さるのちえ

さるのちえ

2008年04月08日
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カテゴリ: 徒然のままに
昨夜からの風雨は東京の桜を吹き散らしてしまった。道路に散った桜の花びらも流してしまうほどの豪雨‥。人の世を象徴するかのような暴風雨だった。今日は、孫の中学校入学式だった。傘もさせないほどの風雨のなかをまっさらの制服を着て出かける孫の顔に、雨か涙か分からないけれど、眼が濡れていた。それでも、「行ってきま~す。」と元気よく出かけた。

小学生のときと違って、詰襟の黒い制服と長ズボンの姿を見ると、一人前への新しい一歩を踏み出そうとしている孫に祝福のことばをかけてやる。これからの三年間は、小学生と違って、きびしい競争に勝っていかねばならない。よい友人に出会えるようにと思う。

今年は平成20年。今から63年前は、同じ20年でも、昭和20年だった。私はちょうど、この孫と同じように中学生になった。しかし、小学校卒業式の前日、大阪はB29による大空襲を受け、同級生が3人も亡くなった。だから、卒業式どころではなかった。数日経って、先生がワラ半紙に「謄写版」の卒業証書を配ってくれた。

中学校も入試が実施できなくなり、願書を出した者は「自動的に」入学ということになった。入学しても、来る日も来る日も、勉強をすることができず、防空壕に入ることを繰り返した。そして、一年生もみな、ゲートルを巻いて、学校から「勤労奉仕」に出ることが多かった。戦争も末期状態であったが、「教練」ばかりだった。教練といっても、匍匐前進(ほふくぜんしん)や、竹槍(たけやり)の訓練ばかりだった。あの凄まじい空襲に、竹槍で対抗すると本気で考えていたのかと、今思うと滑稽である。

英語は敵国語だというので、満足に教えてももらえなかった。教練、修身の点数さえよければよかったというヘンな時代だった。常に空腹だったし、楽しみもなかった。それでも「神州不滅」を信じていた。あのころと比べると、同じ20年でも雲泥の差である。今昔の感一入である。





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最終更新日  2008年04月08日 14時54分13秒
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