阪神タイガース  われら猛虎党






2007年5月20日(日) 対横浜 8回戦 甲子園

阪神1×0横浜


4  所載はこちらをクリック 


ミスターゼロや中村泰!6回9K今季初先発初勝利、虎3連勝!

今季初先発初勝利を飾った中村泰。三振の山を築き、マウンドに仁王立ちだ
 (セ・リーグ、阪神1-0横浜、8回戦、4勝4敗、20日、甲子園)ええやん、ヤッさん!! 阪神は左腕、中村泰広(28)が6回9奪三振の快投で今季初先発初勝利。KJFとの完封リレーで、3連勝に導いた。22日・ソフトバンク戦(ヤフーD)からの交流戦突入を前に、完封勝利した杉山に続く連続0封。虎投に光明や!


 思いを込めたスライダーが、ことごとくバットに空を切らせる。プロ入り3度目の先発マウンドで、中村泰が威圧感すら漂わせた。六回までに9奪三振。圧巻の奪三振劇場に聖地のボルテージは最高潮に達した。

 「ここは何回でも立ちたい思わせてくれる場所です!!」

 自身2度目となる本拠地のお立ち台で叫んだ。6回4安打無失点。昨年7月以来の先発マウンドももの怖じしなかった。まずは一回だ。先頭・仁志に中前打を浴びるも、そこから本領を発揮。続く石井琢、金城、村田を連続で空振り三振。伝家の宝刀スライダーでなぎ倒した。勢いは止まらない。三回も豪快にファンを沸かせた。仁志、石井琢を空振り三振させると、最後は金城を見逃し三振。横浜打線を完全に封じ込めた。

 「1イニング、1イニング。3回でバテてもいいと思った」

中村泰(右)は打のヒーロー林威助とお立ち台で笑顔
 待ちこがれた舞台だった。秋季キャンプから「ポスト井川」争い。だが、小嶋、能見、江草らにおくれを取り、開幕は二軍スタート。4月20日に昇格を果たしたが、仕事場は中継ぎ。だが、9試合、13イニング連続無失点で先発を勝ち取った。

 オフに奈良の実家へ帰った際、両親から「自分の出せる力以上のものは、絶対に出せないんだからね」と諭された。先発ローテ入りしたい-その気負いを見抜かれたかのようなメッセージ。肩の力が抜けた瞬間だった。

 その教えが、マウンドで活きている。まな弟子の活躍をチェックしている奈良・郡山高時代の森本達幸監督は「投げ急がず、落ち着き払っている」と話す。昇格後、電話で中村泰は「もうプロに入って5年もたつんですよ」と笑ったという。

 久保チーフバッテリーコーチは「今後も頭(先発)のラインアップには入ってくる」と太鼓判。岡田監督も「若い投手が頑張れば、次投げる投手の刺激になる。ベテランも頑張らんとな」と絶賛した。

 「毎試合でアピールしていかないといけない立場ですから」

 ジャン、同期の杉山に続き、先発が3試合連続で無失点。今季3度目のカード3連勝で借金は「3」。過去2年、たっぷり貯金を稼いだ交流戦へ。逆襲の虎の牙は磨き上がった。

林でっかいでっかいタイムリー!“鬼指令”にもフルスイング!

四回裏一死一、三塁で右前へ運んだ林威助。“虎の子”の1点を叩きこんだ
 (セ・リーグ、阪神1-0横浜、8回戦、4勝4敗、20日、甲子園)この肝の座ったスイングが林の専売特許だ。0-0で迎えた四回一死一、三塁。打席に向かう背番号31に、正田コーチの“鬼指令”が飛んだ。

 「三振だけは、したらアカンぞ!」

 相手は内野が下がり、1点覚悟の守備隊形。転がせば1点だが…言うは易し。しかもマウンドには2日前に打ち取られたサイド左腕・山北だ。

 「とにかく三振だけはしないように。それだけを考えていました」

 0-2から、外角低めの難しい変化球が2つ決まり、2-2。追い込まれた。「バットに当てよう…」。しかし5球目、甘く入った126キロスライダーを振り抜いた鋭さは、とても当てにいったものではない。快音を残した打球がアッと言う間に一、二塁間を破る。3連勝に導く虎の子の1点は、けれんみのないスイングから生まれた。

 「甘い球でしたからね。ラッキーです」

 涼しげに振り返ったが、瞬時に体が反応した見事な『左腕』+『変化球』打ち。六回も、左腕・那須野のスライダーをライナーで右前へ運んだ。これで今季対右投手の打率が.372に対し、左投手でも.303。左投手の時はベンチに下げられ、変化球で打ち取られたのはもう過去の話だ。

 今春のキャンプで、広沢コーチが林の成長として挙げていたのが“間”の取り方。球に対して一瞬、体が止まれる感覚だ。開幕直後こそ浜中にスタメンを譲ったが、ライバルの離脱後、試合を重ねるごとに飛躍的に対応力はアップ。

 「やはり経験ですね。球の曲がり方とか、打席に立ってみないとわからないですし」。21日に浜中が一軍合流するが、もう争う立場ではない。不動の座を、姿と結果で築いた。

 二回には右前打を後逸するまずい守備(三塁打)も、「バットでいいアピールしないと」と反発力も見せての、12試合連続安打。同級生・中村泰とのお立ち台では「ヤッさんナイスピッチング!」「リンさんナイスバッティング!」と声をかけ合った。はや28歳、柱となる時期。パの強敵に挑む交流戦へ向け、虎の新時代を感じさせるツーショットだった。

3回無失点『KJF』安心リレーで球児12S!さあ次は交流戦!

七回からリレーした久保田、ウィリアムス(中)、藤川(下)。万全をキープして、交流戦に臨む
 (セ・リーグ、阪神1-0横浜、8回戦、4勝4敗、20日、甲子園)1点あれば、十分。今さらながら、そう思わせる盤石ぶりだ。打線が14残塁と、フラストレーションの溜まる拙攻を繰り返す中、七回は久保田、八回はウィリアムス、そして九回は藤川。3人で1安打を許しただけで、薄氷の“逃げ切り劇”を危なげなく完了した。

 「すんなり入る方が、良くないことが多いんで。あまり気にせず、投げました」

 厳しい場面にも、藤川はいつも通りの快投。先頭の内川を中飛の後は、MAX153キロの剛球を武器に、佐伯、吉村を直球で連続三振に締めた。これで5試合連続セーブとなり、中日・岩瀬に並ぶセ・トップタイの12S目。「(交流戦で)またやり直すつもりでやります」と力強く話した。

完封リレーで3連勝を飾り、ハイタッチする阪神ナイン
 七回を打者3人ピシャリ、1奪三振で斬った久保田は、MAX154キロを計時。同期入団の中村泰が好投していただけに「ヤッさん(中村泰)がいい投球をしていたんで無駄にしたくなかった。これからですよ」と“男気”を見せれば、八回を1安打無失点のウィリアムスも、「今日は中村泰の投球に尽きるよ」と笑顔で振り返った。

 「藤川も久保田もよかった。俺はまあまあだったけどね。インターリーグ(交流戦)、ガンバリマス!」

 JFKそろい踏みは、これで13勝1敗1分け。湿り続けた打線と、先発陣の不調に苦しんだ中で、その存在がチームを支えた。そして、これからも…。パの猛者相手に、虎の生命線が躍動する。









お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007年05月21日 16時42分33秒
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: