残業人間の野遊び生活

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2007年07月28日
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カテゴリ: 登山
 28日の日記だが、厳密には山小屋で床に入ったおんなじ日、つまり前日の午後11時15分に目が覚めた。


 7/28の午前零時、富士山河口湖口登山道八合目の山小屋「蓬莱館」を出発。
と思ったが、小屋の外は大渋滞だった。

「お義父さん、寝れました?」

「全然寝れんかった。一睡もできんかった。」

・・・その日、小屋の宿泊客の中でいびきが誰よりも最大音量クライマックスだったおちちうえが応える。

 俺は1時間くらいは寝た感じ。

 渋滞は果てしなく続いているようで、5歩歩いては、30秒ストップ・・・ってなことを延々と繰り返す。


 気温は5度前後。風は時たま10mを超えるので、体感温度はおそらく氷点下。

 ただ寒いだけなら耐えられるが、自分のペースで歩けないので体が全く温まらないのが俺にとってはつらい。

 おちちうえにとってはこれが適度なペースだったようで、程良く体もあたたまり、小休止の時は一番風がつよく直撃するところを選んで休まれる。だから、余計に俺は体が冷えてつらい。

 ほとばしる鼻水。

 やがて、東の空が白み始めた。

ここからまだ30分はこのまんま。
483 かぎろひ

もうすぐかな?
484 朝焼け

おっ、チラッ!
485 ちらりずむ


おはようございます。
486 御来光

頂上まで、あと高度差100mというところで、御来光。

なんだが、非常にありがたいものである。手を合わせて拝みたくなるくらい荘厳な日の出なのである。


そしてまたゆっくりと動き出した。

再び動き出した渋滞は、狭い登山道を3列に並び、ずるずる納豆歩行でゆらゆら進む。
見える範囲で頂上から本八合の下の八合目までは同じ調子の大渋滞。そっから下は見えないが、おそらく渋滞だろう。

難民の民族大移動か、はたまた聖地巡礼の信者の列といったところ。
何が嬉しくて、こんなにたくさんでずるずる登るのか、君たちに聞きたい。

487 民族大移動

やがて、頂上の鳥居。
488 到着
午前5時30分、おちちうえ、みごとに通過。(真ん中のブルーのカッパ)

だが、頂上に着いたと気付いていない。

「お義父さん、頂上着きましたよ。」

「えっ、ほ~か、着いたかぁ」(広島弁)

 おちちうえ、頂上の浅間大社のそばに座り込み、おもむろに携帯で広島の自宅に登頂報告。

「富士山登ったよぉ。やっと登れたよぉ、夢が叶ったよぉ、渓遊ちゃんが連れてってくれた○κ△♯□μ※」

おちちうえの目に光る物が一筋、二筋。
体中が満足感と達成感に満たされていくのが見て取れる。

なんだか俺も目頭が熱くなってきた。

 さて、では、おちちうえ、念願の詩吟を謡って頂きましょう。
人目に付かぬ場所で、デジタルビデオカメラを三脚(これも俺がボッカしていた)にセットし、剣ケ峰に向かって満足行くまで謡って頂くこと3回。
491 剣ケ峰.jpg

 標高3,700mで平気な顔で息も切らさず謡うおちちうえ、見事である。と同時にこれが、恐らく勝因でもあるのだろう。おちちうえは詩吟のお陰で腹式呼吸ができる。多分呼吸器系がしっかりしていて、高山病に全くならなかったんじゃないかなって思っている。

お次は俺の楽しみ。
ピークラーメン!
490 ピークラーメン
昨年から定番となった塩ラーメンなのである。

バスツアーの皆さんはさっさと下山に取りかかっているが、俺はせっかくここまで来たからには十分たのしみたいのである。
492 ラーメン激食
旨い、旨過ぎ! 清く正しすぎるピークのラーメンなのだ!

3時間近く富士山頂上でのんびりしてから、ようやく下山にとりかかる。

残念ながら、おちちうえ、登頂連絡の自宅電話の時、満足感と達成感で体が満たされると同時に、それまでみなぎっていたモチベーションや根性やヤル気が、背中から空中に昇華されていくのが見えてしまった。

だからお鉢巡りは無理せずやめておいた。
三角点は無理にはいいのである。おちちうえが満足してるのならね。
下界から富士山を指さして、いつか「ワシはあそこに登ったんじゃ」と言うであろう指の先は、3,776mの三角点ではない。紛れもない今俺達が立っている場所。これも富士山の頂上なのである。

とりあえず記念写真。

おちちうえ
494 おちちうえ


俺。
493 俺

山中湖
489 山中湖

富士吉田市街地
495 富士吉田
山に登って地球が丸いなあ、と思ったのは、これが初めてである。

富士山は見る山か、登る山かなんて議論の結論、ここに登ったヤツしか答えられないんじゃないかな。

周りに高い山の無い独立峰から眺める展望、裾野の広がり、雄大さ、高度感、貧弱な語彙では表現しきれないデッカさが富士山にはあった。これは北アルプスや南アルプスなんかとは明らかに異なる富士山ならではである。

登って初めて分かる富士山なのである。


下山開始。

登りとは異なるつづら折れのブルドーザー道を激下り。
おちちうえは、ストック使って3本足で一歩一歩。
俺は、早下りで小走りでつづら折れを1往復ごとに、おちちうえを待つ。
496 激下り

それにしても砂塵がすごくて、口の中もじゃりじゃり。
おニューのドタ(重登山靴)も一気に年期が入った、というかどんな靴なのだか分からなくなってる。
498 おニューの靴

実は富士山は、キャタピラを使えば歩かなくても頂上まで登ることができるすごい山なのである。写真は救護用。荷台に布団が敷いてあった。
497 救護キャタピラ
歩けなくなったと根を上げた人がいて、救護に向かったが、行ってみたら要救護者本人が立って歩いていたので、そのまま引き返してきていた。運転していた人は怒りまくっていた。

やっと雲と同じ高さまで下ったが、まだまだ高度感ありあり。
でも、ぐんぐん気温が上がって、頂上で寒かったのが嘘のよう。
499 雲の下へ

そして、13時10分、スバルライン五合目に無事到着。

標高差1,400mを一気に下った。
さすがに俺も久々膝が痛んだ。

500 無事下山

八合目の山小屋を午前零時に出たから、13時間の行動時間。

おちちうえとがっちり握手をして、お互いをねぎらった。

おちちうえは富士山登頂という夢が叶ったことを喜び、俺は登ったことはもちろんだが、それ以上に、おちちうえを無事案内できた?ことを喜んだ。

こうして、数年来のおちちうえの夢だった富士山登山も無事に幕を閉じた。


日本一の富士山は、やはり清く正しく日本一高い富士山だったのである。

そして、富士山、それは日本人のココロ、なのである。

終わり。





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最終更新日  2007年08月05日 00時23分31秒
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