*Muku* Blog

 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　イギリスで制作されたドキュメンタリー映画。

1982年に結成されたアメリカ合衆国のコーラス・グループ。

音楽監督と指揮を担当するボブ・シルマン（1953年生まれ）が、 地元ノーサンプトンの公営住宅ウォルター・サルヴォ・ハウスに住む高齢者を集め、ロックやR&Bを歌うというコンセプトで 結成された。

 2007年7月にロサンゼルス映画祭で先行上映、同年8月、アルバム『Mostly Live』発表。2008年に劇場公開された。

1996年にはロッテルダム公演を行い、その後ヨーロッパ、オーストラリア、カナダでも公演を行った。

2010年3月に行われた初の日本公演では、THE BLUE HEARTS「リンダリンダ」やRCサクセション「雨あがりの夜空に」といった日本の楽曲も歌われた。 

監督:　スティーヴン・ウォーカー　　　製作:　サリー・ジョージ

出演:　お茶目な花形スター、アイリーン・ホール(92歳)　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　6度のガン治療に耐えた超人、ジョー・べノア(83歳)

　　　　歌詞を忘れる レニー・フォンティン(86歳)

　　　　音痴な歌好き スタン・ゴールドマン(76歳)

　　　　重病から奇跡の復活 ボブ・サルヴィーニ(76歳)

　　　　孫が23人曾曾おばあちゃん ドーラ・B・パーカー(83歳)

　　　　皆を愛する厳しい指導者 ボブ・シルマン(54歳)

　　・・・他、歌を愛するコーラス隊の皆様(平均年齢80歳!)　

ボブ・シルマン（音楽監督、指揮）

Should I Stay or Should I Go / クラッシュ

Purple Haze　/ ジミ・ヘンドリックス
Golden Years　/ デヴィッド・ボウイ
Road to Nowhere　/ トーキング・ヘッズ
Dancing in the Dark / ブルース・スプリングスティーン
Forever Young / ボブ・ディラン
Staying Alive / ビージーズ
Nothing Compares 2 U / プリンス
She’s Not There / ゾンビーズ
Schizophrenia /　ソニック・ユース
I Got You(I feel Good) / ジェームス・ブラウン
Fix You / コールドプレイ
Yes We Can Can / アラン・トゥーサン

本拠地はマサチューセッツ州のノーサンプトン。　

7週間後に予定されてるコンサートの準備が始まった。　１９８２年にこのグループを立ち上げたボブ・シルマン。　施設で古いヒット曲を歌っていた老人グループがあり、ある晩、８４歳のおばあさんが　”ドゥワ・ディディー”（マンフレッド・マン１９６４）　を熱唱して大喝采。それがすべての始まりだった。

高齢・持病と闘いながらコンサートの練習に励む、こころ元気いっぱいのヤング＠ハートのメンバーたち。　

ボブ・シルマンから与えられる楽曲に戸惑いを見せる。

「そんな曲、歌える訳がない。」

それもそのはず、１９８７年ソニック・ユースのパンク曲。Schizophrenia（スキッツォフレニア）　”統合失調症”　という曲。

でも、徐々に馴染んでいく。

♪　久しぶりに訪ねた俺の古い友達

　　妹が出てきたけど　どう見てもフツーじゃない　

　　その目は宙を泳いでる　どう見てもフツーじゃない

　　兄貴は　”イカレ女”　と　首には金のクサリ　～　

 　～　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　♪　　　　　・・・というような歌詞の曲　

　ラモーンズのI Wanna Be Sedated（１９７８）もすごい。

♪　２０・・２０・・２４時間前　睡眠薬が欲しかった

　　何もする気もなく　ただ眠りたかった

　　車イスで飛行機に乗せられた　急がないと気が狂う

　　指も利かない　頭の中は真っ白　

　　お願いだ　眠らせて！　　　　　　　　　♪

でも、しっかりした音程でノリノリで歌っている。

感動したのは、”ハンプシャー刑務所　矯正センター”　へ慰問コンサートへ行った時の曲。

ボブ・ディランの　Forever Young（１９７４）

♪　神の祝福があなたにあることを

　　あなたの願いが叶うように　

　　困っている人に力を貸し　

　　力になってくれる人を受け入れよう

　　大空に輝く星までハシゴをかけて

 　　一段ずつ登っていこう

　　そして　時の続く限り　いつまでも永遠に若く　

　　いつまでも永遠に若く　～

　　～ 　　　　　　　　　　　　　♪　　　　　　　（曲は続く）

すごくいい曲だった。

魂を込めて歌うヤング＠ハートに囚人たちは立ち上がり感動の拍手。涙を浮かべる者もいた。

ヤング＠ハートのコンサートチケットは発売すれば即完売で大人気。

メンバーがひとり、またひとりと天国へ旅立って行っても悲しみに負けずに歌い続ける。

フレッド・ニトルがソロで歌うコールドプレイのFix You （２００５）もすばらしい曲だった。

 ♪

ベストを尽くしても成功が得られない時

欲しいものと必要なものそれが一致しない時

死ぬほど疲れているのに眠れない時

何かがかみ合わない

涙が頬をつたって流れる

かけがえのないものを失った時

愛を捧げてそれが報われなかった時

それ以上の苦しみはない

光が君を家に導いてくれる

そして君の骨を燃え立たせてくれる

僕が君の痛みを癒そう

空に届くほど高く　地の底まで深く

思い切る事のできない　深い愛

努力しなければ決して知ることはない

自分の本当の価値を

光が君を家に導いてくれる

そして君の骨を燃え立たせてくれる

僕が君の痛みを癒そう

涙が頬をつたって流れる

かけがえのないものを失った時

涙が頬をつたって流れる

涙が頬をつたって流れる

君に約束しよう僕は間違いから学ぼう

涙が頬をつたって流れる

光が君を家に導いてくれる

そして君の骨を燃え立たせてくれる

僕が君の痛みを癒そう  　　♪

「生」と「死」のはざまで、命の炎を力いっぱい燃やし続けながら自分たちも人生を楽しみ、また多くの観客に逆に元気を与え続けるヤング＠ハートのパワーに感動した。