「違反選手は出られない」と投稿 金メダリストのキム・ヨナさん
共同通信社
2022/02/14
【北京共同】フィギュアスケート女子で 2010
年バンクーバー冬季五輪金メダリストのキム・ヨナさん(韓国)が 14
日、自身のインスタグラムに「 ドーピング違反をした選手は試合に出場できない
」などと投稿した。違反が判明しながら北京冬季五輪の個人種目出場が可能となったロシア・オリンピック委員会( ROC
)の 15
歳、カミラ・ワリエワを念頭に置いたメッセージとみられる。
キム・ヨナさんは「 規則は例外なしに守られなければならない。全ての選手の努力と夢は等しく尊い
」と英語でつづった。
「違反選手は出られない」と投稿 金メダリストのキム・ヨナさん (msn.com)
ワリエワ、疑惑残したまま出場「 OK 」 CAS はドーピング違反問題 “ 棚上げ ” で裁定
昨年 12
月のドーピング違反が判明したフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ( 15
、ロシア・オリンピック委員会= ROC
)の五輪個人戦出場が認められた。スポーツ仲裁裁判所( CAS
)が 14
日、暫定資格停止処分の解除を不服とする国際オリンピック委員会( IOC
)などからの提訴を却下した。要保護者である 16
歳未満など「例外的な状況」が考慮された金メダル最有力候補は、 15
日の女子 SP
に 26
番滑走で出場する。
CAS
は 13
日夜、オンライン形式の聴聞会を約 5
時間半も開催。ワリエワ本人、暫定資格停止処分を解除したロシア反ドーピング機関( RUSADA
)、提訴した IOC
、世界反ドーピング機関( WADA
)、国際スケート連盟( ISU
)を事情聴取し、以下の「 例外的な状況
」で処分解除は妥当と裁定した。
( 1
) WADA
規定で 16
歳未満は処分軽減など柔軟に対応する「要保護者」で暫定資格停止に関する記述はなし
( 2
)北京五輪期間中は陽性判定なしで、昨年 12
月の陽性反応は手続き継続中。この状況で五輪出場を認めなければ彼女に取り返しがつかない損害を与える
( 3
)選手側には非がない検体の提出遅れにより、自己弁護の手続きができなかった
裁定は五輪出場の可否のみで、昨年 12
月のドーピング違反を否定したわけではない。ワリエワが ROC
の金メダルに貢献した団体戦の取り扱いも別の手続きとなり、 IOC
は今大会中にメダル授与式は行わないと発表。失格になった場合は 3
位の日本が銀メダルに繰り上がる可能性がある。今後の処分も考慮し、個人戦でワリエワがメダルの対象となった場合も表彰式は実施せず、 SP
でフリー進出可能な 24
位以内に入れば、 25
位の選手もフリーに進める
とした。
疑惑の霧が晴れないまま迎える女子 SP
。「絶望」の演技は何を世界に訴えるのか。
◆
カミラ・ワリエワ 2006
年 4
月 26
日生まれ、ロシア・カザン出身の 15
歳。 09
年にスケートを始め、 18
年シーズンからトゥトベリゼ・コーチに師事。 19
~ 20
年シーズンにジュニア・グランプリファイナルと世界ジュニア選手権を制覇。 21
年からシニアに参戦し、スケートカナダやロシア杯、欧州選手権で優勝。 SP
の 90.45
点、フリーの 185.29
点、合計 272.71
点はいずれも歴代世界最高記録。 1
メートル 60
。
ワリエワ、疑惑残したまま出場「OK
」CAS
はドーピング違反問題“
棚上げ”
で裁定 (msn.com)
◇ ワリエワ問題の経過
◇
▼ 21
年 12
月 25
日 ロシア選手権(サンクトペテルブルク)女子シングルでワリエワが優勝。尿検査で検体を提出。検査はロシア反ドーピング機関( RUSADA
)が担当。
▼ 22
年 2
月 1
日 五輪初出場のワリエワが ROC
(ロシア・オリンピック委員会)のフィギュアスケートチームの一員として北京入り。ロシアは過去の組織的ドーピング違反で国としての国際大会出場が認められず、 ROC
の選手として個人参加の立場。
▼同 7
日 北京冬季五輪フィギュアスケート団体で ROC
が優勝。ワリエワは女子シングルで五輪の女子競技史上初めて 4
回転ジャンプを着氷。 1
位となり金メダル獲得に貢献。
▼ 8
日 ロシア選手権の検査結果を WADA
の認定研究所(ストックホルム)が RUSADA
へ報告。禁止薬物のトリメタジジンに陽性反応を示したため、 RUSADA
はワリエワを暫定資格停止処分に。北京市内で予定されていた団体戦の表彰式は「法的問題」により延期が発表。
▼ 9
日 ワリエワ側が RUSADA
の規律委員会に異議申し立て。暫定資格停止処分が解除される。理由は非公表。五輪専門メディアがドーピング疑惑を報じ、ロシアのメディアはトリメタジジンが検出されたと報道。
▼ 10
日 ワリエワが個人戦へ向けて北京市内で練習を再開。
▼ 11
日 北京五輪のドーピング検査を管轄する国際検査機関( ITA
)がワリエワの大会前のドーピング違反を公表。国際オリンピック委員会( IOC
)と国際スケート連盟( ISU
)が暫定資格停止処分解除への異議をスポーツ仲裁裁判所( CAS
)へ申し立て。 ROC
は 12
月 25
日以外の検査結果は陰性で、団体戦の金メダルは正当と主張。
▼ 12
日 CAS
が IOC
、 WADA
からの異議申し立てを受理と発表。エテリ・トゥトゥベリゼ・コーチはロシア・メディアでワリエワの潔白をアピール。
▼ 13
日 WADA
がワリエワのコーチや医師ら周辺スタッフの調査を独立委員会に依頼と明かす。 CAS
がオンライン形式で聴聞会を実施。 IOC
、 WADA
、 ISU
、 RUSADA
、ワリエワ本人、 ROC
を北京時間深夜まで事情聴取。
▼ 14
日 CAS
がワリエワの北京五輪個人戦出場可否の裁定を発表。
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