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久しぶりの茶会記。加古川青年会議所さんの例会事業の一環という形でお茶を頂いてきました。場所は国宝鶴林寺の一角。この設え自体が、非常に贅沢です。お軸の「滝三千丈」の「滝」の縦の線がすーっと流れて、涼しげ。お花もシンプルに活けられています。お菓子は亀屋さんの「清流」。鮮やかな色の上に鮎の絵が押されていて、また、「清流」の名が加古川に相応しい。大人数で頂戴するにも関わらず、数茶碗ではなく、様々な茶碗で出して頂きました。私が頂いたのはシンプルなお茶椀でしたが、ガラスの茶碗や夏野菜を描いた茶碗もあり、夏らしい設えでした。何より、お茶が甘くてまるく、美味しかったです。お茶から離れて久しくはありますが、落ち着いたら、またお稽古を再開したいものです。
August 18, 2015
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こんな本を読んだ。麻耶雄嵩 『神様ゲーム』島田荘司 『アルカトラズ幻想』 ==========麻耶雄嵩『神様ゲーム』麻耶雄嵩氏の小説を普通の人に勧めることは怖くて出来ませんが、私自身は文庫化された氏の小説は全部読んでいるので、どんな驚きの結末が待っていようと、世界が壊れる気分を味わおうと、覚悟はしていたつもりでしたが、それでも、この小説のラストでは、疑問と混乱の渦に巻き込まれました。「神様」は正しいとするのか、間違いもあると考えるのか、「真実はいつも一つ」なんて無邪気に言える探偵が羨ましい。殺された猫はシュレディンガーを意図しているのか。開けた先に、背徳と混沌が詰まっているという悪夢のびっくり箱。読んで、決して幸せな気分になどさせてはくれませんが、小説を読むという行為だけで、自分の持っている世界観をガラガラと壊してくれる麻耶雄嵩体験は、他の小説では得られない唯一無二のものです。とりあえず、何が間違いかと言えば、この作品が子供向けのミステリーレーベルで刊行されたということ。『神様ゲーム』で初めてこの作者に出会った読者は、どこへ放り出されるのだろうと心配になります。ちなみに、氏の数ある作品の中で勧める本を選ぶなら、ノンシリーズの『螢』か『隻眼の少女』。どちらも、もちろん、幸せな気分なんかにはさせてくれない、その代わりに、世界が崩壊する気分が味わえる、素晴らしい作品です。 『螢』 『隻眼の少女』==========島田荘司『アルカトラズ幻想』解説の伊坂幸太郎氏をして、「僕には書けない」と言わしめる快作。冒頭の酸鼻極まりない残虐な事件の発生から、恐竜の存在についてあっと言わされる「重力論文」、難攻不落のアルカトラズをめぐる脱走劇、そしてファンタジーとしか思えない「パンプキン王国」での生活、何を読んでいたか分からなくなるほど急な展開を見せる物語を、最後のエピローグでまとめ上げる鮮やかな手腕は、さすがの一言。それにしても、どうなんだろう「重力論文」。説得力がありすぎて、古生物学にこのまま一石を投じて欲しい程なのですが。「恐竜」に興味のある人は、この章だけでも読む価値十分あり。かって、松本清張氏や高木彬光氏が、古代史学に投じた一石、いや、哲学者の梅原猛氏の古代史学に対する業績に匹敵するぐらい、あと数年後には、古生物学のスタンダード学説になって、図鑑から何から書き換えてしまう可能性のある「論文」です。「宇宙」に興味がある人も読む価値があります。文字通り、宇宙規模で考えての、地球をはじめとする太陽系各惑星の自転周期の謎について、こんなに分かりやすく語られている本はありません。「人類の進化」に興味がある人も、読むと面白いでしょう。何故、どのような進化があって、哺乳類の中で人間は単独で子供を産むことが難しくなったのか。納得のいく答えがここにはあります。もちろん、他の章もそれぞれ魅力に満ちた展開を見せ、まさに「巻を措く能わず」。とにかく、とんでもない作品であることは間違いなく、これぞエンターテインメント。島田先生の作品力に改めて脱帽させられた読書体験でした。
August 18, 2015
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こんな本を読んだ。いとうせいこう 『想像ラジオ』又吉直樹 『火花』京極夏彦×柳田國男 『遠野物語拾遺 retold』 ==========いとうせいこう『想像ラジオ』前から気になっていた本。死者への弔いの仕方は、国によっても、時代によっても、人によっても全然違いますが、最も重要なポイントは、残された生者がいかに「納得」するか、ということです。この小説は、「小説」という形を借りた、死者への弔い。そして、読むこともまた、弔いに加わることなのだと思います。決して重い小説ではなく、清冽なイメージが貫かれ、読みやすく、読んで心に沁みる、そんな作品。==========又吉直樹『火花』基本、本は文庫化待ちなのですが、父が買ってきたので借りて読みました。「お笑い」という舞台を背景に、理詰めで引っ込み思案な主人公と、所属事務所も違う先輩との関係が描かれた作品。表現も文学的だし、ネットニュースのシーンとか、終盤の漫才のシーン、いわゆる「消えていった芸人」にも光を当てる筆致、最後の花火のシーンと合わせての「生きている限り、バッドエンドはない。」というメッセージなどは、とても良いと思うのですが、期待が大きかった分、少し肩すかしかな、と。「文学的であらねば」という縛りで、面白さを削いでしまっている感じがするのは、まさに作中の主人公のジレンマと同じ。「純文学」の定義が僕には分からないのですけれど、結果面白くなくなるなら、意味なくない?と思うのです。==========京極夏彦×柳田國男 『遠野物語拾遺 retold』京極夏彦×柳田國男 『遠野物語 remix』を読んだのは昨年のこと。前作に引き続き、なかなか原文で読むのがつらい原著を、リミックスし、語りなおすことで、読みやすく「編集」する手腕はさすが。そして、やはり、この物語群も怖さと不思議さに満ちています。ミステリーとは違い、解決なんてない、純粋なる不思議さ、奇妙さ。それは怖さの一方で、なぜか郷愁をかきたてるのです。
August 6, 2015
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