない人間は、半分は子供である。」という文章が、とても印象的で、心にズシッときました。「もう二度とこういうことを起こしてはならない」と意識しながら読みました。ただ、平和でいつづけるのは、とても難しいことだと思います。実際に世界では紛争が起こり続けています。「我々は、もう二度と過去の過ちを犯してはならない」と意識することだけでいいのでしょうか?少しだけ無常観を抱きます。我々は、受動的に平和を待つのではなく、能動的に平和をつくらなければ。この小説を読み終えた時、偽善的ながらそう思いました。
2007.12.15
山田詠美さんの「ぼくは勉強ができない」を読了まず、最初の数行を読んだとき、「これは自分の価値観が変わってしまうな・・」と感じた。大まかなあらすじは、17歳の高校生、時田秀美が主人公。勉強はできないが、女性にはよくもてる。彼を中心として繰り広げられる一味違う思春期小説。どんな恋愛ものかな~と、ほのぼのと読んでいったら、あれ?なんか変な主人公だな。と思ってきた。そして、「でも、お前、女にもてないだろ」主人公のセリフである。これは、衝撃かつ強烈だった。グサッときた(笑)俺みたいな、もてない男には、この文章が本当にグサッとくるよ(笑)フィクションだとわかっていてもね(-_- ;)なんとなく、「限りなく透明に近いブルー」の主人公や、「ライ麦畑でつかまえて」の主人公のような印象を持った。久しぶりに強烈な主人公を見た気がする。読んでいる最中は、そんなことない!って感じで、あまんじゃく的に反抗していた(笑)それは、男である自分の性格が、作者に見透(見抜)かされていることを認めたくない自分がそう言っていたと思う。やるじゃないか作者!(笑)んで、読んでいて疑問に思った点は、キャラクター(主人公以外の登場人物・脇役)が完全すぎる。「キャラクター」ってのが全面に出ていて、人間的な不完全さがなかったように思う。だから、なんとなく周りの人間と主人公の差が大きすぎたように思えた。そして、主人公の精神の不安定さ・不完全さが完璧すぎたと思う。完璧すぎて、この先に起こる彼の心理展開が予測できてしまう。まぁフィクションだから仕方がないと思うけどね。それと、みんな素直すぎたような気がする。上記のことでちょっとだけ呆れてしまったが、所々に、心にズキッっとくる文章があった。それが良かった。なんとなく自分のタメになる文章だったような気がする。それと、女性から見た男性像(特に思春期あたりの)が、男である自分からするとちょっと違うような気がした。男から見た女性像も実際とは違うように、なんとなく違和感を感じた。ただ、作者の視点がいい。ある程度男をわかっていないと書けない内容だったからだ。まさに男の最悪な部分を書いてくれている。だからオレは「そんなことない!」って否定・反論したんだろうな(笑)んで、主人公は別として、周りに出てくる男共は、まさしく俺達の時代でもいたヤツらだった。さすがにそんなヤツはいない。と思った人物もいたが、似てるやつもいた。それは、まさしくオレだった。恥ずかしかったね(笑)悪いところを改善しなくちゃと誓った。そして、この小説が書かれたのは、今から16年前。16年前の小説で、今よりかスゴイんじゃないかと思った自分がいた。オレは遅れているのだろうか?それとも世間を知らなさすぎるのだろうか?まぁいっか。ちょっと話はそれるが、私は、フィクションがあまり好きではない。この小説でも時々キライな表現や、ありえない感情の起伏&展開は、読んでいる最中に嫌気がさして数行飛ばした。所々に入れられた季節の変わり目と主人公の心情の交錯表現なんて、寒気がした。フィクションのこういうところがキライ。んなもん普通思わねぇよ。って思ってしまう。だけど、作者の人間描写、感情・心理描写などは鮮やかだったような気がする。特にこれは思春期の話だったので、読んでいる私も、つい2年前は主人公と同じ高校生だったので、同感できた部分もあって、結構内容にのめり込めた。そういえば、久しぶりにフィクションを読んだ。特に恋愛モノは数ヶ月ぶり。昔は、ロマンティックで郷愁的な小説が好きだったけど、結構な期間の間隔を空けてしまうと、読んでいる途中で恋愛モノ独特の表現などを見つけると、白けてくる。こんなのあるわけねぇーよ。ってね。あ~。心がすさんできたのかな(笑)
2007.12.11
夏目漱石氏の「私の個人主義」を読了。この本は、小説ではなく、夏目漱石氏の講演を文章化したものです。「道楽と職業」「現代日本の開化」「中味と形式」「文芸と道徳」「私の個人主義」という5つの講演を収録してあります。どれも先見的で、とても面白い講演でした。さすが文豪!とでも言いたくなりましたよ。感想としては、とても為になる本でした。特に、漱石氏の人生最後の講演になってしまった、「私の個人主義」。これは、漱石氏の人生も垣間見れる内容になっていて、さらに、「坊つちやん(坊っちゃん)」の裏話もありました。そして、タイトルでもある、夏目漱石氏が考える「個人主義」は、とても興味深かったです。どうしてもあの先見性は、スゴイとしかいいようがない。今でも当てはまることがたくさんありました。で、この5講演のどれもが私にとって、為になりました。多分また、私はこの本を読むでしょう。それほど、為になり興味深い内容だったのです。
2007.10.02
今日ぶらっと散歩していたら、ジュンク堂という本屋さんで、今までず~っと探していた本がありました!!!天にも昇る気持ちでした(>__
2007.09.08
最近読んでいた、「そして誰もいなくなった」という推理小説を読了しました。著者は、「ミステリの女王」と呼ばれる、イギリスの推理作家、アガサ・クリスティ。ギネス・ブックでは、「史上最高のベストセラー作家」として載っています。推理モノは、「ルパン対ホームズ」を小さい頃に見たぐらいかな?久々にこういうのを読んで面白かったです。いや、面白かったんではなくて、そうとう面白かったですね(笑)小説で、ワクワクハラハラさせられたのは、久しぶりです。犯人は誰だ?? こいつか? あいつか? いや、こいつだな!とか、頭の中で呟いていましたね(笑)人物描写は、さわやかに、そして魅力的に書かれていました。かなりレベルの高い人物描写でしたね。最後は、「えぇーーー!?(@_@;)」の一言でした(笑)ただ、推理小説モノは、絶対と言っていいほど、人が死にますね(^_^ ;)しかも、かなり過激な描写もあるので、血の気が引きます・・・だけど、あのハラハラドキドキ感は、たまらない(笑)またいつか推理モノを読んでみよう。
2007.07.03
唐突ですが、最近読んでいた、「若きウェルテルの悩み」って小説を読み終わりました。出版されたのは、1774年。なんでも、当時はこの小説が斬新過ぎて、結構物議をかもしたらしいです。著者は、文豪として世界に名を轟かせる、ゲーテ。余談ですが、あのナポレオンの愛読書だったとか内容は、ネタばれになるので、書きませんが、すごいの一言・・・現在、自分が悩んでいるレベルのことなど、かる~く超越して、さらに奥深くの問題などを書いてたりしてた。自分の悩みなんて、しょーもないことだったんだ。って思わせてくれましたね(^_^ ;)しかもテーマが多岐にわたっていて、すごくためになった。230年も前の作品なのに、全然古さを感じさせない作品でした。あと、ゲーテさんの作品の中では、「ファウスト」って作品が一番有名ですよねただ、かなりの長編みたい・・・う~ん・・・内容も難しいらしいし・・・来年ぐらいに読もうかな(笑)次は~アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」と、セルバンテスの「ドン・キホーテ」の2作を読んでみようかな推理モノは、まだ読んだことがないので、結構楽しみですね~では、また明日。
2007.06.27
現在読んでいる本の紹介 作者は あずまきよひこさん タイトルは 「よつばと!」作者のホームページがあります 「よつばスタジオ」という会社の中です今回紹介しようと思ったキッカケは、 親切なことに漫画の立ち読みコーナーがあったからです ここで漫画の内容を少しだけご紹介。いきなり見てもどんな人物かわからなければ、ちんぷんかんぷんだと思うので。まずは、ホームページの漫画紹介文を拝借。 「ちょっとかわった女の子「よつば」と、とーちゃんと、 まわりの人たちとのなにげない日常を描いたマンガです。 だいたい1日1話のペースで物語はゆっくりと進んでいきます。」 主人公は、「よつば」 白黒なのでわかりにくいですが、緑の髪に緑の眼。 第2の主人公は、「とーちゃん」 よつばを育てているお父さん(なのかもしれない)そのほかは、 「とーちゃん」の親友の「ジャンボ」。2m以上ある人物。まさにジャンボ。隣の家も、ご紹介 3人姉妹で、 長女が「あさぎ」大学生。 次女が「ふうか」高校生。 三女が「えな」 小学生。あとは~・・・ 「えな」の友達の「みうら」 「あさぎ」の友達の「トラ」 ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございますでは、いってらっしゃい あずまきよひこ 「よつばと!」 (現在、立ち読みのページが開きにくくなっております。 見れない場合は、英語の文章がでてくるはずです もしそれが出ましたら、更新ボタンを何回かクリックしていただければ、 なんとか開くかもしれません。 ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません) あと、作者のあずまきよひこ作品の 制作・ディレクション・著作権管理、などを行う会社である よつばスタジオ それと、作者のブログ。 あずまきよひこ.COM 私の感想は、 大人から子供まで楽しめる作品だと思います 1日1日をのんびり描いているので、ほんわかしますよ 背景をよく見ると、写真と間違えるくらい細かく描写されています 最近でのNO.1作品です その他 平成18年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞 「日本のメディア芸術100選」(文化庁)選出
2007.06.16
あやうく寝てしまうところでした(-_-;)更新更新・・・・・え~っと・・・何か話題を・・・・・あ、そうそう今日読んだ本を紹介します「ライ麦畑でつかまえて」っちゅーやつですかなり有名な作品です。 よね?(^_^;)昔は、若者のバイブルとまで言われていたらしいです青春期の葛藤を読者に語りかけるような文体で書いていて、結構おもしろかったですよただ、過去に禁書扱いを受けた本らしいです・・・(-_-;)ここで、有名な話を1つあのジョン・レノンを射殺した犯人が、射殺した後、警察が来るまで、ジョン・レノンの近くでこの本を読んでいたらしいです。レーガン元大統領を狙撃した人物も読んでいたとか・・・・・内容は、社会に対する不満を抱いている高校生の主人公が、淡々と話している。って感じかな?主観的に見ると危険ですねそれにしても、少し前の自分に似ている・・・・・かも(-_-;)おしっ 明日は何を読もうかな~う~んと考えて本屋に立ち寄ったら、安くて薄い本を見つけたので、すぐに買っちゃいましたシェイクスピア「ハムレット」です(^_^;)なんでも、400年前に書かれたとか・・・(-_-;)私の好きな絵画の「オフィーリア」が登場しますね~どんな絵なのか気になるお方は、下のリンクからどうぞちょっとリアルで怖いかもしれませんね(^_^;) Sir John Everett Millais 「Ophelia」 1852
2007.06.06
特に書くことがないですが、何事も毎日つづけることが大切ですよねなにを書こうかなぁあ、そうそう最近はずっと本を読んでますまだまだ読書初心者ですので、幅が薄っぺらい本ばっかり読んでます(^_^;)先週の1週間で読んだのは、え~っと「夏の庭~The friends~」「雪国」「キッチン」「車輪の下」ぐらいですどれも短いのですぐに読み終わりましたが、特に「夏の庭」と「雪国」は印象に残っています「雪国」は本当に綺麗な景色を想像できましたよ私の初恋の人との出会い方と「雪国」での内容の一部が一緒だったんで驚きました(^_^;)いや~ これが大人の恋かぁ~ っていうのが正直な感想ですね「夏の庭」の方は、一つ一つの描写が上手で、読んでいて気持ちがよかったです一人一人のキャラがおもしろくて、文章に吸い込まれていきました久しぶりに「あっ」と言う間に読み終えた小説でしたね~もちろん、熱中してね
2007.05.31
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