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わずか5球!阪神・鳥谷、瞬殺先制タイムリー (セ・パ交流戦、日本ハム1-6阪神、3回戦、阪神3勝、12日、札幌ドーム)西岡が初球を狙い、大和が1ボールから送った。今季の攻撃型に鳥谷が応える。一回一死二塁。左腕・吉川の2球目を中堅に運んだ。トータルはわずか5球。電光石火の先制劇がさく裂だ。 「先に点がとれてよかった。初回から1、2番で作ってくれたチャンスで打ててよかったです」 打球は黄緑色の人工芝の上を弾み、西岡が生還。鳥谷は中堅手・陽の本塁送球を図り、二塁を陥れた。結果的に後続が倒れたが、相手の隙を突く貫禄のプレーだった。 三回の第2打席以降、四球、中飛、右飛だったが、今季一回に「H」ランプを灯せば14勝2敗1分け。日本ハムのアブレイユ、中田、稲葉が計1安打に終わったことを考えてもクリーンアップの差が勝利を決めたといっても過言ではないだろう。 「エース級に勝てた? …。エース級だからどう、というのはないですが…。対戦が少ない中で勝ってよかったと思う」 吉川は昨季14勝をマークし、防御率は1・71でタイトルを獲得。今季も5勝を挙げ、前回登板5日の巨人戦(東京D)では8回1失点の快投を演じていた。 阪神のスコアラー陣はこの日を前に吉川の弱点をあぶり出した。それはセットポジションになると直球の球速が落ちること。鳥谷が打ったのも、そのまっすぐだった。和田監督は「一回から五回までセットで投げさせることができたのが大きかった」としてやったりの表情を浮かべた。 ウニ、イクラ、ホタテ、トロなどに舌鼓を打つのも北海道遠征の楽しみ。しかし鳥谷は一足先に海の幸を堪能していた。8日のロッテ戦(甲子園)後。神戸市内のすし店に毎年合同自主トレをする井口(ロッテ)、竹原(オリックス)らで集まった。勝負の夏を前に闘争心をお互いに高め、その3日後に関空から札幌行きの飛行機に乗った。 開幕直後0割台と苦しんだ得点圏打率も2割半ばまで戻ってきた。メジャーへの夢を封印して挑む10年目。8年ぶりのVへ、期する思いがある。(阿部 祐亮)
2013年06月13日
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マートン2戦連発!阪神、今季2度目の5連勝 (セ・パ交流戦、日本ハム1-6阪神、3回戦、阪神3勝、12日、札幌ドーム)北の大地でも進撃や!! 阪神はマット・マートン外野手(31)の7号3ランなどで日本ハムに快勝。今季2度目の5連勝で札幌ドームでの連敗を4で止め、交流戦5年ぶりの勝ち越しを決めた。9日のロッテ戦(甲子園)のサヨナラ弾に続く2戦連続のアーチがまた勝利に直結。ホンマに、ホンマに、頼れる4番や~!! 北国のごちそうをさらにおいしくする一振り。ぶれない、きれいな軸回転のスイングで、大きく遠くへ飛ばした。マートンが昨年のパ・リーグMVP投手、吉川相手に勝利を引き寄せる一発。北の大地まで詰めかけた虎党の待つ右翼席に運んだ。 「スタンリッジがいいピッチングをしていたし、鳥谷が早い段階で、いい形で点を取ってくれた。自分も勝利に貢献することができてよかった」 鳥谷の一回の先制打で1点をリードしていた三回一死一、二塁。外角高めの直球を振り抜いた。9日のロッテ戦でのサヨナラ弾に続き、2試合連続となる7号3ランがチームを今季2度目の5連勝に導いた。 それだけではない。負の歴史もストップさせた。ここまで札幌ドームでは4連敗。北の大地で3年ぶり勝利となった。また、4年連続で負け越していた交流戦の勝ち越しも決定。限りなく大きな1勝だった。 前夜。札幌に降り立つと、メッセンジャー、スタンリッジらとともに焼き肉店で英気を養った。普段は「せっかく用意してくれたもの。もったいない」と外食せず、ホテルの会場で食事を済ませることがほとんど。だが、たまには仲間とその土地のものを食べる。「カニハ、アシタ」。札幌で毎年恒例にしている大好きなタラバガニディナーは13日の試合後に予定している。 「ホームランは意識せず、強くたたくことを考えている」 今季初の右方向への本塁打。セ・リーグ最多の214安打を放った2010年には4本が逆方向に飛んでいたが、11年には1本。不振の昨年は0だった。大活躍した来日初年度を思わせる打棒ぶりだ。和田監督も4番として十分の働きに最敬礼する。「マートンのここのところの活躍はチームの中心として、4番打者の仕事をしてくれている。この好調を続けてほしい」。 11日に統一球が飛ばないボールから飛ぶボールに変わっていたことが判明。世間を騒がせているがM砲は「それは数字を見れば明らかなこと」と実感。力まなくても飛ぶ-。だからこそ、自分のスイングを信じて集中できる。 「ホームランを打とうとすれば、力が入りすぎて打撃を崩す。センター方向を意識している」 あくまでヒットの延長と考えるが、これで本塁打を放った試合は8連勝。新たな不敗神話を築こうとしている。4番のバットが8年ぶりの頂点奪回につながる勝利へと虎を押し上げる。(山田 結軌)
2013年06月13日
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虎・マートン、神がかり!サヨナラ再奪首ダ~ン (セ・パ交流戦、阪神4x-3ロッテ、最終戦、阪神3勝1分、9日、甲子園)神様!! マートン様!! 阪神は1点を追う九回、マット・マートン外野手(31)が逆転サヨナラ6号2ラン。チームを4連勝&今季最多の貯金12に導いた。6日の西武戦(甲子園)でもサヨナラ弾を放ったばかり。虎党もM砲に拍手喝采だ。巨人が、楽天に敗れて首位を奪還した虎。Vへむかってチーム一丸や!! まるで再現VTRだ。完ぺきに捉えた打球は曇天に美しい弧を描く。4時間21分の激闘。デーゲームにもかかわらず照明灯が点灯される中で3日前と同じようにウイニングランを満喫。マートンがプロ野球タイ記録の月間2本目のサヨナラ弾をぶちかました。 「九回はラッキーイニングになってるんじゃないかと思います」 笑みが絶えないヒーローインタビューだった。1点ビハインドの九回無死一塁。守護神・益田の初球のスライダーを打ち損じてファウル。「タイミングが早くなっていた」と心を落ち着かせた。2球目。甘いスライダーにバットが反応した。左翼手の伊志嶺がすぐに追うのをあきらめた逆転6号2ラン。仲間とおなじみのポーズを決めて勝利の美酒に浸った。 前回6日の西武戦(甲子園)はスライダーを空振りした後、バットが折れていることに気づいて、交換。直後に劇弾を放った。3日後に訪れたデジャブのような状況。再び「ラッキーバット」とたたえた相棒を使って、快音を響かせた。 和田監督も「最後はクリーンアップがカタをつけてくれた。あれを一発で仕留めるというね」と最敬礼。主砲は第1、2打席には右前打をマークし、5月23日のロッテ戦(QVC)以来、今季12度目となる猛打賞だ。 敬けんなクリスチャンはグラウンド内外で救いの手を差し伸べる。遠征先の宿舎の食事会場。今シーズンから先発転向した榎田が制球に苦しんでいると、声をかけた。「四球を気にすることはない。ダイジョウブ!」。片言の日本語を交えて背中を押した。 昨年の自身と同じ左足の負傷から1軍復帰した新井良には「僕は1年間、気を遣いながらやったよ」とけが予防をすすめた。この日は、救済の一発でルーキー藤浪の聖地不敗神話を「14試合」に継続だ。「それは知らなかったけど、甲子園で(高校時代に)2度優勝しているし、プロで負けてない」。藤浪の昨夏の甲子園での快投はテレビ観戦していた。「彼をミニダルビッシュと言っていたんだ。小さいわけじゃないけどね」とほほえんだ。 宿敵の巨人が敗れ、1週間ぶりにてっぺんを奪取。貯金を今季最多の「12」とし、もうひとつの目標である交流戦Vへ、2ゲーム差のまま食らいつく。4連勝と勢いに乗る猛虎の快進撃はまだ終わらない。 「1位はうれしくないわけじゃない。でも、10月が終わったときに1位であることが大事」 求めるのは8年ぶりの優勝のみ。実りの秋に思いを馳せ、青い目の4番はチームの勝利のためにバットを振り続ける。(小松 真也)
2013年06月10日
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マートンが逆転サヨナラ弾! 阪神が首位浮上 (セ・パ交流戦、阪神4x-3ロッテ、最終戦、阪神3勝1分、9日、甲子園)阪神がサヨナラ勝ちで4連勝。1位巨人が敗れたため、再びセ・リーグ首位に浮上した。1点を追う九回にマートンが逆転の6号2ランを左翼席に叩き込み劇的勝利。先発の藤浪は六回途中3失点だったが、助っ人の一発に救われた。 マートンが2試合ぶりのサヨナラ弾だ。1点を追う九回に先頭・鳥谷が左前打で出塁。4番・マートンが益田の2球目スライダーを左翼席に突き刺し、逆転の一発で4時間を超える熱戦に終止符を打った。6日の西武戦に続く自身2本目のサヨナラ弾でチームを首位に導き、ルーキー右腕の黒星を消した。 藤浪は初回に2連続三振を奪うなど三者凡退の好発進。直後の攻撃で敵失も絡んで1点の援護をもらった。だが三回二死、3番・井口に投じた甘いストレートを左中間スタンドに運ばれ、1-1の同点とされた。 六回には右前打と2本の内野安打で無死満塁のピンチ。大阪桐蔭高の2年先輩・江村を二ゴロに打ち取り本塁-一塁と転送して併殺としたが、なおも二、三塁から代打・サブローに勝ち越しの左前2点打を浴び、1-3とされて降板した。 だが打線が直後に反撃。新井貴の右翼線二塁打を皮切りに二死一、三塁とし、代打・浅井良の中前適時打で1点差に詰め寄ると、九回土壇場の劇的弾で勝利をつかんだ。 藤浪のこの日の投球内容は5回2/3をプロ入り後ともに最多となる118球12安打、無四球5奪三振で3失点。二回以降は毎回のように走者を背負うピッチングだった。()
2013年06月09日
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連夜のサヨナラ決めた!虎・マートン神のお告げ弾 (セ・パ交流戦、阪神2x-1西武、最終戦、阪神3勝1敗、6日、甲子園)神様のお告げ弾!! 阪神のマット・マートン外野手(31)が同点の九回、左翼に来日初となるサヨナラアーチを放った。西武に2試合連続サヨナラ勝ちで、貯金は今季最多タイの「10」。交流戦も貯金「1」と白星先行だ。打席でバットが折れていたことに気づき、交換した直後に牧田のスライダーを運んだ。まさにミラクル、今年は優勝や!! ハッピーエンドのドラマは、何度見ても泣けてくる。左翼席に吸い込まれる白球が描いた感動のクライマックス。マートンが決めた!! ゆっくりと本塁を踏むとナインから頭を叩かれ、もみくちゃにされた。歓喜の輪の中、乱れた赤毛こそヒーローの勲章。虎が2戦連続のサヨナラ勝利だ。 「オオキニ!! 本当に勝てて最高の気持ちでいっぱいデス。(2戦連続のサヨナラに)イイデスネ!! モウイッチョオネガイシマス!!」 球団通算100号となるサヨナラ弾に興奮を隠しきれない。敬けんなクリスチャンに“お告げ”があった。1-1で迎えた九回の先頭。牧田の初球のスライダーを空振りした。「!?」-。異変があった。 「前の打席(第3打席、遊ゴロ併殺)で詰まったときに割れていた。空振りでバットの向きが変わったときに気づいたんだ」 球審に訴えてバットをチェンジ。スプレーをかけて再び打席に入った。直後の外角スライダーをとらえて今季5号、来日4年目で初となる劇弾を運んだ。折れたバットなら真芯でとらえても、スタンドに運ぶなんて到底無理だった。 「ラッキーバットだよ。こんなことが起こるなんて思っていなかった。上で誰か(神様)が見ていてくれたのかな」 昨年5月28日の西武戦(甲子園)で完封負けを喫した難敵・牧田を沈める一発に和田監督も「最後は4番がしっかりと決めてくれた。リストの効いたいい打撃だった」と最敬礼を示した。 「ことし悪ければ引退」と悲壮な覚悟で臨む来日4年目。昨年の自分を重ねるのか、新外国人・コンラッド(2軍)に助言を求められれば、分厚いノートを開いてアドバイスを与える。質問を受けると、身ぶり手ぶりのベースボール談義が過熱。2月の沖縄キャンプ中に食事の席をもった和田監督も「野球の話をしゃべり出したら止まらないんだよなぁ…」と頭をかいたほどに、心の充実ぶりが目立つ。水谷チーフ打撃コーチも「本当にようやっとるよな」と目を細めた。 4番の大仕事で、チームは交流戦の勝ち星を1つ先行させた(9勝8敗1分け)。貯金も今季最多タイの「10」に戻した。首位・巨人も勝ち、ゲーム差0・5は変わらないが、勢いは虎にある。 マートンは「チームもいい状態が続いているし、あさって(8日)も勝てるようにがんばりマス!!」と、最後にまた虎党を沸かせた。こちらが言いたい。オオキニ!! マートン!!(栃山 直樹)
2013年06月07日
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怒りのサヨナラ打!虎・西岡、桧山敬遠「燃えた」 (セ・パ交流戦、阪神3x-2西武、3回戦、阪神2勝1敗、5日、倉敷)西岡、燃えてサヨナラ打!! 阪神は同点の九回一死一、三塁、西岡剛内野手(28)が右前へサヨナラ打を放ち、西武に勝利。直前に代打・桧山が敬遠されたことでリードオフマンは発奮。リーグ優勝した2003年にマジックをセ界最速点灯させた倉敷の地で劇勝を呼び込んだ。 染めたての茶髪が逆立っていた。九回一死三塁から、目の前で桧山が敬遠された。悔しさ、怒り、情けなさ…。すべての感情をのせた打球は、二塁手の頭上を越えた。西岡が今季2度目のサヨナラ打。ヘルメットを放り投げると、チームメートから手荒いウオーターシャワーの祝福。ズブ濡れとなったブラウンヘアがきらめいた。 「僕も歩かされると思っていた。状態を考えると僕と勝負ということなんでしょう。あそこで燃えないと、どこで燃えるのかという話ですよ。来た球を気持ちでいくしかないと思った」 そこまで2三振を含む4打席で凡退。ロッテ時代の2005年8月9日の日本ハム戦(千葉)以来となる目の前での敬遠だった。 この試合前まで5試合でわずか2安打。左足に痛みをかかえ、途中交代となった試合もあった。万全でないのは明らか。お立ち台では「3割切った西岡です」(打率・299)と自虐的に口にしながら、「痛くない。もしも痛くて歩けない場合はヤジって下さい」。それでも、西武の選択は桧山や後ろの大和より「西岡勝負」だった。 だが、虎のリードオフマンが打席ごとに“進化”していた。1打席目で空振り三振に倒れた次打席。上げていた足をノーステップへと変えた。「応急処置。打てないなら何かやらないといけない」。微調整を加え続け、臨んだ第5打席。普段よりバットを“寝かせた”。西武・大石の直球対策だった。水谷チーフ打撃コーチも「ああいうことができる奴」とうなった即興の適応力で、3球目の147キロを芯でとらえた。 前日4日の移動日には黒髪を染め上げ、気分転換。さらに試合前、懐かしい顔との再会も発奮材料となった。2008年北京五輪の野球日本代表で、選手とスタッフとしてともに戦った元阪神・三宅博スコアラーが球場を訪れた。三宅氏から「よくチームを明るく変えてくれた」と褒められた。うれしかった。「阪神はいいチームですよ」と白い歯がこぼれた。 背番号7の活躍で、チームは今季4度目のサヨナラ勝ち。交流戦成績も五分(8勝8敗1分け)に戻した。倉敷マスカットスタジアムではこれで5連勝。リーグ制覇した2003年7月8日にはセ最速のマジックを灯した地だ。 巨人も勝ち、0・5差のまま。再奪首とはならなかったが、西岡は「あしたもきつい試合があるが、甲子園でも暴れていきたいと思います!」。虎党を沸かせて、お立ち台を降りた。“ブラウンタイガー”が、次の獲物を求めて、聖地に向かう。(栃山 直樹)
2013年06月06日
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祝!和田虎“奪首”や!鬼采配実った (セ・パ交流戦、ソフトバンク3-4阪神、3回戦、阪神2勝1敗、2日、ヤフオクドーム)鬼さい配で首位奪取や!! 阪神・和田豊監督(50)は0-2の七回一死二、三塁で、新井良太内野手(29)に「代打・今成」のコール。指揮官の期待に応えて今成は犠飛。このあと代打・桧山、柴田が適時打で続いた。執念のさい配で逆転勝ちし、西武に敗れて5連敗の巨人に代わって昨年4月19日以来の首位に立った。このまま突っ走るで!! 博多湾から歓喜の汽笛が鳴る。鬼と化した和田監督の執念タクトが、逆転勝ちを呼びこんだ。ゲームセットから1分後、時を合わせるように朗報が舞い込む。巨人が負けた-。虎が首位奪取や!! 「(巨人も)試合終わったの? でも、まだ6月頭のこと。今は、この交流戦を1試合1試合勝っていくことに集中してやっていく」 和田監督は冷静に振り返ったが、これほどの快感はない。問答無用、無情、冷徹…。振ったサイコロすべてが吉と出た。 初対決のパディーヤになすすべがなく六回が終わった。5月14日の交流戦開幕戦のオリックス戦で、同じく初対戦のディクソンに7回無失点と封じ込められ、完封負けを喫した悪夢が重なる。 「勝負に出よう! 勝負に出よう!」 将の声がベンチ内に響いたのは、0-2で迎えた七回。マートン、新井の連打などでつかんだ一死二、三塁の好機だ。この日の第2打席まで10打席無安打の新井良に初めて代打をおくり「今成」をコール。昨季途中から4番に指名し、今季開幕4番を務めた男だ。スタンドのどよめき-。 これが反攻の指笛となった。将の期待に応えて今成は左犠飛。追い上げムードが沸騰し、次は藤井彰に代えて「代打・桧山」。二死二塁から“神様”の適時二塁打で同点となった。「難しい決断? ベンチにいる選手が、しっかりと期待に応えてくれた。(桧山は)またチャンスを作ってくれた」。「静」もズバリだ。二死二塁からは2打席2三振の柴田をそのまま打席に立たせ、右前への決勝点が生まれた。 “鬼将”と化した采配での白星。藤浪を初めてイニングの途中で降板させたことや、勝ち試合のセットアッパーとして期待される筒井を、追う展開で投入したシーンにも当てはまる。 巨人を“まくって”の首位奪還。「我々の現役のころはな…」と回顧したことがある。全国放送が、まだ巨人戦しかなかった時代。自分を“売る”ためには、対Gの舞台で活躍するしかなかった。節目の1000安打も、1994年に4シーズンぶりに放った本塁打も、そして引退試合(2001年)も巨人戦だ。監督となっても思いは変わらない。「選手全員が巨人に強い気持ちをもって臨まないといけない」と呼び掛けてきた。 その宿敵が敗れ、昨年4月19日以来、409日ぶりとなる首位。和田監督は「まだ6月頭」というが、それでも虎党は夢を抱く。このまま突っ走れ-。その先に、8年ぶりの栄光のフラッグがはためく。(栃山 直樹)
2013年06月03日
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歓喜のシャワー!虎・マートン来日初サヨナラ打 (セ・パ交流戦、阪神2x-1日本ハム、1回戦、阪神1勝、25日、甲子園)執念で勝った! 執念の逆転サヨナラや!! 阪神は0-1の九回、武田久の暴投で同点とし、マット・マートン外野手(31)が来日4年目で初となるサヨナラ打。満員の聖地で劇的勝利を挙げ、ファンもナインも狂喜乱舞だ。今季最多タイの貯金9。首位巨人を2ゲーム差でピタリと追走だ。和田虎の強さは本物や!! 鋭く振り抜くと打球は右中間へ。白球が芝生の上で弾む。虎の安打製造機のひと振りが、苦しい戦いにピリオドをうった。マートンが来日初のサヨナラ打。虎党から大歓声、ナインからはペットボトルの水-。手荒い祝福を受けると、最高の笑顔が弾けた。 「楽しかったよ。サヨナラを打ったのは日本で初めてなので、最高の気分だよ。(米国では)マイナーではあったかもしれないけど、メジャーではない。なかなかサヨナラの機会に回ったことがないからね」 今季3度目の聖地でのお立ち台。4万6308人を飲み込んだ聖地で、まばゆいばかりの輝きを放った。0-1の九回、マウンド上は日本ハムの守護神、武田久だった。 チームは勝利への執念をみせた。先頭・浅井が死球で出塁し、流れが変わった。武田久の暴投で同点においつき、その後、一死満塁。鳥谷が浅い左飛に倒れ、チャンスはしぼんだかと思われた。しかし、ここまで4打席無安打の男が、外角140キロの直球を弾き返し、来日初の劇打だ。 「気持ちよかったよ。武田投手の腕の出方が他の投手と違った。慣れるのに時間がかかったよ」と苦笑いしながらも、アジャストしてみせた。 総力戦だった。野手ではベンチにコンラッドが控えているだけ。和田監督も「延長に入るとコンラッド1人だったし、キツイかなというのがあったけど、よく決めてくれた」と危機を救った助っ人に最敬礼だ。 試合前にも感謝されていた。聖地入りした日本ハム・ホフパワーがあいさつに訪れた。カブスの3A時代の同僚。M砲は2011年にホフパワーが日本球界入りする際、電話やメールなどで日本野球の配球などをアドバイスしていた。今季47試合で打率はリーグ3位の・355で4本塁打、27打点。開幕前に左太もも裏を痛め、成績不振に陥った昨季とは違う。「(昨季は)1年間はやっぱり気を使いながらやっていたよ」。ホフパワーにもカッコイイ姿をみせることができた。 劣勢を跳ね返し、今季3度目のサヨナラ勝ちで、5月の月間勝ち越しも決めた。今季最多タイの貯金「9」で、巨人とのゲーム差は「2」のままだ。「勝っているチームでプレーするのはいいことだし、いつも球場に来るのが楽しいよ」。 お立ち台では粘りの投球を見せたエースに向けて「ノウミサン、スキデスネ。アイシテルゥゥノウミサン!!」と叫んだM砲。虎党も頼りになるマートンは大好きだし、愛している!!(西垣戸理大)
2013年05月26日
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和田虎17安打も“魔さか”6-1から痛恨ドロー (セ・パ交流戦、ロッテ6-6阪神=延長十二回規定により引き分け、1回戦、1分、22日、QVCマリン)17安打でなぜ勝てん!! 阪神は五回までに6-1とリードしながら、延長にもつれこみ、痛恨のドロー。今季2位タイの17安打を放ちながら、6得点止まり。14残塁という拙攻の山を築いた打線について、和田豊監督(50)は「もう1点とっておかなきゃ、こういうことになる」と自戒を込めた。 今季両リーグ最長の5時間12分の死闘を終えたナインはベンチからしばらく姿を現さなかった。選手たちの足どりは重く、表情が消えていた。17安打も放ちながら、勝てなかった。なぜなのか。安全圏と思われた5点のリードすらも消し去る痛恨のドローだ。 「とれるところで、もう1点をとっておかなきゃ。こういうことが起こるということやね」 和田監督は憤りを隠しきれない口調だった。イヤな予感が的中した。中盤に柴田のプロ1号3ランやマートンの一発が飛び出すなど逆転に成功。しかし、それ以降ホームを踏めなかった。17安打を放ち、6得点も14残塁。六回以降はゼロ行進で、5度の得点圏で残塁がなんと12。粘りを欠き、天を仰いだことに疲労が何倍にもなった。 6-1の六回。一死一塁で日高の右前打で一走・新井良が三塁を狙って憤死。その裏に先発・榎田が井口、今江に連続本塁打を浴びるなど2点差に詰め寄られた。雲行きが怪しい中、指揮官が振り返ったのは八回一死一、三塁の場面だ。 「意図していることができなかった」 大和がセーフティースクイズを試みるも、ボール球に手を出し、投前に転がった。三走・柴田は本塁突入できず、くぎづけ(記録は投前犠打)で結局、無得点。サインの伝達ミスの可能性もあり、疑問だらけのプレーだった。 久保が井口に同点2ランを許した九回は鈴木の死球判定をめぐり、工藤球審に猛抗議する場面もあったが、拙攻の山にむなさしが残る。そして延長十一回二死一、二塁で新井良が左前打を放つも、二走・鳥谷が本塁憤死。左翼・荻野貴の送球がそれるのを願う“ギャンブル的な”突入も、タイミングはアウトだった。 「柴田の初本塁打? そういうときは勝って祝ってやりたかったけど」と指揮官はつぶやいた。 流れに乗れない。逃げきれない。完全なる勝ちパターンを落とした。さらに先発メンバーの新井、日高が負傷退場と泣きっ面にハチ。踏んだり蹴ったりの事態だ。首位・巨人が楽天に敗れたため、2差に縮まったが、喜べるはずがない。「点をとっておけば」と問われた黒田ヘッドコーチも「そやなぁ…」と静かに答えた。 シーズンを終えた時、このドローが頭をよぎるようでは絶対にいけない。“幕張の悪夢”をどう生かすか。チャンピオンフラッグを奪うには、今のままではいけない。(阿部 祐亮)
2013年05月23日
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マー君G斬り!開幕7連勝&今季初完投 (セ・パ交流戦、楽天2-1巨人、1回戦、楽天1勝、22日、Kスタ宮城)楽天・田中将大投手(24)が22日、巨人1回戦に先発し、12球団単独トップの7勝目を挙げた。7安打8三振1失点で今季初完投し、2-1の勝利に貢献。1988年度生まれの同学年、坂本勇人内野手(24)との対戦は2三振を含む4打数無安打に封じた。自身最多タイの開幕7連勝(2009年)、さらに昨季からの自己最多連勝を11に伸ばした。チームも交流戦首位タイで、パ・リーグ2位に浮上した。 田中がマウンドで火花をバチバチ散らした。1点リードの八回二死一、三塁。打席には同学年の坂本だ。初球、141キロの甘いフォークが高めに浮く。結果は右飛。田中は苦笑いでマウンドを降りた。 「フォークが抜けてど真ん中に入った。打ち損じてくれて僕に運がありましたね。1本でも安打を打たれると、後でうるさいのでよかった」 幼なじみをしばいた。小学時代は共に兵庫の昆陽里(こやのさと)タイガースで、当時捕手の田中は坂本とバッテリーを組んでいた。その相手を1打席目は三ゴロ併殺打、2、3打席目はいずれも見逃し三振に仕留め、今季最多(歴代2位)の2万1354観衆をくぎ付けにした。 波乱のスタートだった。一回、先頭の長野に144キロの真ん中高めツーシームを一撃され、左越えに7号ソロを被弾。イヌワシ党には嫌なムードが漂った。 「先頭打者本塁打を打たれたのは人生初めて。(マウンド上で)ああやっちゃったな、初めて打たれたな、と思った」 しかし、ここから沈まないのが今のマー君。この日は「力まず投げよう」と目標設定し、MAX150キロの直球を軸に、変化球も丁寧に低めに集めた。視察した大リーグのヤンキース、レンジャーズのスカウト陣の前で計113球、8三振を奪ってリズムある投球を披露した。 気がつけば、またも88年会の同学年との先発対決を制した。初の投げ合いとなった沢村は六回途中2失点降板。「もちろん(意識は)しました。でもいい具合に力が抜けて、力まずスムーズに投げられた」と、同学年相手はこれで11戦10勝負けなしと貫禄をみせつけた。 登板8試合目での完投はプロ入り後、一番遅い記録だが、自身最多の開幕7連勝(2009年)に並んだ。昨季からの自己最多連勝も11に更新し、チームは3連勝。今季初の貯金4でパ・リーグ2位浮上に貢献した。星野監督も「しょっぱなから本塁打を打たれたけど、その後は低めに丁寧に投げた」と快投をねぎらった。 「開幕から(自身)7連勝? シーズンが終わるまで続けていきたい」 マー君からは“全勝宣言”も飛び出した。東京から自社ヘリで駆けつけた三木谷オーナーにも雄姿を披露。交流戦はあと3試合に登板予定で、エースが球団初となる交流戦Vに向けてフル回転する。(広岡浩二)
2013年05月23日
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虎・藤井彰、渋くつないだ!口火&おぜん立て (セ・パ交流戦、西武5-10阪神、1回戦、阪神1勝、19日、西武ドーム)反撃の口火となるタイムリーに、ビッグイニングのおぜん立て。藤井彰がキッチリとバットで仕事をした。 「最低でも外野フライで、ヒットでつなぎたいと思っていました。(右方向へは)真っすぐを狙っていたのですが、それがキレていたので…」 2点を追う二回無死満塁。涌井の初球直球を見送ってボール。外角直球をファウルした。今季の藤井によくみられる、徹底した、右方向へのおっつけ。続く内角高めへの139キロシュートをしっかりと呼び込み、流し打った。右翼手・坂田が突っ込むも捕球できず、三走・新井が生還。11日のヤクルト戦(松山)以来、5試合ぶりに打点をマークした。 「DH制なんで、後ろにつなげられたら、何とかなる」 ビッグイニングとなった四回には無死一塁の第2打席でも左前打を放ち、4点目のホームイン。その後、2連続犠打と見事なつなぎ役を演出した。プロ15年間のうち12年間、パ・リーグ(近鉄、楽天)で飯を食ってきた。交流戦への“違和感”はない。先発・能見の乱調についても「ボールがいつもより高かったですね」と振り返るも悲観する様子は一切なかった。 今季打率・290、1本塁打、13打点。自己MAXの打撃成績を残す1年となりそうだ。(紙面から)
2013年05月20日
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虎・筒井、4戦連続0封!乱打戦鎮めた (セ・パ交流戦、西武5-10阪神、1回戦、阪神1勝、19日、西武ドーム)「2番手投手は第2の先発」-。先発が崩れた時、長いペナントを戦う上で忘れてはいけない“法則”を、守れなかった西武が地獄に落ち、守った阪神が逆転勝ちした。守れたのは、筒井のおかげだ。 「気持ち的には2点差だと思ってマウンドにいきました。ただ、直前に2点の追加点をもらって、楽には投げられましたけれどね」 先発・能見が5回5失点の乱調。筒井の出番、六回からの登板直前に新井の2ランが飛び出し、2点差が4点差に。そんな打線の援護を受けて、余裕の投球だった。 まずは連続三振で始まる三者凡退。続く七回も三者凡退で、2回を6人斬り。能見、涌井というリーグを代表する投手が、まさかのどつき合いを“演出”してしまい、どうなることかと思われた試合を、ビシッと締めた。相手2番手・坂元が準備不足もあって押し出し、タイムリー二塁打で逆転を許したのとは好対照だった。 微妙に低いマウンドも、降板した先発投手の好アシストがあった。 「能見さんが『違うぞ』と言ってくれていたので、心づもりはできていたのが良かった」 今季は13試合目の登板で、点を失ったのは11日のヤクルト戦(2失点)だけ。以降は4戦連続で無失点を続けている。ちょっぴり不安が残る救援陣の中で、加藤とともに左腕コンビが踏ん張っている。 前日(18日、ソフトバンク戦)は鶴が好救援した。中継ぎにも日替わりのヒーローが現れる。虎投のムードがどんどん良くなっていく。(上田 雅昭)
2013年05月20日
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虎・和田監督、凡走に絶句…柴田を懲罰交代 (セ・パ交流戦、西武5-10阪神、1回戦、阪神1勝、19日、西武ドーム)大味となった展開に埋没させてはいけない。試合後の記者会見。矢継ぎ早の質問に即応していた和田監督の口が、止まった。柴田の走塁ミス。これは、見逃せない。 「…。コメントのしようがない」 指揮官を絶句させた場面は、4点リードで迎えた七回だった。一死二塁から柴田は中前に弾き返すも、本塁へ送球が届くと見込んでしまった。二走の坂は、三塁でストップしていたにも関わらず、だ。状況把握を怠った柴田は二塁を狙うも、返球がカットされ、憤死となった。 これには久慈内野守備走塁コーチも「考えられない。アレじゃダメ。二走の動きを見ていない」とバッサリ。あきれ顔で振り返った。 DH制により、今季初スタメンに抜てきされたプロ5年目だったが、逆に信用を失う結果に。すぐさま、その裏の守りでは田上と交代させられる“罰”も…。柴田は「一つ先の塁を狙うことは考えないといけないが、判断ミスだった」と、大勝の試合後にひとりうなだれた。 和田監督はキャンプから『走塁革命』を掲げ、常に次塁への意識を徹底させてきた。だが、果敢な走塁と“暴走”では、まったく意味合いがちがう。俊足を売りにする外野手のボーンヘッドだけに、指揮官の怒りも当然といえる。 「次にチャンスをもらえたら、ミスをなくしたい」と柴田。2連勝の中で看過してはいけないプレー。それを、指揮官の“ノーコメント”が表わしていた。(栃山 直樹)
2013年05月20日
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虎・鳥谷、逆転V2点打!ビッグイニング主役 (セ・パ交流戦、西武5-10阪神、1回戦、阪神1勝、19日、西武ドーム)クールな男の活躍に勝利の女神がうっとりするのは無理もない。鳥谷が逆転2点二塁打を放ち、猛虎に流れを引き寄せた。打点を挙げれば、今シーズン9連勝。“勝ち運データ”がまたひとつ、積み重なった。 「タイミングがあったらいこうと。つないでという状況だったので、なんとか打ちたかった」 3点を追う四回だ。2連続押し出し四球で1点差に迫り、なおも無死満塁の好機。狙っていた。制球に苦しむ2番手・坂元の初球。ストライクがほしい投手心理を読んで、低め136キロ直球をジャストミートだ。鋭い打球は右翼線を襲い、あっという間にフェンスに到達。自身2戦連続の適時打はシーソーゲームに“終止符”を打つ決勝打となった。 4月中には一時、0割台に沈んだ得点圏打率も・205(44打数9安打)まで上昇。もちろん、まだ物足りないが勝負強さは戻りつつある。一挙5点のビッグイニングはわずか2安打だっただけに、鳥谷の一打が際立った。 2年連続のフルイニング出場を目標に掲げる背番号「1」のこだわりは足元にも行き渡る。ゲームで使用するナイキ社のスパイクは3種類。なかでも、この日も履いていた人工芝用は今季から初めて導入した。米国で人気を集める歯がプラスチック製の“相棒”だ。 きっかけは2013年ワールド・ベースボール・クラシック。侍ジャパンのメンバーでメジャー経験者の松井(現楽天)が愛用していたことだった。先輩内野手に使い心地を聞くと、すぐさま「同じやつを作れないですか」と担当者に依頼。黒土よりも足に負担のかかりやすいグラウンドに適した一品を手に入れ、「だいぶ楽。疲れにくくなった」。細部にまで神経を注ぎ、戦いの場に立ち続けている。 「応援が後押しになります。(交流戦の)借金があるので、あした勝って、千葉に行きたい」 ヒーローインタビューを力強く締めくくった。西武ファンだった少年時代、何度も駆けつけた球場のスタンドには大勢の虎党-。感謝の思いを胸に次戦を見据えた。(小松 真也)
2013年05月20日
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虎・新井、火の出る2ラン!大乱戦制した (セ・パ交流戦、西武5-10阪神、1回戦、阪神1勝、19日、西武ドーム)大乱戦で打ち勝った!! 阪神は新井貴浩内野手(36)の7号2ランなどで今季交流戦初の連勝。ここまで5戦5敗を喫していた西武・涌井から初勝利を挙げた。新井は攻略の口火を切る安打と勝利を決定づける一撃。前日のソフトバンク・摂津に続いてのパのエース級撃破で、虎が再加速や!! 左翼席へと弾丸ライナーが飛んでいく。火の出るような打球がレオ党の悲鳴を切り裂いた。息をのむ間もなく、白球はスタンドへと着弾。新井が奏でた快音に西武ドームにつめかけた虎党が酔いしれた。 「よかった。(本塁打は)まあ、追い込まれていたし、何も考えていなかった。しっかりスイングできたからよかった」 帰りのバスへとつながる長い階段。一段一段上がりながら、穏やかな表情で振り返った。 序盤から点の取り合いとなった。六回を迎えたところでリードは2点。大乱戦ムードが充満する中、心許ない点数だ。だが、新井が空気を変えた。 二死一塁。カウント2-2から3番手・岩尾の投じた132キロのシュート系のボールを振り抜き、左翼席へと軽々運んだ。リードを4点に広げる一撃。試合後の和田監督の言葉は実感がこもっていた。 「(四回に)すぐひっくり返せたのと、新井の2ランが大きかった」 これだけではない。0-2と先制された直後の二回。カウント1-1から西武先発・涌井の3球目を中前へと弾き返した。獅子のエースには2008年から5戦5敗。登板される度に勝ち星を献上していた。 3年ぶりとなる対決。チーム初安打となる一振りで嫌なムードを振り払うと、猛虎が反撃開始した。二回に2点を奪うと、四回は猛攻。イニング途中で涌井をマウンドから引きずり降ろし、初めて黒星をつけた。前日に甲子園でソフトバンク・摂津を粉砕したのに続き、連日のパ・リーグのエース級攻略だった。 基礎を見つめ直したことが、いまにつながっている。今季の開幕、右肩痛のリハビリなどで出遅れた。右の代打として出番を待つ毎日。そんな日々だからこそ、大事にしたことがある。試合前の打撃練習。ティー打撃の際、開幕直後は手投げのティーではなく、スタンドティーを黙々と打ち続けた。 「横から投げてもらうボールだけ打っていると体が開く癖があるから、それの矯正だね。体が開かないように」 狙いがあった。高橋光打撃コーチに1球ずつ置いてもらい、狙いを定め、スイング-。基本を繰り返した。開く癖を修正し、土台を作り上げた。その結果が、42試合で打率・299、7本塁打、26打点の数字になってあらわれている。 「(成績を)しっかり積み上げていきたい。いいスイングはできている」 3連敗から始まった交流戦はパ・リーグを代表する2投手を打ち砕いて初の連勝。首位・巨人との差は再び2・5。和田虎が再進撃へと加速する。(西垣戸 理大)
2013年05月20日
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一発放てば7連勝中!虎・鳥谷“神話”トドメ弾 (セ・パ交流戦、阪神9-5ソフトバンク、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)連敗脱出を決定づける放物線が左翼席へと描かれた。鳥谷が若鷹軍団にトドメをさし、“神話”をまたひとつ伸ばした。 「追加点のほしい場面で打ててよかったです」 3点リードの六回二死一塁。2番手左腕・川原が投じた外角高め直球に逆らわず、白木のバットを反応させた。11日のヤクルト戦(松山)以来、5試合ぶりとなる4号2ラン。昨年9月15日の巨人戦(東京D)でホールトンに一発をお見舞いしてから、鳥谷が本塁打を放った試合は7連勝。甲子園では3年ぶりとなる両軍7発の空中戦を制した。 「逆方向を狙っていた? いえ、そんなことないですよ」 投失で出塁した一回には、大和との重盗を成功させた。さらに二回一死二塁では摂津から右翼線に適時二塁打を放ち、計3打点。和田監督は「きょうはみんな塁に出て走ってチャンスが広がった。鳥谷がしっかりと打ってくれた」と目を細めた。一時、得点圏打率0割台だったキャプテンが着実にリズムを取り戻し、交流戦4戦目にしてようやく“初日”が出た。福留や福原、藤浪ら主力が故障で欠いているが、頑丈な背番号「1」に心配は無用。クラブハウスに戻る際、実に頼もしいコメントを残した。 打って走って相手のスキもつく快勝に「毎日やっていることなんで」とサラリ。タフな主将に成長した鳥谷が虎をけん引する。(阿部 祐亮)
2013年05月19日
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お見事!阪神・新井、スキつく足攻ホームイン (セ・パ交流戦、阪神9-5ソフトバンク、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)泥だらけになったユニホームが、誇らしげに映える。大きな体を懸命に揺らし、三塁を蹴った。暴投の間に二塁から一気にホームイン。じりじりとにじり寄られるイヤな空気を、主砲が「足」で変えた。 「(ボールが)一塁ベンチの方にいってくれて、角度的にいけると思った。大きく弾いたんでいくつもりだった」 6-4で迎えた五回、先頭打者で四球を選んだ。二死から今季2度目の盗塁成功。藤井彰に対する川原の5球目のスライダーがワンバウンドすると、捕手の細川が大きく一塁側に弾いた。二走の背番号25は三塁を迷わず蹴り、そのままスライディングで生還。ベースを左手でタッチすると勢いのまま体を一回転させた。貴重な追加点を呼び込んだ。 西岡、新井良、鳥谷の3発を「そのどれもが大きかった」と目を細めた和田監督が、もっとも称えたのが、この走塁だった。小嶋の乱調で2点差に迫られ、雲行きが怪しくなっていた。「スチールと暴投でかえった新井のあの1点が大きかった」と最敬礼だ。 一回の重盗も含めて、2006年6月14日の楽天戦(フ宮城)以来となる、1試合5個の盗塁を記録。指揮官は「ミーティングでも、スキあらば行こうという話をしていた。きょうやっとタイガースらしい、ことし目指すものが出せた」と続けた。大和、鳥谷、俊介は想定の範囲内だが、クリーンアップを打つ新井も次の塁を狙っていく。和田野球の浸透度を示している。 連続試合安打は「13」でストップしたが、チームの連敗を止めた新井は「スキあらば、というところでね。常に先の塁を狙っているから」と将と同じ言葉を口にした。ソックスをたくし上げたオールドスタイルで疾走するA砲の足も、虎の大きな武器となる。(栃山 直樹)
2013年05月19日
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阪神・大和、“瞬間3割”2盗塁&3得点! (セ・パ交流戦、阪神9-5ソフトバンク、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)大和が止まらない。しぶとく安打を生み出すバットと、どん欲に次の塁を狙う足が連敗を止めた。“瞬間3割”に2盗塁3得点。ド派手な3発に目を奪われていては、2013年の猛虎は語れない!! まずは一回。先頭打者弾の余韻さめやらぬ中、右前にシブく落とす。前日(17日)からの連続打席安打を「4」に伸ばした後、鳥谷の敵失で膨らませた一、二塁からが、実はこの日の「足攻」のクライマックス。マートン三振の時に、見事、鳥谷と重盗を決めた。 「走るチャンスがあれば、積極的に行こうと思っていました」 対戦の少ないパ・リーグの投手だったが、大和は平然と言ってのけた。 「二塁ベース上でタイミングを図っていたんで。いいスタートが切れました。スコアラーさんも分析してくれていたので、(データを)頭に入れていましたから」 新井良の満塁弾に直結する奇襲だった。 連続打席安打を「5」に伸ばした二回の左前打ではすぐに二盗を決め、今季7盗塁目(リーグ6位)。鳥谷のタイムリー二塁打を呼び、六回には四球を選び、またまた鳥谷の2ランを呼んだ。自慢の快足が、タテジマに大量点をもたらした。 今季は開幕戦4安打でスタートしながら、ズルズル打率が下降して、4月18日には・234。でも、そこから盛り返して、この日2本目の安打を放った時点で・302と“瞬間大台”に。最終的には・299だが、この復元力はハンパじゃない。猛虎が頑張っているのは、2番が元気だから-。若虎がチームをさらに押し上げる。(上田 雅昭)
2013年05月19日
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西岡、虎1号!連敗中のうっぷん晴らしや (セ・パ交流戦、阪神9-5ソフトバンク、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)チームに漂う沈滞ムードを一発で振り払った。高々と上がった打球は浜風に乗ってグングン伸び、左翼ポール際に着弾。西岡がベンチ前でのお決まりのポーズの中心に初めて立った。 「1打席目にインパクトのあることをやりたいと思っていた。藤井彰さん、能見さんがホームランを打って僕だけ取り残されている感じだったので、やっと打ててよかった」 11打席安打がないまま入った一回の打席。ソフトバンク先発は沢村賞右腕の摂津だ。0-1からの2球目。外角の直球を一閃。観客席も、ベンチも心待ちにしていた虎1号だ。日本では2010年10月9日のCS西武戦(西武D)以来。先頭打者アーチは同年9月20日の楽天戦(Kスタ)以来、通算18本目だ。得意の先制攻撃で、主導権を引き寄せた。 交流戦に入り、3試合で内野安打1本だった。リードオフマンの不振がチームの3連敗につながった。この日の試合前練習はグラウンドに姿を現さず、自ら志願をして、水落打撃投手と室内練習場でひたすら打ち込んだ。 「室内なんか行っていないですよ。神社に行って手を合わせて来ただけですよ」 テレ笑いのスピードスターはジョークで真相を隠したが、必死だった。連敗中は「(記事で)叩いといてください」「毎回、負けた後のコメントが同じなのが情けない」と真正面から敗戦を受け止め、批判の対象に名乗り出ていた。それだけに大観衆の賞賛が心地よかった。 バットを変えていた。「最近疲れてきたし、打てていないので気分転換に」。920グラムのバットを使用していたが、880-890グラムに変更。バットを軽量化したことで、気分も軽くなった。 「連敗を3で止めたのは大きい。弱いチームは5、6連敗もしてしまうから。ましてや相手のピッチャーが良かった。これを自信にしたい」 1番が打てばチームが変わる。観戦に訪れた仲がよいタレントのたむらけんじも大喜びだった。背番号「7」が交流戦巻き返しの先頭に立つ。(紙面から)
2013年05月19日
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連敗脱出や!虎・良太、プロ初の満塁弾! (セ・パ交流戦、阪神9-5ソフトバンク、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)連敗止めたった!! 阪神・新井良太内野手(29)がソフトバンク戦の一回、左翼へ4号満塁弾を放ち、連敗を3で止めた。6番降格に発奮し、プロ初のグランドスラム。交流戦初勝利をもたらし貯金を「7」に戻した。ここから一気に駆け上がるで!! 浜風に乗った。大歓声に乗った。何より、新井良の気持ちが乗った-。白球が左翼席最前列に着弾すると、真っ黄色に染まった甲子園は狂喜乱舞。プロ初…いや、人生でも「記憶にない」満塁弾が沈みかけた虎に交流戦初白星を運んだ。 「しょっぱい打席が続いていたんで、気合で打ちました!」 4万超の視線を集めたお立ち台。並んだ1歳年下の西岡から「きょう打たんでいいんちゃう? という感じでした」といじられたが「僕のことを先輩と思っていない。同級生みたいな関係」とニヤリ。鮮やかな先頭打者弾を放った後輩を嫉妬させた打席は一回だ。1点を先取し、なおも一死満塁の絶好機だった。 「ここ最近、真っすぐを打ててなかったので、そういう面ではしっかりと捉えられてよかった」 昨季の沢村賞投手・摂津の6球目だ。外より高めの139キロ直球をコンパクトに上からたたいた。5日のヤクルト戦(甲子園)以来、38打席ぶりの4号グランドスラム。ダイヤモンドを一周し、ホームベース上で両拳を握りしめた。第2打席も左前打で復調ムード。和田監督も「好機を広げて1点で終わると、また向こうに流れが傾くところ。よく打ってくれた」と目を細めた。 俳優・高倉健の名セリフ「自分、不器用ですから…」を地で行く男だ。ネット社会が進む現在、パソコンは持たず「1度もキーボードを叩いたことがない」と笑う。最近、機種変更したスマートフォンも電話とメール機能しか使わない。1人暮らしの自宅で手料理をすることもない。「俺は古い人間じゃけぇ…」。そんな良太が復活を目指して、最も取り組んだのはシンプルな素振り。昨季限りで引退した金本知憲氏(野球評論家)に習った鏡を見たスイングだ。 指揮官、水谷チーフ打撃コーチから指摘された「バットをあおるな」という修正ポイントを何度も確認。試合前に試合後、一心不乱に自分を見ながら、汗を散らした。バットのヘッドが下がる悪癖を矯正し、待望の放物線を描いた。交流戦では2007年6月2日の日本ハム戦(札幌D)で金本氏が放って以来、6年ぶりの満塁弾。武骨な男の反復練習が生んだ一振り。前日17日に5番を外れた背番号「32」の意地だった。 チームは2試合連続の2けた安打で連敗を3でストップした。昨シーズンは交流戦5連敗スタート。悪夢がよみがえりそうだったが、新井良の一発で払拭だ。殊勲の元気者は腕をぶした。 「連敗して(遠征に)行くんじゃなくて、この勢いでいきたい」 さあ、再加速だ。元気印が打てば、タテジマ軍団は上昇気流に乗っていく。(小松 真也)
2013年05月19日
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虎・新助っ投、150キロ超右腕ボイヤー最有力 阪神が前ロイヤルズ傘下3Aのブレイン・ボイヤー投手(31)=1メートル91、102キロ、右投げ右打ち=を、セットアッパー補強の最有力候補として獲得に動いていることが18日、明らかになった。大リーグ通算233試合登板を誇るタフネス剛腕。すでに交渉は最終段階に入っており、順調に進めば、交流戦後にチームに合流する。 8年ぶりの優勝に向けて、投手補強を画策してきた阪神が、剛腕に絞りこんだ。メジャー通算233試合登板のタフネスリリーバー、ブレイン・ボイヤーを最有力候補としてリストアップしていることが判明した。 ボイヤーは1メートル91の身長から投げ降ろす150キロ超の直球とツーシームを武器とする典型的なパワーピッチャー。ブレーブスでメジャーデビューした2005年にいきなり43試合に登板すると、08年は76試合に登板し初セーブもマーク。特筆すべきは高い奪三振能力で、同年には72イニングで67個の三振を奪っている。 以降はカージナルス、ダイヤモンドバックスなどを渡り歩き、メジャー通算9勝14敗2セーブ、防御率4・81の成績を残している。 ロイヤルズは17日(日本時間18日)にボイヤーの保有権を放棄することを発表。フリーエージェントとなった。本人は日本球界入りを希望しており、球団幹部は「週明けにも決着はつく」と見通しを明かした。虎入りは秒読み段階に入っており、メディカルチェックをクリアし、ビザが取得できれば、交流戦明けの6月中旬にも「阪神・ボイヤー」が誕生する可能性が高い。 阪神は昨オフ、守護神を長く務めていた藤川球児が大リーグ、カブスに移籍。ここまで安藤、福原、久保が踏ん張ってきたが、15日に福原が腰の張りのため抹消されるなど、ほころびが目立ち始めていた。 外国人投手補強を目指し、球団は一時、マリナーズで抑えを務めたこともあるデービッド・アーズマ投手(31)の獲得を検討したが、本人が日本行きを望んでいないことが判明。同じ速球派タイプでかねてから調査していたボイヤーに一本化した。V奪回へ、新たな勝利の方程式が誕生する。★ブレイン・ボイヤー 投手。1981年7月11日、米ジョージア州生まれ、31歳。2000年D3巡目でブレーブス入団。2005年6月12日のアスレチックス戦でメジャーデビュー。08年にはリリーバーとして76試合登板。09年にカージナルスへトレード移籍。Dバックス、メッツなどを経て今季はロイヤルズに所属。同傘下3Aオマハで13試合登板、0勝1敗1S、防御率3・00。1メートル91、102キロ。右投げ右打ち。(紙面から)
2013年05月19日
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西岡!良太!鳥谷!阪神が3アーチで快勝 (セ・パ交流戦、阪神9-5ソフトバンク、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)阪神は小嶋、ソフトバンクは摂津が先発マウンドに上がった。 阪神は一回、先頭・西岡が日本球界復帰して初の1号ソロを左翼席へ放ち1点を先制した。さらに大和の右前打、新井貴の四球などで一死満塁から新井良が左翼席へ4号満塁アーチを放ち、この回5点を先制した。 阪神は二回、大和の左前打と二盗などで一死二塁から鳥谷が右越え適時二塁打を放ち1点を追加した。 ソフトバンクは三回二死一塁から李杜軒が今季1号2ランを左翼席へ放つと、続く内川も4号ソロを左翼席へ運び、この回3点を返した。さらに四回には先頭・松田が左翼席へ4号ソロを放ち、1点を返した。 阪神は五回、新井貴の四球と二盗などで二死二塁から、ソフトバンク2番手・川原の暴投の間に二走が一気に生還し1点を奪った。さらに六回には二死一塁から鳥谷が左翼席へ4号2ランを放ち中押しの2点を加えた。 ソフトバンクは八回二死、阪神4番手・安藤から内川がこの日2本目の中越え5号ソロを放ち、1点を返した。 阪神は九回、守護神・久保がしめてゲームセット。連敗を3で止めた。()
2013年05月18日
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虎ミスミス3連敗、俊介“台無し”バント失敗 (セ・パ交流戦、阪神2-4ソフトバンク、1回戦、ソフトバンク1勝、17日、甲子園)イライライライラ…。阪神はソフトバンク戦(甲子園)で10安打を放ちながら2-4で敗れ、交流戦開幕から、今季初の3連敗を喫した。五回無死一、二塁で俊介外野手(25)が犠打失敗、六回は1点を返した場面で鳥谷敬内野手(31)が走塁ミスと、拙攻のオンパレード。18日、甲子園で4連敗だけは勘弁して!! 開幕から7戦全勝だった金曜日が、悪夢の1日となった。歯車が噛み合わない。好機のたびにミスが頻発すれば、結果は暗くなるのは当然か。テコ入れした打線が10安打を放ったが、奪ったのはたったの2点…。交流戦いまだ勝ちなし、今季初の3連敗に、和田監督の表情も険しかった。 「勝負をかける前にコケてもうたな」 自虐的に振り返ったのは2点を追う五回だ。新井良、藤井の連打で無死一、二塁。だが、続く俊介のバントは、投手の真っ正面。二走・新井良が三塁で封殺された。 こういう場面で決めるのが仕事の25歳は、「絶対に決めないといけない場面だった。あそこで流れが止まった」と肩を落とした。続くメッセンジャーのバスターも、三塁・松田の好守に阻まれて三ゴロ併殺と、流れは最悪。痛恨の「0」がスコアボードに刻まれた。 さらに六回二死一、二塁。5番に昇格した新井が右前適時打で1点を返したが、三塁を狙った一走の鳥谷が右翼・吉村の好送球でタッチアウト。反撃ムードは一瞬でしぼんだ。三塁コーチボックスの吉竹守備走塁コーチは「(新井の)打球が速くて(返球が)ホームにいくと思った。難しい判断だった」と説明したが…。和田虎が標榜する細かな野球、バントや足で好機をつぶしては、流れをつかみようもない。 2点差で迎えた八回一死満塁では、マートン、新井が連続三振に倒れ、ジ・エンド。本拠地・甲子園に、もどかしさとイライラが募った。 2連戦の交流戦。先手必勝を誓ってきた和田監督は、「踏ん張りどころであることは確か。ズルズルといったらアカンから、しっかりあした止めたい」と語気を強めた。 昨年は交流戦開幕から5連敗。指揮官のいう「ズルズルといった」まま、シーズン5位の大低迷に直結した。甦る屈辱の記憶…。絶対に同じ轍は踏めないはずだ。首位・巨人とは3・5差に開いた。貯金は「6」あるとはいえ、もう余裕はない。6連勝から一転、和田虎が正念場を迎えた。(栃山直樹)
2013年05月18日
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熱烈虎党・渡辺謙、今季初生観戦で手ごたえ (セ・パ交流戦、阪神0-1オリックス、1回戦、オリックス1勝、14日、甲子園)熱狂的な虎党の俳優、渡辺謙(53)が今季初めて甲子園で阪神戦を観戦。カナダでの映画のロケを終えて駆けつけたハリウッド俳優は、「交流戦はロースコアをものにすることが大事」としながらも、「今年は九回二死まで負けないぞ、というチームのムードがある」と評した。 残念そうに甲子園を後にした。渡辺謙がオフの合間を縫って、プライベートで観戦に訪れた。大の虎ファンが期待した7連勝はならなかったが、大好きなチームを語る言葉には熱がこもった。 「交流戦はこういう感じ(ロースコアの展開)かなぁ…。でも、こんな試合を勝っていかないと、リーグ戦が再開したときに、ヨシ行くぞ! って雰囲気にならない。頑張ってほしい」 バックネット裏席でプレーボールからゲームセットまで見届けた。4月いっぱいまでハリウッド版『ゴジラ』としてリメークされる『GODZILLA』の撮影で、カナダ・バンクーバーに滞在していたという。5月上旬からオフに入り、今回が今季初観戦。「(成績は)インターネットで見ていた」と生観戦を心待ちにしていた。それだけに、試合前には「俺が来て負けたってなったら、嫌だな」と不安も口にした。 「6つも続けて勝っていたら、こういうこともある。崩せるときに崩さないと、こういう負けになるね」 制球に苦しむ先発・ディクソンをとらえるなら、「一、二回のうちだったね」と悔しそう。もはや俳優というより、評論家のように持論を展開。「春先の調子が出ないときの負け方だった」。それでも、最終回には希望も見た。 「九回は2アウトになっても負けないムードがあった。これがことしのチームのムードだと思う。絶対いけるぞ、というムードね。スタンリッジもあの1球だけ。負けた気がしないよね」 25日には再び渡米する。「それまではテレビで見て応援します」。ケン・ワタナベは世界のどこにいても、虎にエールを送り続ける。★宜野座C訪問 昨年元日付のサンケイスポーツで和田監督と対談した謙さんは2月こそ、沖縄・宜野座キャンプを訪問するなどしたが、シーズン中は「僕が何か言うと影響力が大きい」と、メールで監督に直接メッセージを送ってきた。例年ならポストシーズンに向けて、スケジュールを空ける秋は映画「許されざる者」(9月13日公開)の撮影で北海道へ。今年も2月から3月にかけて東京、大阪で舞台「ホロヴィッツとの対話」に主演したため沖縄行き、大阪でのオープン戦観戦は断念していた。(紙面から)
2013年05月15日
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虎・加藤、代打・糸井斬り!勝利の方程式入りへ (セ・パ交流戦、阪神0-1オリックス、1回戦、オリックス1勝、14日、甲子園)ゴーグルの奥に隠す瞳は、燃えていた。絶対に抑える-。あふれ出る闘志をボールに込めた。3番手・加藤が炎の2人斬り。敗戦のなかで1人、唯一の輝きを放った。 「気持ちで負けない。左打者を2人当てられたので、2人抑えようと思った」 出番は1点ビハインドの八回一、二塁に訪れた。2番手の福原がピンチを招き、たたみかけたいオリックスは代打・糸井を告げた。マウンドに上がった左腕は、フルカウントから137キロの直球で猛牛の超人を中飛に打ち取った。「それ(四球)も頭にあったけど、結果的に打ち取れてよかった」。この日2安打していた続く左の後藤も二ゴロに仕留め、追加点は許さなかった。 今季は13試合に登板し、0勝0敗、防御率0・79と抜群の安定感を見せている左腕。反対に、セットアッパーの福原は9試合連続で安打を浴びるなどピリッとしない。この状況に、中西投手コーチは「勝ちゲームになったらあると思うよ。2人で1イニングとか」と加藤を勝利の方程式に組み込む考えを示した。 今季でプロ13年目。その間、2度の戦力外通告を受けた。毎年オフには「俺、大丈夫かな」と不安な表情も見せる。全盛期時に3900万円あった年俸も昨年は1300万まで減少。節約も心がけるようになった。 虎入団当初は鳴尾浜に行く際、タクシーを利用していたが、いまでは電車と徒歩で向かう。 「タクシーやったら、1500円ぐらいかかるやろ。電車なら300円。もったいない」 いまでも甲子園球場には電車通勤。今年で35歳になるが、日々のケアを大切にする。時間があれば、大阪にある酸素カプセルの店に行くようになった。 節約していても、体のメンテナンスに費用は惜しまない。すべては勝利のために-。勝利の方程式に名を連ねれば、知名度もアップ。そして、応えるだけの実力もある。イバラの道を歩んできた加藤が、猛虎の必勝レールに乗る。(西垣戸 理大)
2013年05月15日
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阪神・新井、エース級コテンパンに撃つ! エースを撃つ!! 阪神・新井貴浩内野手(36)が13日、愛媛・松山から空路、帰阪した。5月打率・395、12球団月間トップの5本塁打、17打点と好調な大砲は「いいピッチャーを打って、勢いをつけたい」とキッパリ。エース級の登板が予想される14日からの交流戦でも打ちまくる。 最高の流れで、パ・リーグとの対戦を迎える。新井のバットが6連勝に大きく貢献した。ここをどう乗り切るかで、シーズンの行方が変わる。5月男が、好投手粉砕を誓った。 「今のまま(いい状態で)入っていきたい。2連戦が続いて、日程的にもいいピッチャーがくる。いいピッチャーを打って、勢いをつけたい」 右肩痛の影響もあり、開幕直後は控えだった。しかし、今はその打棒が頼りだ。ここまで10試合連続安打。元4番の上昇曲線は、そのままチームの勝敗と直結してきた。昨季は5月に右肩痛を悪化させ、チームを失速させた。だが、今季は違う。田中(楽天)、金子(オリックス)、摂津(ソフトバンク)、吉川(日本ハム)ら名だたるパのエースを打ち崩す自信がある。新生猛虎打線の力が本物だと証明する。 大リーグでは、レジー・ジャクソン(アスレチックスなど)らプレーオフの10月に活躍し、勝負強い選手を「ミスターオクトーバー」という。5月の月間打率・395、12球団月間トップの5本塁打、17打点の新井は「ミスターメイ」といったところか。もちろん、パ・リーグとの戦いが続くが、1・5差ある首位・巨人を追走しなければいけない。宿敵の巨大戦力を思えば、この先も大崩れすることはない。いかに、食らいついて秋に勝負をかけるか。そのために、この交流戦が大きな意味を持つ。 「ひとつのポイントだと思うし、しっかりいい試合をしていきたい」 松山から空路帰阪すると、甲子園での練習は免除された。終日休養に努めた。背番号「25」のフルスイングが、多くの勝ち星を運ぶ。(山田 結軌)
2013年05月14日
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森脇オリ覚悟!虎・和田監督、初戦必勝あるのみ 初戦必勝や! 9年目を迎える日本生命セ・パ交流戦が14日開幕する。6連勝と好調な阪神・和田豊監督(50)は13日、松山から空路帰阪後、甲子園でのチーム練習に参加。初戦の勝利にこだわる考えを明かした。14日のオリックス戦(甲子園)から始まる交流戦を制して、8年ぶりの優勝へ疾走する。 羽を休めている暇はない。和田監督は松山から空路帰阪したナインを甲子園に集めた。西岡、鳥谷らレギュラー野手5人と故障した関本を除くメンバーが打撃練習などに汗を流した。6連勝で貯金を今季最多「9」まで積み上げたが、気の緩みはない。交流戦開幕を前に気を引き締めた。 「新たな戦いだから。交流戦は次に生かすとかじゃない。一発勝負みたいな戦いになる。初戦を取る? それが大きい。初戦を取らんと2連敗がある。3連戦でも初戦が大事だけど、特に大事になる」 首位・巨人と1・5差に肉薄。上昇ムードの中で交流戦に突入する。「やはり1度区切りをつけて新たな気持ちで」と第2の開幕という位置づけを明かした。 苦い経験を糧にする。交流戦は2009年から4年連続で負け越し中。就任1年目の昨季は貯金「2」で交流戦に入ったが、いきなり5連敗(最終的に9勝12敗3分)。以降、借金地獄から一度も脱出できなかった。 「セ・リーグ同士だと1カ月半の勝敗は取り戻せるけど、交流戦の負けはそのまま残ってしまうし、取り返しようがない。シーズン終わったときに交流戦であと2、3つ勝っておけば、というのが過去多かった」 取りこぼしがのちのち痛手になるのを避けたい。優勝への手応えがあるからこその感想だろう。2試合制。先手をとり、勝率5割以上で上位を狙いたいところだ。 和田監督は少年時代、剣道も習っていた。「その頃から相手に何かスキがないかと探していた」。新加入・西岡や鳥谷が今季、積極的な走塁を随所にみせ、チーム盗塁23個はリーグ2位。就任2年目で目指す機動力野球が実現しつつある。厳しさを打ち出す采配も選手に浸透している。 サングラス越しに何度も繰り返した「新たな戦い」が幕を開ける。同じ轍は踏まない。先手を取って主導権を握り、そのまま交流戦、そしてペナントレースを駆け抜ける。(阿部 祐亮)
2013年05月14日
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オリ怖くない!虎・スタン、フレンド平野恵斬る! 阪神のジェイソン・スタンリッジ投手(34)が13日、甲子園のチーム練習に参加し、キャッチボールなどで最終調整。14日のオリックス戦(同)から始まる交流戦の“開幕投手”を3年連続で務める。昨季までチームメートだった平野恵一内野手(33)との対戦を熱望した。 3年連続の大役も本人に自覚はなかった。「そうなの? 考えてなかったよ」。あくまで自然体が頼もしい。交流戦の開幕投手を託されたのはスタンリッジだ。昨季まで仲間だった元虎戦士の平野恵との対戦を見据え、不敵な笑みを浮かべた。 「自分の友達に投げるのは大好きなんだ。アウトにとって、イジッてあげたいね。もし、ヒットを打たれたら僕をイジッてほしいよ」 短距離ダッシュなどで準備を整えた右腕は宣言した。同じユニホームに袖を通していたときから、コミュニケーションを頻繁にとっていた2人。互いをよく知るからこそ、真っ向勝負を心待ちにした。平野恵の先発は右ひざを痛めている糸井次第だが、対戦の可能性はある。 昨年5月16日には当時、日本ハムの糸井に先頭打者アーチを浴び、6回2失点で黒星。交流戦初戦からチームは5連敗した。「(対策は)もちろん。それは見てのお楽しみです」。糸井が強行出場した場合も、打ち取る自信に満ちあふれていた。 前回登板の7日は巨人相手に東京ドームで今季初完封を飾った。2戦連続のシャットアウト勝ちなら、虎の助っ投では1968年以来45年ぶり。外国人選手で初めて沢村賞に輝いた伝説のジーン・バッキーに肩を並べることになる。 ここまで、6戦に投げ、3勝2敗、防御率1・56。「過去を振り返っても1番、いい成績を残せている」と手応え十分だ。昨シーズンの交流戦成績も5試合で1勝1敗、防御率1・76といいイメージを持つ。 「いつも通り投げるだけだよ」 かつての同志平野恵をねじ伏せ、歴史に名を刻む-。背番号「55」の快投が猛虎を再加速させる。(小松 真也)
2013年05月14日
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虎・大和、技あり2点打!燕キラー本領発揮 (セ・リーグ、ヤクルト0-5阪神、10回戦、阪神7勝3敗、10日、松山)まさしく、松山名物の鯛めしに匹敵する味わい深さがひと振りに凝縮されていた。大和がダメ押しの2点二塁打。虎が誇るツバメキラーが勝利を決定づけた。 「自分も(ファウルか)どっちかなと思いましたが、フェアになってよかった」 振り返ったシーンは五回。3点を先制し、なおも一死一、三塁で迎えた第3打席だ。先発左腕・石川の2球目。懐を鋭くえぐる132キロのカットボールに対し、軸となる右足でクルン! ひじをきれいにたたむ巧みなバットさばきも加わり、捉えた打球は左翼ライン上で弾んだ。 メッセンジャーに続いて一塁から西岡も生還し、二塁ベース上でニッコリ。普通ならファウルになるようなコースをフェアゾーンに落とす、芸術的な一打を「自然に反応しました」。かつて、非力と言われていた男が何度もマメをつぶして作り上げたスイングは、努力のたまものだった。 タレント揃いのタテジマ軍団にあって、以前は控えめだった背番号「0」も個性を意識し始めた。そのひとつが今季からリストバンドをやめたこと。「みんなリストバンドをやっているので、同じになる。逆にしない方が目立つかなと思って」。レギュラーとして、猛虎の将来を引っ張る自覚が芽生えている。 「けっこう(ヤクルト戦は)打っているので、いいイメージのなかでやれていると思います」 対ヤクルト戦は驚異の打率・476(42打数20安打)。“めでたい”データを携えた不動の2番打者が、11日の第2ラウンドも快進撃の一躍を担う。(小松 真也)
2013年05月11日
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虎・西岡、気合マルチ&神業スライディング! (セ・リーグ、ヤクルト0-5阪神、10回戦、阪神7勝3敗、10日、松山)黒土を飛び散らせ、駆ける背中を虎党の声援が押す。五回一死一、三塁。一塁走者の西岡は、大和の左翼線二塁打で一気に本塁を狙った。目の前に捕手・中村が見える。 「最短(距離)でキャッチャーを目がけていこうと思った。(タイミングが)際どくなったら、タックルするくらいの気持ちだった。交わしてセーフはランナーにとってうれしい」 タッチをかいくぐり、体をよじって、左手でホームベースに触れると、自らセーフのポーズ。ダメ押しの5点目だ。両手を広げてベンチ前で虎戦士とハイタッチ。新井良とは、抱き合って喜びを分かち合った。 三塁コーチャーを務める吉竹作戦・守備走塁コーチは「うまくくぐり抜けてくれた。積極性があるから、まわせる」と評価した。 一回には、先頭で3試合ぶりの安打を中前に弾き返した。だが、一死二塁から、鳥谷の左直を安打と判断し、二塁へ戻れず併殺。そのミスを取り返す好走塁でチームの勝利に貢献した。これで西岡が第1打席で安打を打った試合は7勝2敗1分け。 「いつか阪神でプレーしてみたいんですよね」 大阪出身の西岡にとって、虎は子どものころからの憧れだった。もちろん、ロッテ入団後は持ち前のキャプテンシーでナインを引っ張り、リーグ優勝と日本一に貢献。それでも「いつか阪神で…」の気持ちが心から離れることはなかった。 「メッセが打ったことが大きかった。(自分の安打は)飛んだところがよかった」 激走前の五回一死二塁では、左前打で大和につないだ。自分のナイスランより、投げて打ってのメッセンジャーをたたえた。4連勝で首位巨人とは1・5差。明るく、強気でタテジマ愛する背番号「7」が、猛虎を8年ぶりのVへと導く。(山田 結軌)
2013年05月11日
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虎・メッセ、完封5勝&V打!Gに1・5差接近 (セ・リーグ、ヤクルト0-5阪神、10回戦、阪神7勝3敗、10日、松山)さぁ1・5差や!! 12日にも首位奪取や!! 阪神はランディ・メッセンジャー投手(31)が完封&走者一掃の3点二塁打と投打に活躍。ハーラー単独トップの5勝目を挙げた。チームも4連勝で貯金7。巨人はDeNAに7点差をひっくり返されて4連敗。最大5・5差あったゲーム差はたった5日で1・5。この勢いに乗って松山でイッキに首位に立つでぇ!! 道後温泉の夜空を切り裂いた。湯けむりも吹き飛ぶ打球で、燕を撃墜した。メッセンジャーが志願の142球完封&決勝3点二塁打だ。無傷の5連勝で、ハーラー単独トップ。チームを今季2度目の4連勝に導いた。 「内野の頭を越えてくれたらいいと思って一生懸命に振ったけど、幸運にも失投が来てくれて思い切って振りました」 ヒーローインタビューでは豪快に笑い飛ばした。0-0の五回一死満塁だ。1ボールからの2球目、石川の投じた高め直球を強振すると、打球はあっという間に左中間を突き抜け、3人の走者がホームへ。誇らしげに二塁上に立った背番号54は、両手3本指を突き立てる“虎のポーズ”を、ベンチへ向けた。 高校在学中に投手になるまで4番を打った経験もあり、「高校ではシーズン10発打ったこともあるし、マイナー時代も打った」と胸を張る。まさに「9人目の野手」だった。 本業は決して本調子ではなかった。四回までに83球。制球に苦しみ、毎回のように得点圏に走者を背負ったが、失点は許さなかった。続投を申し出て、9回5安打無失点だ。前夜は松山入り後、“勝ちメシ”であるラーメンを2軒、ハシゴして食べた。スープまで飲み干した御利益が、ここ一番で出たわけだ。 これで今季登板した7試合はすべて勝っており、昨年9月23日の中日戦(甲子園)から2シーズン越しの10連勝(メッセは8勝)。引き分けを含めれば11戦不敗だ。メッセが投げれば負けない-。 さらに虎に朗報が待っていた。メッセンジャーが勝利の味をかみしめた瞬間から29分後…。横浜では、首位・巨人がDeNAに10-12で逆転サヨナラ負けし、4連敗。5月6日の直接対決を迎えるまでは「5・5」あったゲーム差が、わずか5日間で「1・5」まで肉薄した。11日、12日連勝し、巨人が連敗すればいよいよ単独首位だ。 今季2度目の4連勝を決め、貯金も今季最多「7」。和田監督は「今の時期はそんなに気にしない。多いのに越したことはないけど、交流戦に入るまで1つでも多くしたい」と気を引き締めた。 「チームが勝てばそれが一番。個人的な記録もすばらしいけど、これからもチームが勝てるように投げるだけだよ」 ヒーローもはしゃぐことはなかった。虎の外国人投手の開幕から無傷の5連勝は1964年のバッキー、2003年のムーアに続いて3人目の快挙。その年、ともにチームは優勝した。まさに吉兆だ。助っ人右腕が虎に8年ぶりのVを運ぶ。(長友 孝輔)
2013年05月11日
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阪神、中継ぎ陣再編へ!中西C「加藤や筒井を」 白星こそもぎ取っているが、試合終盤に、開幕直後のような安心感がない。中継ぎ陣の再編へ。阪神・中西投手コーチが新たな手を打つ。 「今までのように七回は安藤、八回は福原と決まって出すことはないと思う。そこに、加藤や筒井をかましていく可能性はある」 4月を終えた時点で、ともに防御率0・00と最高のスタートを切った2人だが、5月に入り、さすがに少し“お疲れモード”。安藤は4日のヤクルト戦(甲子園)で2失点、試合は1点差で勝ったが、ピンチを招いた。福原も5日(同)に2失点で逆転を許し、8日の巨人戦(東京D)でも八回に村田にソロを浴びるなど安定しない。 そこで白羽の矢が立ったのが、左腕の2人。左肩痛から4月18日の巨人戦(甲子園)で復帰した筒井は8試合でいまだ無失点。8日の巨人戦は延長十二回に登板して今季初セーブを挙げた。もう1人は34歳のベテラン加藤。昨季41試合で防御率0・83を残し、今季も11試合で同0・93と安定している。右2人に左2人を絡めることで、立て直すつもりだ。 4試合連続失点中の久保については「守護神ですから。そこを崩すとぐちゃぐちゃになる」と不変を強調。まずはセットアップ陣を整備し、一気に貯金を増加させる。(紙面から)
2013年05月10日
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ローテ生き残りへ!阪神・岩田、ラストアピール! ラストアピールだ。11日のヤクルト第2戦(松山)に先発予定の阪神・岩田稔投手(29)が9日、松山坊っちゃんスタジアムのブルペンで調整した。交流戦はローテ5人制となる方向だけに、生き残りをかけたマウンドとなる。また中西清起投手コーチ(51)は、「安藤→福原」の形にこだわらずに中継ぎ陣を再編することを話した。 波に乗っているチームの中で、崖っぷちに立たされた男がいる。11日に先発予定の岩田だ。ローテの枠が「1」減る交流戦に向けて、決意の言葉を口にした。 「勝つこと? それが1番。やっぱりチームが勝たないと」 この日は坊っちゃんスタジアムのブルペンに入り、調整した。14日から始まる交流戦。2連戦ごとの変則スケジュールのため、ローテは5人で回す方向だ。そうなるとメッセンジャー、スタンリッジ、能見、藤浪。残る1枠を、榎田と争うわけだが…。榎田は8日の巨人戦(東京D)で7回で8四死球を出しながら要所は抑え、無失点で乗り切った。一方の岩田は開幕から立ち上がりの不安定さを露出し、3連敗。2軍降格も味わい、4日のヤクルト戦(甲子園)で今季初勝利を挙げたばかり。現状では「6番手」といえる立場だ。 ただ、岩田は昨季も、今季と同じように開幕から3連敗しながら、交流戦では4試合に登板し、3勝0敗。チームの交流戦の勝ち頭となった。近年、交流戦では苦しむ虎だけにパ・リーグとの相性の良さは捨てがたい。だからこそ、まずは11日にきっちり結果を出すことが不可欠だ。 「前回はしっくりときていない部分があった。探り探りだった状態。今回は(投げる)ゾーンを下げていきたい。(前回と同じヤクルト戦だが)相手で投球を変えるというのは一切ないです」 背番号21がラストチャンスに猛アピールし、パ・リーグと戦う“切符”をもぎ取る。(紙面から)
2013年05月10日
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パ制圧や!虎・藤浪、交流戦もサンデー登板 パ・リーグなで斬りローテや!! 阪神のドラフト1位・藤浪晋太郎投手(19)=大阪桐蔭高=が9日、投手指名練習に参加し、松山坊ちゃんスタジアムでブルペン入りした。まずは12日のヤクルト3戦目に先発するが、その先の交流戦では“サンデー晋ちゃん”継続で、オリックス以外の5球団に1回ずつぶつかるローテが組まれる予定だ。強打者揃いのパの猛者をねじ伏せ、その名をさらに轟かせる。 新人離れした強心臓の持ち主には“未知との遭遇”も関係ない。14日から始まる交流戦。藤浪に託されたのは「パ・リーグなで斬りローテ」だ。 「交流戦だからどうこうとか意識はしません。自分が任されたところを毎試合、しっかりと投げるだけです」 初めて足を踏み入れた坊ちゃんスタジアムでのブルペン投球後。「調子は悪くない」と心地いい汗を流した右腕は、冷静な口調で言い切った。 中西投手コーチは改めて交流戦での先発ローテについて「5人で固められるか、だな」と明言。当初のプラン通り、黄金ルーキーのサンデー登板を継続させる考えだ。そうなれば、19日の西武戦(西武D)を皮切りに日本ハム→ソフトバンク→ロッテ→楽天と、オープン戦で相まみえたオリックスを除く5球団と対決するわけだ。 「実力のパ」と言われるように2005年から始まった交流戦で、09年以外はすべてパが勝ち越している。藤浪がここまでシーズンで対戦したのは3球団(先発ではヤクルト、DeNA)のみ。新たな刺激となるのは確実で、一回りも二回りも成長するきっかけになるはずだ。球数の“リミッター”が外れるのは6月中の予定だけに、交流戦となる可能性もある。さらに5試合中ビジター3試合と、対戦相手にとってもうれしい登場だ。 まずは12日のヤクルト戦で、交流戦前、最後の試合をしっかり締める。ここまで3試合対戦し、1勝1敗、防御率1・80。はや4度目の対戦となるが、自然体で臨む。 「マウンドの傾斜は気にしないことはないですが、気にしても仕方がないですから。地方球場だからというのもないです。(交流戦最後のゲームでも)特別な試合だとは思っていません。いつも通りやるだけです」 松山といえば、道後温泉。「機会があれば入りたいですね」。元来お風呂好きで、今も疲労がたまると1時間近く湯につかるという。道後温泉本館はジブリの名作アニメ「千と千尋の神隠し」のモデルになった名湯だけに、リフレッシュ間違いなし。活力をみなぎらせた“サンデー晋ちゃん”が、交流戦も席巻していく。(小松 真也)
2013年05月10日
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6連勝で交流戦へ!虎・西岡「うぬぼれダメ!」 歓喜のG倒に浸っている暇はない。阪神は9日、東京から空路、愛媛・松山入り。西岡剛内野手(28)は10日からのヤクルト3連戦へ「うぬぼれていたらダメです」と決意を口にした。東京ドームで巨人に3連勝と、ノリノリのチームだが、だからこそもう一度、気持ちを締め直す!! 和田豊監督(50)も交流戦へ勢いをつけるべく、ラストカードでの必勝を誓った。 松山城をバックに路面機関車“坊ちゃん列車”が街路をゆく。激闘の伝統の一戦を終え、羽田から1時間半の空の旅。しかし降り立った松山ののどかな空気を、西岡の言葉がピリッと変えた。 「うぬぼれていたら、ダメですね。勢いをつけたい? 毎日そういう気持ちでやっています」 クールに、力強く、かぶとの緒を締めた。8日に延長12回の死闘を制し、東京ドームで6年ぶりの巨人戦カード3連勝。開幕から独走していたGを2・5ゲーム差と猛追し、勢い最高潮で今季6勝3敗と好相性のヤクルトに挑む。だからこそ「うぬぼれたらダメ」-。自らを、そしてチームを、いま一度引き締めるような言葉だった。 打率3割をキープする中、対ヤクルトは特に打率・400と得意だが、「どこのチームも一緒。意識せず、いつも通りやるだけです」と平常心。浮ついた気持ちなど毛頭ない。そんな西岡に呼応するように、松山空港で地元関係者から出迎えられた和田監督も、表情は引き締まっていた。 「勢いをつけて、交流戦に入りたいからね。(昨年の)この時期は5割前後で四苦八苦していた。(今年は)5割ラインということからしたら抜けることはできたけれど、5、6連敗なんてありえることだから。節目節目のときには、勢いをもって入りたい」 交流戦前、最後のカード。貯金は今季最多6だが、まだまだ足らない。もちろん狙うは6連勝、貯金9で勢いをつけたいところだ。昨年は、交流戦5連敗スタートで、大きくつまずいた。もう同じ失敗は繰り返せない。そのためには、このヤクルト戦での再ダッシュは不可欠というわけだ。 “戒め”には格好の地といえる。今季初の地方遠征となる松山では、昨年7月3日の広島戦で悪夢を見た。1点リードの九回二死二、三塁で榎田の投球を小宮山が弾き(記録は暴投)、2者生還。翌4日も敗れ、ミス連発で泥沼に落ちていった“松山の悲劇”。気持ちは嫌でも引き締まる。 ここまでチーム防御率2・79、同打率・259はともにセ・リーグトップ。指揮官は「かみ合ってきたよね。打線が上向いてきたことで反発力というところでね」と手応えを十分に感じている。8年ぶりVへ、着実に歩んでいる。だからこそ、だ。福留を左ひざ痛で欠くが、2年目の伊藤隼らが必死で埋めている。 同じFA組の福留の穴を問われると、西岡はきっぱり言い切った。 「チーム全員で、戦っていくだけです」 雲ひとつない青空が、心をさらに躍らせる。猛虎復活の軌跡を、伊予国に残す。斬りこみ隊長・西岡が終わりなき宴を演出する。(阿部 祐亮)
2013年05月10日
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ウサギを一発で射止める さすが長老ヒーさんじゃ!巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ 「おかわりだっぺ!」「おかわりだっぺ!」 いや~このウサギ鍋、コイと竜とお星様をしこたま食っとるで(巨人はカープ、ドラゴンズ、ベイスターズに17勝2敗1分け)丸々太っていい味出しとる! 3杯ペロッと食べたっぺ!! しかし、危うく逃げられそうになったウサギをさすが虎村の猟師の長老ヒーさん(桧山)じゃ!「鉄砲貸してくんろ」と一発で射止めたんだから。 おー、そうだヒーさんが交代して獲物を捕ったんはこれで99回目で、虎村の記録だっぺ。めでて~! めでて~!!(桧山は球団新の代打99打点オメデトウ!!) ハヤタも、自分の誕生日にいい鉄砲打ったけんどもよ(八回、それまで二塁も踏ませなかった沢村から2ランはお見事!!)。その後、逃げられねーようにちゃんと守んねえといけねーべ。ま、勉強だっぺ!! さあ、引き揚げんど…おっ、そーだ。ツバメ村以外ウサギを仕留めてくれねーだから『ウサギの捕り方』(配球とか)ドーム山の小屋(ベンチ裏)にでも書き残しておくべーか!!(ダンカン)
2013年05月09日
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虎・和田監督、感激「選手が頑張ってくれました」巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長十二回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)阪神・和田監督は顔を紅潮させながら三塁ベンチ裏に現れた。チーム一丸での巨人粉砕。第一声が選手たちへの称賛だった。 「3連戦、選手が頑張ってくれました」 2007年9月7、8、9日以来、6年ぶりに東京ドームでカード3連勝。劇的勝利は福留抹消にともなって緊急昇格させた田上が足で魅せ、桧山が完全復活だ。「本当に苦しかったと思う」と神様の苦悩に言葉を詰まらせた。 先発・榎田が悪いなりに「0」を刻んだ。伊藤隼は八回に均衡を破る2ランを放ちながら、九回の守備で“地獄”を味わいつつも、踏ん張った。開幕から独走していた巨人とついに2・5差に肉薄。タクトもさえ渡り、昨季、1勝9敗2分けと鬼門だった場所でのカード3連勝だ。 「この気持ちを次の試合も同じように戦えるように向かっていきたい」 今季3度目の3連勝で貯金は今季最多の「6」。就任2年目。指揮官の勝利への執念が、確実に選手に浸透している。(阿部 祐亮)
2013年05月09日
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劇勝呼んだ!虎・田上、千金四球&千金激走!巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長十二回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)走塁の悔しさは走塁でしか返せない。50メートル5秒7の俊足・田上が一塁から激走。決勝点のホームを踏むと同時に桧山の代打通算打点の球団新記録にひと役かった。 「結果、勝利に貢献できたのはよかった。(三塁ベースコーチの)吉竹さんも回していたし、ホームに行くしかないと思った」 延長十二回二死、低めの直球を見極め四球で出塁。打席には桧山。4球目のランエンドヒットにスタートを切った。打球は高いバウンドをして、右翼線へ。無我夢中に走った。二塁を回ると、吉竹コーチが腕を大きく回している。ホームへ駆け抜けた。左ひざ痛の福留に代わり、この日出場選手登録され、延長十回から代走で出場。早速結果を出し、期待に応えた。 「あれは終わったこと。いい反省にしたい」 苦い思い出は4月25日の中日戦(ナゴヤD)だ。1点ビハインドの九回に福留の代走として出場。九回一死一、二塁の場面だった。代打・関本の打球は、遊撃と左翼の間にふわりと上がった。二走の田上は二、三塁間でわずかに躊躇(ちゅうちょ。時間にしてコンマ何秒の痛恨のミスで本塁憤死となり、戦犯に…。翌日には2軍降格となった。その悔しさをぶつけての昇格即の激走だった。 「失敗を糧として、これからもっと、いい走塁をしていきたい」 好調な打線に貴重な「走」のアクセント。田上が大事な場面で快足を飛ばし続ける。(渡辺 洋次)
2013年05月09日
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虎・隼太が大暴れ!ヒーローから一転、あわや戦犯巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長十二回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)高々と舞い上がった白球が、右翼スタンドに突き刺さる。その瞬間、若虎は右手でガッツポーズを決め、地鳴りのような大歓声が響いた。2年目・伊藤隼が先制となる今季1号2ラン。自らの誕生日を祝うバースデー弾で、左ひざ痛で抹消された福留の“代役”に名乗りを上げた。 「勝ってよかったです。投手にも桧山さんにも感謝したい」 試合後、帰りのバスへつながる通路。ホッと安堵の表情を浮かべた。喜びと不満が入り交じる内容だった。まずは0-0で迎えた八回二死一塁だ。「つなごうという意識」で打席に入ると、巨人先発・沢村が2ボール1ストライクから投じた4球目、127キロのスライダーを思い切り引っ張った。大きな放物線を描いた打球は右翼席へ着弾。今季初本塁打で息の詰まる投手戦に“終止符”を打ったが…。 この日は24歳の誕生日。試合前には友人から「ちょくちょくもらいました」と祝福メールも届いた。ただ、「普通にやるだけですよ(笑)」とリラックスしてゲームに臨むと「いままで記憶にない」というバースデー弾という最高の結果が出た。また、前日7日は兄・幸太さんの次女が1歳の誕生日を迎えたばかり。家族パーティーに参加できなかった“隼太おじさん”は、めいのためにも祝砲を打ち上げた。 それが守備では“大暴れ”となってしまった…。2-1の九回二死三塁だ。抑えれば勝ち、という状況で坂本の放った打球は右翼方向へ。背走しながらグラブを伸ばすが、打球より先に自らが左ほほ付近からフェンスに激突。同点打にしてしまった。 「僕がヘタクソなだけです。ああいうことをしていると信頼をなくす」と猛省した。同じ九回には長野の邪飛も捕球できなかった。福留が左ひざ痛のため、戦列を離れた。元メジャーリーガーが復帰するまで安心して任せられるように…。いや、定位置を奪取するほどの活躍を首脳陣は期待している。 背番号51も「チームもこういう状況なんで、少しでも力になれるようにしたい」と力を込めた。昨季のドラ1が目指すのは「三拍子揃った選手」。バットだけではいけない。守備も鍛え上げ、チャンスをつかみ取る。(西垣戸 理大)
2013年05月09日
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虎・筒井、炎のG斬り!新守護神いけるで!!巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長十二回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)しびれるマウンドを乗り切り、歓喜のハイタッチを交わした。延長十二回、4時間18分の激闘を締めたのは筒井だ。今季初セーブを飾り、笑顔が弾けた。 「興奮しています。こういうときに野球をやっているんだなという気持ちになります」 息詰まる戦い。待望の1点リードを奪った直後の延長十二回に6番手で出番が訪れた。肝心要の先頭。村田に137キロの直球を左前に運ばれ、緊張感は増したが、左腕の表情に険しさはない。橋本に犠打を決めさせず、空振り三振に斬ると、代打・矢野にも真っ向勝負だ。2球目を真っすぐで遊ゴロ併殺に仕留め、勝利の美酒に酔いしれた。 海の向こうからのエールに応える快投だ。今年は春季キャンプ中に左肩痛を発症し、開幕に間に合わなかった。苦しむ中、毎年沖縄自主トレをともにするなど、尊敬してやまない虎の前守護神・藤川(現米大リーグ、カブス)から何度も激励の連絡が入った。その心遣いがうれしかった。いま、先輩は異国の地で痛めた右前腕部のリハビリからの復活を期している。多大な感謝を“逆エール”で伝えた。 この日も、2点のリードの八回に登板した福原がソロを被弾。九回を託された守護神の久保も4戦連続となる失点で救援に失敗した。勝利の方程式を担う2人が苦しむ台所事情で、左腕は8試合連続無失点。防御率0・00をキープする。 「本当に興奮しています」 終始、顔を紅潮させたままだった背番号「20」。俺もいる-。昨年リリーフ陣の一角を担い、58試合に登板した男が本領発揮だ。(紙面から)
2013年05月09日
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東京Dで6年ぶり!虎・桧山、V打でGに3タテ!巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長十二回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)シビれたで、神様!! 阪神・桧山進次郎外野手(43)が延長十二回二死一塁で代打として登場し、決勝の右翼線二塁打を放った。代打通算打点で球団新記録となる“神様”の一打で、首位巨人に劇的勝利だ。東京ドームで6年ぶりとなる同一カード3連勝を飾り、2・5ゲーム差に接近だ!! ひしゃげた白球が一塁の手前でポーンと弾み、一塁手・脇谷の頭上を越えた。スタートをきっていた一走・田上が快足を飛ばして一気に生還。奇跡だ! 奇跡が起きた。桧山が二塁上で2度ガッツポーズ。今季初安打でG粉砕の歓喜を呼び込んだ。 「5月というのにチームメートで僕だけヒットが出ずに、2日前には(投手の)能見がホームランまで打っていたので、歯がゆい気持ちがあった。なんとか(安打が)出てよかった」 延長十二回二死一塁で代打として打席へ。150キロ台を連発するマシソンにあっという間に追い込まれ、「過去の打席がよみがえりつつあった」。今季10打席目も打率・000。脳裏をよぎらないはずがない。プロ22年目。不振での2軍落ちとなれば自分にとって、それが何を意味をするかは分かっている。高めの直球に食らいついた。「一ゴロかなと思ったけど、抜けて初ヒットや!」と右翼線を転々とする打球を目で追い、笑みがもれた。 難産だった。開幕前は常々、「自分への期待と不安。1本を打つまでは」と口にする。4月11日の巨人戦(甲子園)。雨天のため室内練習場にいると、ミズノのグラブ職人だった坪田信義氏(80)が訪れた。ガッチリと握手をすると、率直な心境を吐露。「試練を与えられています」-。信頼してきた恩人だけに漏らした言葉。現状を打破するため甲子園の試合後は連日、1時間以上もミラールームで素振りを繰り返した。 原点を呼び覚ましてくれる存在もいた。5月1日の広島戦(甲子園)の試合後。いつものように居残りをしていると偶然、D6位の緒方凌介外野手(22)が現れた。東洋大の後輩は荷物を取りに来たのだが、そこで質問攻めにされた。相手投手の配球の疑問をぶつけられ、答えたが、ひと言付け加えた。 「俺らとお前は違う。若さで思い切って振っていけ」。無我夢中でプレーする大切さを説いた。それは崖っぷちにいる自分に言い聞かせる言葉でもあった。代打通算打点を「99」とし、八木裕(現2軍打撃コーチ)の記録を抜いた。和田監督も「苦しみ抜いた上の、はじめの一歩。ちょっと遅かったけど、やっぱり役者」と最敬礼した。 「苦しんだ分だけ、またコツコツと自分にとって、いい日が毎日、訪れるように一生懸命頑張りたい」 東京ドームでのカード3連勝は2007年9月7~9日以来。巨人とのゲーム差は2・5差。神の手で待ったをかけた。その勢いはもう止められない。(長友 孝輔)
2013年05月09日
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虎・桧山が延長12回に決勝二塁打!G戦3タテ!巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長12回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)巨人は沢村、阪神は榎田が先発のマウンドに上がった。 巨人は二回、ロペス、村田の連打で無死一、二塁とチャンスを作ったが、続く中井が三ゴロ併殺打。脇谷の敬遠で二死一、三塁から沢村が三振に倒れ先制できなかった。 阪神は五回、先頭・マートンがチーム初ヒットとなる二塁内野安打で出塁したが、続く新井良が遊撃併殺打。二死から新井貴が遊撃内野安打を放ったが日高が遊ゴロに終わった。 阪神は八回二死から日高が四球で出塁。続く伊藤隼が右翼席へ今季1号2ランを放ち、2点を先制した。 巨人はその裏一死から村田が左翼席へ5号ソロを放ち、1点差に迫った。 巨人は九回、代打・石井の中前打と暴投などで二死三塁から坂本が右翼フェンス直撃の適時三塁打を放ち、同点に追いついた。試合は延長戦に突入した。 阪神は延長十二回、二死一塁から代打・桧山が今季初安打となる右翼線適時二塁打を放ち1点を勝ち越し。その裏にマウンドに上がった6番手・筒井が3人で抑え、巨人戦で同一カード3連勝を飾り、首位・巨人に2・5差に迫った。()
2013年05月08日
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桧山が決勝打!代打通算打点「99」の球団新記録巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長12回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)阪神は延長十二回2死一塁で代打の桧山が決勝の二塁打を放った。 マシソンが投じた4球目。エンドランがかかって一塁走者がスタートした。桧山がたたきつけた打球は一塁手の頭上を越えて右翼線を転がった。これで代打通算打点が99になり、球団新記録を打ち立てた。 桧山は今季、ここまで無安打だった。1本目がなかなか出ない日々の中で代打の難しさを問うと、数秒間黙り込んでから「いろいろとありすぎる。一つや二つの言葉では表せない」と難しい表情を見せたこともあった。苦しんだ末に出た初安打が最高の結果となり、ベテランは二塁ベース上で無邪気に笑った。(共同)
2013年05月08日
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虎・伊藤隼「下手くそ」失策に複雑な誕生日巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長十二回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)阪神の伊藤隼にとって24歳の誕生日は複雑なものになった。 八回、先制の2ランを放ち「つなぐ気持ちしかなかった。まさか本塁打になるとは」と自信をつけた様子だった。しかし守備では九回にファウルを捕り損ねるなど、失敗が目立った。「下手くそなだけです。ああいうことをしていたら試合に出るチャンスがなくなる」と自分を責めた。(共同)
2013年05月08日
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“Gキラー”阪神・榎田、また巨人戦で好投巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長十二回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)勝ち星こそ付かなかったが、阪神の榎田が7回3安打無失点と好投した。8四死球とやや制球に苦しんだ印象だったものの「内角を攻めた中で四球になった部分もあった。しっかり切り替えて粘って投げられた」と胸を張った。 巨人とは今季早くも3度目の対戦で、計22回1/3を1失点。打者の目線を変える狙いで、この日はフォークボールを多めに投げたが、ワンバウンドや抜ける球もあった。左腕は「使う球種の精度を上げていきたい」と話した。(共同)
2013年05月08日
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虎・桧山が決めた!G戦で同一カード3連勝巨人2-3阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人2-3阪神=延長十二回、9回戦、阪神6勝2敗1分、8日、東京ドーム)阪神は2-2の同点で迎えた延長十二回二死一塁から代打・桧山が右翼線を破る適時二塁打を放ち、勝ち越しに成功。ベテランの今季初安打がチームを同一カード3連勝へ導いた 代打の神様・桧山が値千金の一打を放った。同点で迎えた延長十二回。田上の四球などで二死一塁から桧山がマシソンの直球を強振。右翼線を破る決勝の適時二塁打を放った。 今季はこれまで9打席無安打と苦しんだベテランだが、チームを勝利に導いた一打に笑顔。 桧山はヒーローインタビューで「本当に嬉しいですね。シーズンが始まって5月だというのに、チームメイトでただ一人、僕しかヒットが出ずに二日前には能見がホームランまで打ってる。野手として歯がゆい気持ちでやってきたが、なんとか出て良かったです」と虎ファンの大声援に応えた。()
2013年05月08日
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虎・スタン、リベンG斬り!完封で3勝目巨人0-5阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人0-5阪神、8回戦、阪神5勝2敗1分、7日、東京ドーム)やられたらやり返す。スタンリッジが最高の形でGへ仕返しだ。4月17日に3本塁打を浴び、5回4失点と炎上した東京ドームで、同じ轍は踏まないとばかり仁王立ち。来日4度目のシャットアウトを圧巻の6安打無四球で完成させ、端正なマスクに笑顔が弾けた。 「自分にとっても、ここで好投できたのはすごい。きょうの結果に関しては言うことナシだよ」 初回、二死から坂本に中前打を許したが、続く4番・阿部はバットをへし折って、二飛に仕留めた。前回の対戦で高めのボールをとらえられ、右翼席上段まで運ばれた難敵だったが、1打席目で“報復”に成功。狭い敵地、悪夢を教訓に、丁寧に低めに集めた。 中西投手コーチも「ゾーンの低いところに集めてゴロを打たせていた。長打の少ないゾーンに投げられていたし、それだけでなく内角も突けていた」と手放しで称えた。 難しいゴロは西岡、鳥谷が幾度となく好守でアウトにしてくれた。女房役の藤井彰の1発、さらに新井の2発で援護を得ると、助っ投もさらに勢いを増した。9回を119球で料理。2011年7月18日の広島戦(マツダ)以来の完封勝利で、4月24日の中日戦(ナゴヤD)から3連勝。防御率も1・56で、セ・リーグ2位に浮上した。 5月5日、日本の「こどもの日」の存在は知らなかった。だが、このナイスガイにとっては毎日が“こどものための日”だ。4歳になったキャッシュくんは、まだ野球にさほどの興味は示さない。もっぱらハマっているのはヒーローごっこ。時間があれば、スパイダーマンやバットマンなどのアメリカンヒーローになりたがる。「いつも悪役を演じるのが仕事なんだよ」とパパは不本意そう!? だが、マウンドではいつも最強のヒーローだ。勇猛果敢に、強い巨人を撃破した。 「危ない球もあったけど、全体的にまとめることができた。野手のみなさんの守備も、藤井さんのリードも素晴らしかった」 一度は屈辱を味わった地で、3週間越しのリベンジ。頼れる背番号55が、大きく胸を張った。(長友 孝輔)
2013年05月08日
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和田虎、3発で勝った!Gのお株奪う空中戦巨人0-5阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人0-5阪神、8回戦、阪神5勝2敗1分、7日、東京ドーム)宿敵のお株を奪う空中戦で完勝。和田監督はワンサイドゲームで巨人を寄り切った試合内容に手応えを感じていた。 「昨年は散々やられた。この屈辱というか、その気持ちを持ち合わせている。昨日取ったのが非常に大きいし、昨日取ったから今日がある。今日取ったらまた明日も、という気持ちになってくる」 とにかく気合が入っていた。第1戦をものにした指揮官は球場入りの際「それを生かすも殺すも今日、明日。交流戦前に巨人に嫌なイメージを与えたい」と意気込んでいた。同時に苦手にしていた杉内に対しても「3度目だしね。データとか配球とかわかっている」と自信を見せていた。 3発のアーチ粉砕。4安打ながら残塁ゼロで5得点という効率のよさだ。四回の守りでは阿部の中堅に抜けようかというライナーを回り込んでいた鳥谷が好捕した。情報を活用して、G倒。3・5差まで接近し、巨人の背中がはっきりと見えてきた。 「巨人側からすると1勝2敗では痛くもかゆくもないだろうから。もう1つ何とか。明日とって3つ(勝つ)という気持ちでまた球場にきたい」 就任1年目の昨季1勝9敗2分け(勝率・100)と涙をのんだ敵地で2007年9月7、8、9日以来、6年ぶりとなる同一カード3連勝を狙う。勢いは虎が上。牙をむき、食らいついた。絶対に離さない。(阿部 祐亮)
2013年05月08日
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恐怖の8番や!虎・藤井彰、本人ビックリ先制弾!巨人0-5阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人0-5阪神、8回戦、阪神5勝2敗1分、7日、東京ドーム)打った本人が一番ビックリしていた。8番打者が先制弾。藤井彰が難敵杉内から今季アーチを見舞った。貴重な先制ソロで一気に流れを引き寄せた。 「芯でとらえたけど、上がりすぎたから僕の力では無理だと思った。歓声を聞いて、二塁で審判にも聞いてビックリしました」 三回一死走者なしの場面で、内角高めに浮いた杉内の直球を振り抜いた。高々と上がった打球は左翼席で待つ虎ファンが呼び寄せるようにギリギリで着弾した。入るとは思っていなかったベテランは柳田二塁塁審に「ホームラン?」と確認し、目を見開いた。2012年5月31日のロッテ戦(甲子園)以来、約1年ぶりの一発は通算10発目。和田監督は「あの当たりが入るとは思わなかった。8番打者がここのところ相当仕事をしてくれている。ポイントゲッターになっている」と称えた。 まさに恐怖の8番打者だ。規定打席には達していないが打率は・305。打点11は昨年の10をすでに超えている。 「8番は2アウトでも投手につながれば、次の回は1番からですし、(西岡)剛がいるからかえしてくれるというのもある。今年はみんな打っているし、走者がいて、回ってくることも多いので」 昨年は顔面に死球を受け、骨折するなど、1軍と2軍を往復した。気分が乗らないまま迎えた6月18日の36回目の誕生日。娘・綾乃ちゃん(10)が絵画教室で書いたパパのホームランの絵をプレゼントしてくれた。11年7月2日の横浜戦(甲子園)で放った一発の写真が翌日のスポーツ紙に載っていた。それをモチーフにして懸命に描いたのだ。もう1本、娘のために…。愛娘の力作が原動力となった。 正妻としても、スタンリッジの2年ぶりの完封をアシストした。 「今は前(上位打線)が調子良いですし、今はうまいこといってますけど…」。男前が浮かれることはない。堅守とリードに加え、勝負強い打撃が加わった背番号「50」が虎を支える。(渡辺 洋次)
2013年05月08日
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阪神・新井、3戦&2打席連発で大暴れ!巨人0-5阪神バンザ~イ\( ^O^ )/ バンザ~イ\( ^O^ )/ (セ・リーグ、巨人0-5阪神、8回戦、阪神5勝2敗1分、7日、東京ドーム)打ち勝ったで!! 阪神・新井貴浩内野手(36)が3試合連続アーチの大暴れ。四回、右中間に4号3ランを放てば、七回にはトドメの5号ソロ。東京ドームで和田政権初の勝ち越しで、貯金は今季最多の「5」。首位に3・5差接近。ついに覚醒したかつての4番が、虎を優勝に導く。 この音が聞きたかった。巨人ファンの悲鳴を切り裂き、白球がスタンドへ消えていった。新井が今季初の3試合&2打席連続アーチ。右肩痛を乗り越えた元4番が、大暴れだ。4番奪回へ号砲を鳴らした。 「(1本目は弟の)良太が粘って四球でつないでくれたので、なんとか走者をかえしたいと思って打席に入った。(2本目は)追い込まれていたのでコンパクトにいこうと思ってたけど、最高の結果になってよかった」 大歓声を浴びながら、敵地で受けたヒーローインタビュー。虎党から「4番を打て!!」というゲキが飛んだ。新井は凛とした表情で「しっかりがんばります!!」と答えた。 まずは1点リードで迎えた四回二死一、二塁だ。杉内が投じた外角138キロの直球を振り抜き、右中間席へ4号3ランを放った。2年ぶりの3試合連続本塁打をマーク。これだけでは終わらない。七回一死で、またも杉内から左中間へ5号ソロ。昨年の8月17日のヤクルト戦(神宮)以来となる2打席連続本塁打も記録した。 昨季から杉内が先発した試合で虎は6連敗(1分けを挟む)していたが、力で食い止めた。和田監督は「新井は本来のものにかなり近づいている」とうなずいた。 5月に入り、新井は6試合で打率・429、4本塁打、12打点と絶好調だが、ここまでの道のりは平坦(へいたん)ではなかった。思いだすリハビリの日々。今春のキャンプでは、背中を痛め途中から2軍の安芸行きを命じられた。 完治して開幕1軍に間に合わせたがベンチスタート。「今年の俺は補欠だから」と、つぶやくこともあった。だが、心は折れずに休日返上で練習を重ね、水谷チーフ打撃コーチと新しい打撃フォームを作り上げた。同コーチから「打席の中でもっと(本塁ベースに)近づけ。5センチでも全然違う。それじゃ外角に手が届かん」というアドバイスに耳を傾けた。「逆方向に質のいい力強い打球が打てるようになってきた」。自信を取り戻した。 「自分の状態もいいですし、チームの雰囲気もいいので、どんどん盛り上げていきたい」 大砲が描く上昇気流に乗り、チームは今季最多の貯金「5」。新井が4番に座れば、開幕前に和田監督が思い描いていた構図が完成する。首位巨人に連勝で3・5差接近。新井がペナント争いを面白くする。★権田さんに感謝 新井は2軍のリハビリ担当、権田康徳トレーナー(42)に感謝した。今春のキャンプ途中から2軍安芸行きを命じられ、2人で取り組んできた。「こうやって普通にやれているのも権田さんのおかげ。信じて2人でやってきたから」。キャンプ中には何度も食事に誘った。恩返し弾だった。データBOX 阪神・新井が2011年の4月30日、5月1、3日以来、2年ぶりとなる3試合連続本塁打を記録した。広島時代に05年6月22日のヤクルト(広島)戦から同28日の阪神戦(米子)までの6試合連続本塁打を記録している 新井が1試合4打点。今季は5月3日のヤクルト戦(甲子園)以来2度目。1試合最多打点は6で、広島時代の06年、阪神移籍後の09年、10年に記録している 貯金「5」は今季最多。昨年4月13日の中日戦(甲子園)以来で和田阪神の最多タイ(紙面から)
2013年05月08日
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