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December 5, 2005
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カテゴリ: 環境
ま、平たく言って、趣味なのですが、現代美術を見る時、環境関連の集いに行く時は、意識して和服を着るようにしています。
いつもは「目立ちたいから」と言ってお茶を濁していますが、先日環境関連の打ち上げに混ぜて頂いたお礼に、偶には真面目に、このお話をしましょうか。

mixi上では「体を張った現代日本文化評論」と表現していますが、その観点は下記になります。

・地産地消
・温故知新
・話題提供

以下、この順に話を進めて参りましょう。



【1.地産地消】

他の言葉で言うと「伝統文化」になるわけですが、つまり、その気候風土で育くまれたモノは、その気候風土にあったものである、ということ。

ここでは、「伝統産業」と「文化評論」について、お話したいと思います。

<1.1.伝統産業>
それぞれの地方には、その土地の気候風土に根差した産業があります。
もちろん、時代の移り変わりと共に、その土地で作られるモノは変化していきます。求められるモノが変わっていく以上、仕方ありません。

そのことは認めた上で、地場産業の見直し、地場産業の復権を考えましょう、というのが、この骨子です。

日本の伝統産業は、いや「伝統的」と定義される産業であれば、どの国のものでも、基本的に豊かな自然の恵みを前提として成り立っています。

逆に言えば、地場産業を守ろうと思うと、その背後にある「豊かな自然」まで守る必要があります。
私の着物姿の背後に見ていただきたいのは、その意識。
きれいな水、きれいな空気が、厳しい自然、優しい自然が、「民族衣装」には織り込まれているのです。


<1.2.文化評論>


異文化に対して、ちゃんと向き合った時に、「エスニック」なものとして、一種奇異の目で捉えてしまう前に、自分の文化的アイデンティティを整理しておく必要があるのではないか、と。

しかし、その段階では実践に至りませんでした。
値段が高いイメージがあったこと、着付けが分からなかったこと、何から始めてよいかが分からなかったことが原因です。

その後、お茶を習い始めたのをきっかけに、和服を自分で着るようになりました。

ところが、和服を着て歩くと、周りの扱いが微妙に違ってくる。



この話の先には、「文化立国」を目指す時に、その重要コンテンツの一つとしての着物、という考えも持っているのですが、これは、環境問題とは少々離れた視点になりますので、今回は割愛します。



【2.温故知新】
石川英輔先生の『大江戸リサイクル事情』等に詳しいですが、江戸時代は、外国からの資源輸入などがなかったこともあり、基本的には、国内の産物、太陽エネルギーからの恵みから社会が成り立っていました。
環境問題の視点でいうと、「リサイクル」文化が発達していた時代であり、持続可能な社会が達成されていたわけです。

着物もこの例に漏れず、一枚の布から作り出された着物は、例えば他の衣服に仕立て直され、最後には雑巾になるまで使い続けられました。紋付のもの(でなくてもですけど)は親から子へと受け継がれてきたのも、着物の伝統。

タイムリーな話題で言うと、先日の紀宮様が、結婚式で美智子様が着られていたお着物をお召しになってましたね。

江戸には既に古着屋さんも発達していました。
私の持っている和服の大半もリサイクル着物ショップ「たんす屋」さんから購入しています。

良いモノが良いモノとして受け継がれていくのは、現在の大量生産-大量消費-大量廃棄に対するアンチテーゼとしての意味があります。
建築物という一種の芸術作品ですら、このサイクルにのせてしまう現代日本社会。

もちろん、私は、江戸時代の生活に戻れば良い、なんてことは思っていません。
便利なものは便利なものですし、生活の質を向上させられるものを使うことに反対はしません。
つまりは、スタンスの問題。単に「新しいモノ」ではなく「良いモノ」を選ぶ眼を持ちたいものです。




【3.話題提供】
「目立ちたいから」という答えは、間違いではありません。
ただ、私が考えているのは、その先にある「話題」という問題です。

正直私は人の名前を覚えるのは苦手ですし、まして直接喋ったことのない人なんて覚えられません。
でも、そういう人は珍しくない、と自分に言い訳をするのですが、ならば覚えてもらいましょう、と。

特に環境関連の世界は、狭いようで広い世界。
入れ替わりも多いですし、先輩後輩の関係もあったりします。

その中で「森田がさぁ」「えっと、それ誰だっけ?」となってしまうことを避け、自らの記号化を図るのが目的。
「いや、和服の…」「ああ、あの人が森田」。

本人のいないところであれ、なんらかの共通の話題のきっかけになれば、という捨石の意識も私は持っています。

できれば「何故あの人は和服なのか?」という問いから、今回述べてきたような、環境意識の発露を読取って頂ければありがたいのですが…今まで、ちゃんと説明したことがなかったですからねぇ。無理ですね。「ただの変な人」扱いだものなぁ。
ただ、話すとこんなに長くなるから、今まで説明しなかったわけです。

それに、小難しい事言って煙たがられるよりも、結果として楽しんで頂いた方が嬉しいですからね。



まぁ、何かの間違いでこれを読まれた方は、話題に困った時にでも、この話をして頂ければ幸いです。
伊達半分、酔狂半分ではありますが、実は、こんな考えを背負って私は和服を着ているのですよ、というお話でした。





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Last updated  December 6, 2005 02:57:47 AM
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Re:私が和服を着る理由。(12/05)  
chobi-rin  さん
mrtk@jpさんとの初めての出会いは、私のリンク先の方のコメントでして、「ホワイトバンドデーに白装束で行った」というお話でした。おもしろいヒトだな~(良い意味でですからね!)って興味を持って、今に至っているわけですが、そういう理由があったのですね~。納得。
最近では、若い子の浴衣姿が増えていいことだと思っていますが、丈が短かったり、着こなしが「?」なのがちょっと気になるかも。

今の日本って使い捨て文化ですよね。音楽を聴いているだけでもそう思ってしまいます。今,流行っている音楽で、10年、20年と歌い継がれて行くものはどれだけあるのでしょう・・・?

こういうブログでの声が少しずつ集まって、大きな声になって行くといいなと思っています。
(December 7, 2005 03:08:10 PM)

白装束  
mrtk@jp  さん
いや、さすがに、そこまでの覚悟を決めていったわけでは(苦笑)。



良いモノであっても、残す努力をしないと残らないのが現実です。

憲…建築の話などに関っていると、特にそれは強く感じます。

でも、環境問題に関しては、世の中の流れは、少しずつ良くなってきているな、ということを実感します。

どれほどの悔し涙を、どれほどの無力感を、どれほどの怒りを、どれだけの人が感じてきたことか。
そのために苦労してこられた人生の諸先輩方に感謝。

次はこの流れを、どうBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国)などの急成長国へ、あるいはアメリカなどへフィードバックしていけるかを真剣に考える時代に来ていますし、実際、その流れも始まっています。

「未来への布石」。
私の打っている石も、どこかで生き筋になることを信じて。 (December 8, 2005 12:36:44 AM)

芸人根性  
まなか さん
このブログ自体が壮大なネタ?
とふと感じてしまう君の人生がすてき。 (December 8, 2005 12:55:26 AM)

なので、つまり  
mrtk@jp  さん
あまり一般社会人向け仕様になっていないところが問題。 (December 15, 2005 01:09:37 AM)

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mrtk@jp @ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
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