阪神タイガース  われら猛虎党







阪神3連勝!今岡復活15号!

 不振を極めた選手会長が、高らかに一発! 今岡誠内野手(30)の15号3ランで、阪神の貯金は15。2位・ヤクルトに最大6.5差だ。この勢いはとまらない。ヒーローは雨の甲子園のお立ち台で優勝宣言までしてくれた。

〔 写真上:今岡はセ独走の77打点目となる3ランで、スランプから脱出。写真下:試合後にはお立ち台から優勝宣言も飛び出した 〕


 曇天の空に打ち上がった大花火が、虎の未来を照らした。今岡の豪快3ランで、今季最大貯金15、最大ゲーム差6.5。2位ヤクルトとの第1R、21打席音ナシとドン底だった選手会長が、フルスイングで決めた。

 「ここ何試合か全然打ててなくて…。打ててホント嬉しいです。すっきりしたというか、少しはスカッとしました」

 雨のお立ち台。大歓声に向かって「胴上げ? まだ早いですけれど…いいです。期待してください」と力強く誓った。

 待望の快音は四回、1点を先制しなお一死一、二塁。藤井の内角低め直球をすくい上げ、完璧な放物線で左翼席に叩き込んだ。4試合、22打席ぶりの安打。6試合ぶりの15号、そしてセ・トップの打点は、5試合ぶりの77。防御率1位の左腕を沈めた豪弾に、小さく右手を握った。

 「結果を出さなアカンからのう。ここまで来たら、やるしかない」と試合前。今岡の語尾が『~ね』ではなく『~のう』になる時、その気合は最高潮だ。この日は、練習前に新室内で早出特打も行った。清原打撃投手に緩い球を投げてもらいスイングチェック。前日4日のオフも没頭したイメージ作りが「形になってきたから確かめたかった」と感触を掴んでいた。

 気持ちの切り替えと精神力が抜群の今岡でも、悩むことも落ち込むこともある。しかし「いい時も悪い時も打席に立つんだから。悪い時は開き直って、いい時は集中してやるだけ」。自宅で布団をかぶって悔しがっても、グラウンドで“弱さ”を見せたら、もうプレーする資格はない。

 例え話で「1年間全打席センター返しを続けたら3割は野手の間を抜ける」と話したことがある。いい当たりをしても捕られたら終わり。調子と結果が必ずは結びつかないのが野球。しかしひたすら信念を貫けばまた、必ず通じるのも野球だ。

 「打ってくれると思っていたけど、一番いい所で打ってくれた」。改めて信頼を示した岡田監督は「球宴までみんなで気持ちを引き締めてやっていきたい」と話した。

 ベースを回りながら「正直、この1本で終わったらアカンなと。僕は上がっていくしかないんだから」と思ったという今岡。八回の中前打は、次への大事な一打。「これを明日につながないといけない」。言い切ったその視線は、すでに先を見ていた。

井川ハーラートップタイ8勝!

 カクテル光線に光る雨粒も、この男にとっては清涼剤なのか。屈辱を味わった聖地のマウンドで、トラのエースが完全復活だ。球宴前のヤマ場、ヤクルト-中日と続く6連戦。週の頭のエース対決を、井川が制した。

〔 写真:井川は軽快なピッチングでハーラートップタイの8勝目を挙げた 〕


 「相手ピッチャーが藤井さんだったので、大量失点だけはしないように気をつけた。低めを意識しました」

 6月1日のソフトバンク戦で8失点KO。二軍落ちを命じられて以来となる甲子園のマウンドだった。報道陣に口に開くことなく沈黙を貫き通している男が、球団広報を通じた発したコメントに、自信が蘇っていた。

 一軍に再登録された同14日の西武戦から毎週火曜に登板。エースの存在が優勝への絶対条件と考える岡田監督の英断が、実を結んだ。松坂に投げ勝って復活の“産声”をあげてから4連勝。今季8勝目で広島・黒田らと並ぶハーラートップだ。

 「井川が先陣を切っている。西武で復活してからは、タイガースのエースとしてある程度の仕事はしてもらっている。6連戦の最初は1週間の流れをつくるから。信じられんよな、4、5月からの内容をみると」。4月28日の中日戦で大逆転負け(8-9)を喫し、その後のヤクルト戦で3連敗。悪い流れを作っていたエースが、本来の姿に戻った。

 マイナーチェンジに、ツバメ打線が凡打の山を築いた。直球を生かすために控え気味だったツーシームをこの日は多投した。四回だ。初回に内野安打を許した1番・青木のバットを内角低めで空を切らせた。シュートしながら落ちる球に青木が「すごい球がきた」と舌を巻けば、ヤクルト・杉村打撃コーチは「スコアラーのデータにはまったくなかった。やられた」と脱帽した。

 七回にラミレスに一発を浴びたが、その後の追撃を許さずマウンドを降りた。5安打6奪三振の好投。雨のなか大声援を送った4万540の虎党の目に映るエースの姿は、頼もしくそして大きく見えたはずだ。

藤川八回ピシャリ2奪三振!

 月間MVP御礼ピッチングだ。花束の代わりに虎党から万雷の拍手が送られた。リリーフエースの藤川が、3点リードの八回、1回2奪三振でピシャリ。矢野と話し合い、フォークを多投。「もう一生ないでしょう」と自ら言ったメモリアルデーをパーフェクトな内容で飾った。

〔 写真:6月の月間MVPを受賞した藤川。疲れ知らずのセットアッパーの勢いは7月に入っても衰えない 〕


 「いや~、よかったです。投げるとは思ってなかったですけど」。

 試合前の受賞会見では、堂々とV宣言まで飛び出した。

 「優勝できる? (シーズン)最初からそう思っています。失速することはない。大丈夫だと思います」

 マウンド同様、頼もしく言い放った。断言するだけの裏づけもちゃんとある。4月の赤星、5月の金本に続いての受賞。猛虎勢が3カ月連続で選ばれるのは、18年ぶりの優勝を成し遂げた03年以来の快挙だ。6月は15試合に登板、3勝と8試合連続含む10ホールドを記録。先発投手らはいずれも3勝どまりで、藤川を活躍を凌げる者はいない。この日で10試合連続ホールドと自身の持つ日本記録は更新中だ。

 「ボクだけじゃなく全員の力で頑張っているから」と背番号22。右腕にかかる期待は「重いです」と自覚している。だが、期待が大きい分だけ、やりがいもある。優等生がこれからも白星に導き続ける。



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Last updated  2005年07月06日 06時35分50秒
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