リカーマンが行く!!
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遠方に住む大学時代の友人から、「訃報」と題されたメールが届いた。何事かと開いてみたら、大学時代の同級生が、病気で亡くなったという知らせだった。彼はどちらかといえばアクが強く、ある意味「一匹狼」的なタイプだったので、嫌われることも多かったように記憶している。私自身も彼とは特別親しかったわけでもなかったので、通夜や告別式に出席することは辞退して、通知してくれたことに謝意を示す返信メールを送っておいた。亡くなったその同級生は、卒業後も大学院に進み、研究者の道を進んでいたと、以前に聞いていた。そこでインターネットで彼の名前を検索にかけたところ、現在は母校で非常勤講師をしていたことが分かった。また、彼が遺した論文の数々も続々と画面に出てきた。研究者として、まだまだこれからという矢先の死に、彼自身もきっと無念だっただろうが、彼自身が生きた証として、これらの研究成果があると思うと、そういったものを残せる立場に居た彼を羨ましくも思える。翻って、私自身の生きた証として何か有るだろうかと思うと、残念ながら特に思い当たるものが無い。ただ別に名誉が欲しいわけではない。せめては私の今のこの仕事を、何らかの私にしか出来ないような形で、顧客の皆さんに認識してもらえるような、そういう仕事にしたいものだ。ちょっと解かりづらい表現だったかもしれないが、要は私がこの世を去ったときにでも、「アイツは面白い酒屋だった」、「アイツが勧めてくれた酒は旨かった」などと、周りの人の心に引っ掛かる存在であればと思うのだ。
2007年03月01日
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