へそまがりの読書日記

へそまがりの読書日記

2013年02月09日
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カテゴリ: 読書記録

小さいおうち




昭和初期、女中奉公にでた少女タキは

赤い屋根のモダンな家と若く美しい奥様を心から慕う。

だが平穏な日々にやがて密かに“恋愛事件”の気配が漂いだす一方、

戦争の影もまた刻々と迫りきて――。

晩年のタキが記憶を綴ったノートが

意外な形で現代へと継がれてゆく最終章が深い余韻を残す傑作。

第143回・直木賞受賞作品。




昭和初期から戦後にかけての人々の生活が、

タキの目を通して鮮明に、丁寧に描かれています。

銀座のレストランや時子奥様の服装、おせち料理など、

当時のちょっと裕福な家庭の様子が垣間見えて興味深いです。



モダンな赤い屋根の家、そこには狭いながらもタキの部屋があり、

真面目で穏やかな旦那様、若くて美しく、優しい奥さま、可愛い坊ちゃんがいて・・・

お仕えする平井家の人たちに対する忠誠と愛情。

奥さまに対する憧れ。(それ以上の気持ちもあったような。)



模範的な女中さんだったタキが、昔を綴って終わるものだとばかり思っていたのです。



最終章になって突然、健史(タキの甥の息子)の視点に変わります。

その最終章の中で、「奥様のために」タキが何をしたのか明らかになるのですが、

回想ノートに書かれたこととは微妙に違っているんですね。

本当のところはどうだったのか、それまで読んできた読者には

とても気になるところですが、

最後、健史のつぶやきで物語は幕を閉じます。

「僕はけっして正しい答えをみつけられない。

僕はいつも、聞かなかった問いの答えばかりを探している」








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最終更新日  2013年02月09日 21時02分14秒


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